逸材探訪 ~鑑定官が若き匠に聞く~(波照間酒造所編)

  • [公開・発行日] 2016/10/27
    [ 最終更新日 ] 2018/06/06
   

沖縄本島より南西に約400km離れた八重山諸島の石垣島からさらに南西50kmに位置する波照間島(はてるまじま)。交通手段を船に頼り、海が荒れると人の往来も途絶える東西6km、南北3kmの離島の離島です。そこで生産される泡盛、泡波(あわなみ)は、その流通量の少なさから時に”幻の泡盛”とさえ呼ばれます。

今回は、そんな幻の泡盛、泡波を製造する波照間酒造所の若き匠、波照間卓也(はてるまたくや)さん、波照間拡(はてるまひろむ)さんにお話を伺いました。

聞き手は、酒類業界を、技術的、行政的側面より支援するいわば酒のスペシャリスト、沖縄国税事務所の小濱元(こはまはじめ)主任鑑定官とクイーンズサポーター親盛明佳里(おやもりあかり)さんにお願いしました。

逸材探訪~鑑定官が若き匠に聞く(波照間酒造所編)
聞き手:沖縄国税事務所 小濱主任鑑定官
            クイーンズサポーター 親盛明佳里さん

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左から小濱元主任鑑定官、親盛明佳里さん。

小濱:それではよろしくお願いします。本日は、泡盛クイーンズサポーターの親盛明佳里さんにお越し頂いていますので、まずは親盛さんの自己紹介からお願いします。

親盛:2013年度の泡盛の女王、親盛明佳里と申します。実は私の父が波照間島出身でして、物心ついた時には自宅には波照間酒造所さんの泡波が当たり前のようにありました。当時は泡盛と言えばすなわち泡波みたいな生活環境でして。ですから、二十歳になった時の泡盛デビューも泡波だったんですよ。それも父が私の生まれ年に製造された泡波を保管してくれていて、20年物の泡波の古酒でした。

卓也:いいお父さんですね!

親盛:泡盛の女王の選考会でも、このお話をさせていただいて、合格させていただいたので、泡波にはいろいろな思い出がたくさん詰まっている私にとって大切なお酒なんです。今回クイーンズサポーターとしてこうして波照間酒造所でお話を伺うことができてとても嬉しいです。本日はよろしくお願いします。

小濱:それでは、卓也さんから、経歴やご趣味など自己紹介をお願いします。

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左から波照間拡さん、波照間卓也さん。

卓也:波照間卓也と申します。私は男三人兄弟の長男で、今年で32歳になります。小さなころから親父が酒を造る姿を近くで見ていたので、酒造りは生活の一部のような感じで育ちました。親父が頑固で厳しかったせいもあるかもしれませんが、高校は酒造りとは離れて八重山商工高等学校(石垣市)の機械電機科に進学しました。その後は若気の至りといいますか、色々な仕事をしてみたくて、沖縄本島でアミューズメント系の仕事に就いたんですが、20歳の時に妻と出会ったのを契機に、身を固めたいとも思い島に帰ってきました。当時は、酒造りをするというよりは、とりあえず島に帰ったというのが大きいですかね。でも、それがきっかけで父と酒造りをするようになりました。趣味は魚釣りで、海に囲まれたこの島が大好きです。

拡:いわゆる釣りバカですよ(笑)。

卓也:子供の頃も勉強しているふりして机に釣りの仕掛けを書いて、そういう遊びばかりしていましたね。親父も釣りが好きなのでその影響でしょうか(笑)。

小濱:釣りにはお父さんと一緒にいかれるんですか?

卓也:今は別々ですね。昔は色々と親父に教えてもらっていたんですが、今はある程同じくらいの腕になったというか、まあ、正直、親父は超えましたから。

一同:(笑い)

小濱:逆に技術でケンカしてしまう?

2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho03拡:いま一緒に行ったら大変ですよ。親父も負けず嫌いなので。

卓也:今は忙しくて、なかなか釣りにも行けないというのが実状ですが、時々そういう楽しみもあるので、この島で酒造りもできるのかなと思っています。

小濱:拡さんもお願いします。

拡:波照間拡と申します。年は29歳です。男三人兄弟の三男です。小さい時は、兄たちとはケンカばかりしていましたね。高校は那覇にある沖縄工業高等学校の電子機械科です。高校進学の時は、私も酒蔵を継ぐつもりはなくて、パソコンとか機械いじりが大好きだったので、それがやりたくてその道に進んだ感じです。その後、本土で就職したんですが、24歳の時に、今後酒造所をどうするかという話もちょこちょこ出てきて、いったん島に帰って今に至ります。

親盛:趣味は釣りですか?

拡:釣りも好きなんですけど、兄ほどではないですね。自分はどちらかと言えば音楽が好きで。昔からギターをやっているんですが、今は島で音楽仲間とちょっとしたライブイベントをやったりしています。この島は祭事や学校行事が本当に多いんで、その間をぬって、島の皆さんに協力してもらいながら5年くらい前から毎年イベントを開催しています。

親盛:やはり皆で泡波を飲みながら?

拡:そうですね。

親盛:酒造所についてもいくつかお伺いしたいのですが、波照間島は、沖縄本島からですといったん石垣島に渡って、さらに船を乗り継いでたどり着く離島の離島になりますが、その辺りの大変さや悩みなどありますか?
2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho04卓也:物流面でコストかかかるというのもあるんですが、例えば機械類が故障した時に、専門業者を呼ぼうと思ってもすぐに来てもらえるかどうかわかないし、そもそも波が高くて船が欠航したら誰も島にたどり着けませんから。その辺り、親父の代からもそうなんですけど、極力自分たちでトラブルを解決できるようにならざるを得ないということですかね。

小濱:修理の面で言えば高校での勉強が活きてきますね。

卓也:高校での勉強もありますが、酒造所での経験の中で色々と教えてもらいながら身につけた面も多いです。水道管とかの水回りの修理も自分たちでやるような酒造所さんは、他にはないんじゃないでしょうか?

小濱:そうですよね。水回りなら普通は専門業者さんを呼ぶでしょうね。

拡:そこが大変ですけど、良い勉強にもなります。ただ、修理している間、酒が造れないんですけど(笑)。

親盛:誰かが病気になっても造れないですよね。

2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho05拡:そうなんです、代わりがいないので。

卓也:風邪とかひいてしまったら、蒸留などどうしてもやらないといけない工程はムリをしてでもやって、あとはみんなで助け合ってどうにかうまくやっています。

親盛:台風も大変ですよね。

拡:いち早く情報を入れて、調整をしないと途中で止めることができない工程もありますから。

卓也:停電しても発電機があるので、一応ポンプは動かせるんです。ただ、直火なので風か強いと煙突からの吹き返しで工場側に火が向かってくる時があるんです。ですから、台風の時はバーナーが使えないので、蒸しや蒸留はできませんね。

小濱:確かに危険ですね。

親盛:作業工程の中で、一番大変な作業と言えば何になりますか?

拡:米蒸しですかね。朝は早いし、暑い。

卓也:冬は適度に暖まっていいんですが、夏は本当に大変です。

親盛:米蒸しはお二人でやられているんですか?

拡:蒸している最中は見ているだけなので、一人でも大丈夫ですが、火を止めて、米をほぐしながら移動させるときは両親も含めて常勤全4名総動員ですね。作業が終わったころには体力を使い果たして動けなくなっています。

卓也:夏場は途中2回くらい着替えるので、洗濯が間に合わないといつも嫁に怒られるんですよ。子供も4名いますし。

2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho06小濱:早く出してと(笑)。もう少しお酒について詳しくお聞きしたいのですが、泡波の味は、ご自身ではどのような味だと思っていて、他の酒造所さんとの違いみたいなものはどのようにお考えですか?

卓也:私がというより消費者の皆さんによく言われるのは「飲みやすい」というのが一番ですね。親父の話によると、お爺さんの代の酒はもっと癖が強かったらしいんですよ。麹を焼きすぎて麹の味が残りすぎる感じだったと。それを親父の代で試行錯誤しながら今の味にしたらしく、そこは、自分たちも引き継いで行こうと思っています。

観光客の皆さんが波照間に来て、泡波を飲んで「これ飲みやすいね」「美味しいね」と言ってもらえるのが一番嬉しいですから。量の面も増やしたいとは思っているんですが、今の段階では、飲みやすい酒を造るために夜も手入れをしていて、体力的にかなり厳しいところもあります。

小濱:麹の温度が適温になるように、夜中も蔵に来て手入れをしているんですね。

卓也:はい、大変ではあるんですが、頑張っています。

2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho07小濱:拡さんも飲みやすさが泡波の特徴とお考えですか?

拡:そうですね。

小濱:飲みやすいというのは、酒質を上げて、多くの人が納得して飲んでもらえるようになるということですよね。

拡:はい。泡波の場合、完全に手作りなので他の酒屋さんよりも手入れをする回数が多いと思うんです。大変ですけどその分状態を細かく見れるという面はあると思います。

ただ、分析や記録などは足りてないですね。大きな酒造所さんは、記録・分析するような担当がいらっしゃいますよね。

小濱:品質管理部門がある酒造所さんにはいらっしゃいますよね。そういう方が一人二人は。

2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho08親盛:お二人とも高校では機械系の勉強をされたそうですが、酒造りに関してはどのように勉強されたのですか?

拡:まだ勉強中と言いますか、島に帰ってきて何度か親父に言われたのが職人になるには10年はかかると。

小濱:親の背中を見て勉強したという感じですかね。

卓也:自分もその意味が分かったのがここ最近なんですよ。自分の場合酒を造り始めて12年になるんですが、酒を造り始めて5年間くらいはただ酒を造っていたんですよ。子供のころから酒造りを見ているので、”作業”として何をすればいいかはだいたい分かっているんですよ。親父からアドバイスを受けながら、その通りの仕事はできる。でも、その作業の一つ一つの意味を深く考えることができるようになったのは、ようやくここ最近なんです。だから、今になって改めて職人になるのは難しいなと感じます。今だからこそ聞きたいことがたくさん出てくる。

2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho09拡:これはなんのためにやっているのか?実際に酒造りをはじめてからしかわからないことがありますよね。ただ、自分の場合は年齢も、経験も近い兄が先に酒造所にいたので、色々と助かっています。

親盛:「これをこうしたらこうなる」という細かいところ、奥の方が分かってきたということですね。

小濱:先ほど、手作りなので細かいところも見れるとおっしゃってましたが、これまで12年間酒造りをして印象深かった出来事などはありますか?

卓也:2010年頃だったと思いますが、タイから輸入される原料が砕米(細かく砕けた米)から丸米に変わった時はずいぶん苦労しました。砕米は造りやすかったですね。

小濱:砕米は水を吸いやすいですからね。

卓也:そうなんですよ。蒸すのに本当に苦労しました。浸漬時間、水を切る時間、蒸す時間、バーナーの調整など手探り状態で。この島にはほかに相談できる酒造所もありませんし、親父もさすがに経験のないことで。当時は8割くらい私が造りをやっていたので、親父と相談しながらですが、とても苦労した思い出があります。
2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho10小濱:酒造りにとって蒸しは要ですからね。砕米から丸米に変わった時に、いろいろな条件を検討して、それがコントロールできるようになったということですね。話は変わりますが、泡盛業界全体に望むことなどはありますか?

拡:あくまでも個人的な感覚での話なんですが、昔から、特に男性は泡盛のことを”シマ”と呼ぶじゃないですか。そんなシマを飲むのがカッコイイという感覚が自分にはあったんですけど、最近の若い子たちは“シマ=カッコイイ”というイメージではないですよね。いろいろな酒類のお酒を飲むし。そういう意味では泡盛ももっと時代に会ったイメージ造りを業界全体でしなければならないのかと。

親盛:泡盛の女王時代に県外をまわって泡盛をPRするんですけど、泡盛はカッコイイとかおしゃれとか以前に”度数が高い”みたいなイメージを持たれている方が多くて、手に取ってももらえなかった経験がかなりありました。

拡:泡盛はおじさんのイメージが強いのかなぁ。

小濱:でも造っている人は意外と若いんですよね、実は。その辺りをもっと発信して、PRに使えると思います。

親盛:最近おしゃれなカクテルみたいなのも増えてますよね。先ほどこちらにお邪魔する前に、カフェに寄ったんですが、泡波のカクテルメニューが数種類あって、泡波のこんな飲み方もあるんだと感動したんですよ。

卓也:島の居酒屋さんなどでもパッションフルーツ割りとか、ソーダ割りとかオリジナルの泡波カクテルがありますよ。

2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho11拡:酒蒸しなどの料理の材料として泡波を使って頂いている居酒屋さんもありますね。

小濱:ぜひ、今後もいろいろな提案が出てくるといいですね。

親盛:波照間島独特飲み方みたいなものはありますか?

卓也:難しい質問ですね。

小濱:お二人は普段はどういった飲み方で飲むんですか?

卓也:やはり水割りですね。ノーマルな感じで。あとはブラックコーヒーで割る。最近コーヒーで割る人が多いかもしれませんね。

拡:うちの親父も時々ですがブラックコーヒーで割って飲んでますよ。あとは、島の人は魚釣りの後に釣った魚を刺身にして宴会をやるんですが、その時刺身醤油に生のシークヮーサーを絞って入れて、その絞った後のシークヮーサーを泡盛グラスに入れて香りをつけるとか。

卓也:これは結構見ますね。

拡:シークヮーサー絞ったら、流れでグラスに入れるのがお決まりみたいな。でも基本はやはり水割りですね。

小濱:泡盛についてですが、理想の泡盛、将来このような泡盛を造ってみたいというのはありますか?

卓也:理想というのは、お客様がいつも飲んでいる泡盛が泡波になることですかね。特に島の居酒屋ではシマと言ったら何も言わなくても泡波が出てくるような状態であってほしいです。

拡:特別な酒ではなく、「いつも飲んでるけどこれ美味しいよ」って言ってもらえる泡盛、普段から飲んでいる泡盛になることが理想ですね。

卓也:後は強いて言えば古酒ですね。お祭りの時など個人的に瓶熟成させた泡波をお疲れさん会などに持って行くと「すごく美味しい」と先輩方に言ってもらえることがあります。やっぱり古酒はおいしいんだなって実感することもあって。いずれは造りたいと思っています。今の工場の規模だと難しいんですが。

2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho12親盛:その規模の問題も関係するかもしれませんが、泡波と言えば手に入れるのが非常に難しい”幻の泡盛”と言われることもあります。そのことについてはどのように思われていますか?

拡:正直複雑ですね。我々にとっては幻ではないので。ただ本島まで出荷できていないので、僕らも想定していない価格で出回っていることは知っています。それでも買って頂けるお客様には本当にありがたいと思いますが、”泡波は高い”と言われると”元が高い訳ではないんですよ”と説明せざるをえない時もあります。

卓也:泡波は値段が高い酒というイメージがあるようで、観光で島にいらしたお客様が”高いお酒を下さい”と酒造所に来られることもあって、”すみませんがこちらには泡波しかありません”と言うなんだかすれ違いの会話になることも。

小濱:まあ、完全に手作りだから時間がかかるんですよね。なかなか余裕ができないですよね。

拡:生産のスケジュールも組むんですが、島があっての酒造所なので、まずは島の行事を加味した上でのスケジュールになるんですよ。

小濱:行事があって、合間にここなら仕込めるとか?

卓也:そうですね。将来的には、少なくとも島の売店には常時泡波が陳列してある状態にしたいのですが、そうするためには今の3倍は造らないと。ただ、ラベルも手で貼っているのが現状ですし。

親盛:一日何本くらいラベルを貼っているんですか?

卓也:ミニボトルだけでもピーク時だと1日600本くらいですかね。これ以上の生産はなかなか。

親盛:波照間島は神行事(祭事)も多いですしね。休みはありますか?

卓也:決まった休みはないです。休める時に休むみたいな感じで。

2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho13拡:神行事以外にも、若手が少ないのでPTAや祭りや地域の役員など島の一員として責任が重い仕事もあるんですよ。酒屋である前に島民であることがけっこう大変だったりします。でも、矛盾なんですよね、先輩に行事に出てこいと言われるんですけど、同じ先輩にオレが注文した酒はまだできないのか?ってせかされて(笑)。

小濱:人員と規模からして、決してサボっているわけではないのはよく分かります。今後もプレッシャーかもしれませんが”幻の酒”の名に負けないおいしい泡盛を造り続けてください。本日は、お忙しい中、時間を割いていただきありがとうございました。

卓也:こちらこそありがとうございます。そのうちにホントの幻の泡盛も造りたいですね。

小濱:幻のさらに幻?

卓也:そのうち。そのうちですよ。

拡:ドキッとするようなこと言うなよ。

 

取材後記

取材当日、二人の若き匠は、波照間島の神行事“むしゃまー(ムシャーマ)”の準備に追われていた。むしゃまーとは、島全体が“東”、“前”、“西”の三組に分かれ、各組が行列を組んで町の中心まで練り歩く神行事(豊年祭の一種)である。各行列には、大旗の旗持ち、五穀豊穣を祈願するミルクヌナーリと呼ばれる飾りを持つ者、ミルク(弥勒)、ミルク節の歌い手、三線、笛などさまざまな役割をもって島中の子供から大人まで参加する。三組の行列が集合すると、各組が舞踊や芝居を披露し、最後は行きと同様に行列を組んで各地域に戻る。

2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho14幻の泡盛とも言われる泡波は、酒造所が造っているというより、波照間島の島民が全員で造っているとイメージしたほうが正確に理解できるかもしれない。その生産スケジュールは島の行事のスケジュールと完全にリンクし、製品のほぼ全量が島民の手に渡り、すなわち島民の手を介した後にしか流通することもない。

 

「泡波はなぜ高いのか?」取材前に漠然と持っていた疑問は、取材後は消えてなくなって2016_look-for-outstanding-talent_vol6_hateruma-shuzosho15いた。波照間島から石垣島へ渡る船に乗る島民は、皆、誇らしげに泡波を抱えている。石垣島で下ろされた郵便貨物はその大半が島民から託された泡波であった。

離島のさらに離島でもこれだけの酒が造れる。その島民の誇りに価格をつけるとしたら、それがいくらであっても、もはや驚くことはない。

(二代目預)

逸材探訪~鑑定官が若き匠に聞く~

Vol.0 「沖縄国税事務所鑑定官編(髙江洲朝清鑑定官)
Vol.1 「瑞泉酒造編(池原呂桜良さん・伊藝壱明さん・伊佐信二さん)
Vol.2 「久米仙酒造編(中村真紀さん、奥間英樹さん)
vol.3 「忠孝酒造編(井上創平さん・山本博子さん)
vol.4 「瑞穂酒造編(仲里彬さん・渡嘉敷建孝さん)
vol.5 「石川酒造編(石川由美子さん・上間長亮さん・知花賢吾さん)
Vol.6 「波照間酒造所編(波照間卓也さん・波照間拡さん)」」
Vol.7 「崎山酒造廠編(平良良弥さん・比嘉寛昭さん・津波志織さん)
Vol.8 「池原酒造編(池原優さん)」」

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