逸材探訪 ~鑑定官が若き匠に聞く~(崎山酒造廠編)

  • [公開・発行日] 2017/06/19
    [ 最終更新日 ] 2018/06/06
   

崎山酒造廠は、明治38年首里の赤田にて創業、戦後、米国民政府の要請により自然豊かな恩納岳のふもと金武町伊芸区に移転し、官営の伊芸酒造廠となりました。その後、昭和24に年に官営が解かれたことにより、現在の崎山酒造廠と改め、創業以来、百年以上の歳月を泡盛とともに歩んできました。

また、造りの研究にもいち早く取り組み、製麹時間が長い老麹をさらに進化させた三日麹で仕込んだ泡盛は、崎山酒造廠独自の深い味わいを生み出し、県内外で多くのファンを持ちます。

今回は、そんな崎山酒造廠の若き匠、平良良弥(たいらよしや)さん、比嘉寛昭(ひがひろあき)さん、津波志織(つはしおり)さんにお話を伺いました。

聞き手は、酒類業界を、技術的、行政的側面より支援する沖縄国税事務所の小濱元(こはまはじめ)主任鑑定官と宮本宗周(みやもとむねひろ)鑑定官にお願いしました。

逸材探訪~鑑定官が若き匠に聞く(崎山酒造廠編)
聞き手:沖縄国税事務所 小濱主任鑑定官 宮本鑑定官

左から平良さん、比嘉さん、津覇さん

左から平良さん、比嘉さん、津波さん

小濱・宮本:本日はよろしくおねがいします。

比嘉・平良・津波:よろしくおねがいします。

小濱:それでは津波さんから自己紹介をお願いします。

津波:崎山酒造廠製造部の津波志織と申します。年齢は25歳です。出身は読谷村で、地元の読谷高校を卒業して、東京農業大学の短期大学部を経て、二十歳の時から崎山酒造廠で働いています。

小濱:趣味などがあれば教えてください。

津波:趣味ですか?今は、お酒造りで結構いっぱいいっぱいでして、家に帰ったら犬と遊ぶくらいかもしれません。休日はひきこもっていますね。

左から宮本鑑定官、小濱主任鑑定官

左から宮本鑑定官、小濱主任鑑定官

小濱:飼ってらっしゃる犬は室内犬ですか?

津波:はい、室内犬です。犬と遊んでいると癒やされます。

小濱:ちなみに愛犬のお名前は?

津波:チーズといいます。

小濱:そこは泡盛とは関係ないのですね。

津波:いちおう発酵つながりということで。

小濱:なるほど、そこで共通しているわけですね。

津波:はい。

小濱:発酵といえば、津波さんは東京農大に進学されましたが、この辺のいきさつとか、東京農大から崎山酒造廠にたどりついた経緯などをもう少し詳しく教えてください。

津波:かなり昔の話になりますが、子供のころはケーキ屋さんになるのが将来の夢でした。でも高校生くらいになって、いろいろ調べたり考えたりするうちに、食べ物関係の仕事に就きたいとは思っても、ケーキ屋さんや調理師さんやパティシエは少し違うなと感じるようになりました。農業もいいなと思った時期もあるんですが、現実は厳しそうだ、などとあれこれ悩みまして。

小濱:それでも選択肢はだんだん狭まってきましたね。

津波:そうこうしているうちに、お味噌や醤油など、造り方が調べないとわからないような食品に魅力を感じるようになりました。農業と調理の間にあるような仕事ですね。

小濱:お酒も含めてですか?

2017_look-for-outstanding-talent_vol7_sakiyama-shuzoshou03津波:はい。その中でも泡盛に興味を持ったきっかけは、高校生の時の地元の食堂でのアルバイト経験でした。私の地元の読谷村はやちむん(焼き物)が有名で、その食堂では月ごとに一人の陶芸家さんの作品だけで料理を出す食事会を開いていたんです。そこで、やちむんという沖縄の文化の一部に触れて、仕事をするなら沖縄独自のものに関わりたいとも思うようになりました。

小濱:食品関連の仕事、そして沖縄独自の文化という点で泡盛に近づいてきましたね。

比嘉:高校生でそこまで考えるなんて、相当しっかりしてるな。

津波:それで、高校三年生の春に北部の酒造所に父と工場見学にいったんです。その時、その蔵の泡盛の甕に番号が書かれていて、その甕ごとに味が全然違って、番号にも一つ一つに意味があるという説明を受けて、なんだか素敵な仕事だなぁと泡盛に興味をもってしまいました。当時は18歳でしたけど。

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