沖縄の伝統的銘酒琉球泡盛。その製造現場では次の時代を担う新進気鋭の若き技術者が日々その技に磨きをかけています。
今回は、1952年那覇市大道創業。78年には「久米仙グリーンボトル」の爆発的なヒットで業界の需要拡大にも貢献したという歴史を持つ久米仙酒造株式会社の若き匠、中村真紀(なかむらまさき)さん、奥間英樹(おくまひでき)さんにお話を伺いました。
聞き手は、酒類業界を技術的、行政的側面より支援するいわば酒のスペシャリスト沖縄国税事務所の小濱主任鑑定官にお願いしました。
逸材探訪~鑑定官が若き匠に聞く(久米仙酒造編)
聞き手:沖縄国税事務所 小濱主任鑑定官
小濱:主任鑑定官の小濱です。今日はよろしくお願いします。さっそくですが、お二人のプロフィールを教えてほしいのですが、まずは、奥間さんお願いできますか?
奥間:はい。僕は恩納村出身で名護高校を卒業して、大分県の日本文理大学を経て、2013年の7月に久米仙に入社しました。現在入社3年半くらいです。
小濱:中村さんは、入社してどれくらいになりますか?
中村:ぼくは那覇市出身で、1981年生まれの今年で35歳です。高校を卒業後、サイテクカレッジという専門学校で生物工学を学んで、久米仙に入社しました。今年で入社13年目になりました。
小濱:お二人が久米仙に入社した経緯をもう少し詳しく教えて下さい。
奥間:大学時代を九州で過ごしたのですが、九州って酒どころだと思うんですね、そこで自分が酒好きってのもあって酒に興味を持って、沖縄に帰ったら酒造りをしたいと思うようになってきました。大学で勉強していたのは経済学で泡盛造りとは全く違うことを勉強していたんですけど。それでも地元に帰ったあとで久米仙の求人を見つけて門を叩きました。
小濱:経済学部を出て酒造りをしたいといったら「えっ?」て言われませんでした?
奥間:そうですね。
中村:それよりも履歴書見て、恩納村(在住)!?というところにまず驚きましたけど。でも、「浦添市に引っ越して働きます」と言っていると聞いて、これは本気だと思いました。
奥間:就職は沖縄ですると決めていたので、本土では就活をしなかったんですよ。しかも、沖縄でしかできないことをしたかった。泡盛造りでなければ、紅型職人とか、シーサー造りとかも考えたりもしましたよ。
小濱:中村さんの就職の経緯はいかかですか?
中村:僕は専門学校に入る前、アパレルというか洋服屋で働いていたんですよ。
小濱:沖縄でですか?
中村:那覇市のうきしま通りってご存じですか?
小濱:国際通りの脇道ですよね。おしゃれなカフェとかが多い。
中村:はい。そこのセレクトショップで店長やってたこともあるんですよ。
小濱:それがなぜ、専門学校で生物工学を学ぼうと思ったんですか?
中村:アパレルもいいんですが、もっと沖縄に関係する仕事がしたいなと思っていて。そんな時、たまたま新聞を読んでたら沖縄でやっている蘭の品種改良や培養の話が出ていて、自然も好きだからこれいいなと思って、それで、培養とかの勉強がしたくて理系の専門学校を探して入学しました。
小濱:なるほど、入り口が蘭の培養で、出口が泡盛造りだったわけですね。
中村:そうなりますね。泡盛以外だとイルカを育てる仕事の面接にいったりもしました。でも僕、泳げなくって…。
(一同笑い)
小濱:久米仙さんにはすんなり入れましたか?
中村:専門学校に募集が出ていたので、お酒も好きだったんで軽い気持ちで面接を受けました。そうしたら、その日に社長に「お前いつから来れるか?」って言われて、「強引な人達だなー」と正直思いましたけど、入社させていただきました。
小濱:「逃がさないぞー」って感じですね。入社後の部署は製造でしたか?
中村:最初は泡盛製造ではなく、もろみ酢の製造と品質管理をやりました。2年くらいもろみ酢を造って、それからさらに2年くらい本土の飲料メーカーに出向して、いろいろと勉強させてもらいました。それから泡盛製造ですので、泡盛製造歴は8年くらいですかね。
小濱:なるほど、実は以前から中村さんが香料の使い方を良くご存じなので、気になってはいたんですよ。飲料会社での経験が今活かされているわけですね。
中村:はい
小濱:奥間さんは今、具体的にはどんな仕事をしていますか?
奥間:主に仕込みですね。お米を洗って、蒸して、麹を造るまで。その後の発酵管理も行います。
小濱:どうですか日々お米を処理していて?
奥間:季節によって、気温や湿度も違うので、水分調節とか気を使いますね。ちょうどいい具合にお米が蒸せているかを知るために、手で触って「今の水分量は30なんパーセントだな」とか当てるのが楽しいです。
小濱:手の感覚で分かるわけですね。
奥間:ちゃんと測定すると全然違うんですけど・・・。
(一同笑い)
奥間:偶然当たることもあるんですが、ただ、こうやって自分がふれたお米が麹となって、もろみになって、蒸留されて、泡盛になって、市場に出ていく。街で泡盛を見てこれ俺が育てたやつだよなって思うとき、結構嬉しいですよね。まだまだ3年なんですが、自分のやりたかった夢に近付いてるなーって充実感はあります。
小濱:沖縄に戻って、沖縄ならではのものをつくりたかった、で、3年たってこれは俺が造ったって言えるようなものができたって感じですかね。
奥間:俺が造ったというか、蒸したってところですかね(笑)。
(一同笑い)
中村:嘘じゃないよね。確かに奥間が蒸している。
小濱:そうやって働いている中で、印象深かったことや、こういうことを普段頑張ってやってます!などエピソードがあれば教えてほしいのですが?
中村:“ぽてちゅう”はだいぶ苦労しました。
奥間:ぽてちゅう、めんどくさいです。仕込むのが!
小濱:北大東村のジャガイモを使った焼酎ですね。確かに米とは違う大変さがありますよね、ジャガイモには。
奥間:普段の量とまた違った量の米を処理して、ロットも小さくて水分量は不安定、掃除も大変、米より粘度が高いんで撹拌も大変で、手にマメができてつぶれましたよ!
小濱:大変だよね、ジャガイモ。
中村:とかいいつつ、こいつ「このもろみ、カワイイっス」とか言いながらやってるんですよ(笑)
奥間:僕の部署は1日目、2日目、3日目ともろみの量や香りが変わってくるのを一番感じることができる部署なんですよ。1日1日自分の造ってるものの変化をみれるってのは、いいなーというか、やりたかった仕事だなーって日々思いますね。
小濱:毎日毎日そうやって変化の記録を付けて、皆さんと共有できると良いものができると思いますね。奥間さんは職人的ですよね。すばらしい。職人的感覚ですね。
中村:奥間は音楽もやるんですよ。地元でラジオ番組もやってたりもして。
小濱:ミュージシャン?
奥間:週末はライブハウスや祭りなどで歌ってます。
小濱:毎日練習しているんですか?
奥間:平日家に帰ったら泡盛飲んで酔っ払いになってるんで、それで歌を作るのが好きなんですよ。
小濱:泡盛でインスピレーションが湧くというわけですか?
奥間:しらふではでてこない言葉とかあるじゃないですか、恥ずかしい言葉が…。「愛してるよ」とか。
(一同笑い)
奥間:だけど、ライブのときはお酒は飲まないんですよ。
小濱:集中するためですか?
奥間:飲んだら歌えなくなるんですよ、だから泡盛飲みながら作った歌を、しらふで歌う、そういうスタイルです。
小濱:話がそれたついでに、ラジオ番組についても聞いていいですか?
奥間:毎週金曜日に自分の地元の恩納村の隣のうるま市の地域FMで夜9時から30分くらい、弾き語りしたり、おしゃべりしたりしてます。
小濱:一人で?
奥間:地元の酒飲み仲間の60歳くらいのおじさん連れてきておしゃべりしながらやってます。
小濱:多彩な活動をしてるんですね。でも、そのラジオ番組は、どういった経緯で始めることになったんですか?
奥間:高校3年生の時から、ライブハウスでライブやってるんですけど、大学でも路上で歌ってたら、コンテストに出ないかって誘われて、で、俺あんまり大勢の人前で歌うのは苦手なんですが、まあ出てみるかって出てみたら準優勝して。九州のそれなりに大きな大会だったので、それから、ラジオ出演とライブとか毎週のように出るようになったんです。その流れです。
中村:ただの酔っ払いではないな(笑)。
小濱:ちょっと話を戻しまして、中村さんにとってお仕事でここ頑張ったとか、上手くいったなと思ったエピソードなどお教えください。
中村:そうですね。だいぶ前の話ですけど、泡盛の味が安定しないという時期があったんですよ。貯蔵期間の問題だったり造りの問題だったり。お客様に「味が変わった」と言われるみたいな。それを克服したのはかなり印象深いですね。ここ数年はまったくそういう話がでてこない。
小濱:酒質が安定したわけですね。
中村:はい。あとリキュールは、うちの場合こだわりがあって、どんなリキュールでも泡盛が残るように造っているんです。口に含んだ時にどのタイミングで泡盛の香りを発現させるかということまで考えて。泡盛の香りを消すのは実は簡単なんですが、それをしないように頑張ってます。例えばコーヒーリキュールの場合だと、最後にほんのふわっとだけ泡盛の香りがするみたいな。リキュールは泡盛の入り口であって、最終的には泡盛を飲んでほしいという願いもあるもんで。だから、すべてのリキュールに泡盛を香らせる、自然な感じで。
小濱:目立ちすぎないように、バランス良くアクセントとして泡盛を使っているわけですね。
中村:はい。そうじゃないと泡盛を使う意味がないし、久米仙がつくる意味もないし、僕が作る意味もない。ここにはこだわります。香りをマスクするのは簡単なんで、香りを残すのが一番難しい。
小濱:なるほど。新商品の提案は主に中村さんがやるのですか?
中村:僕が提案することもあるんですが、営業からこんなのをつくってくれないかというものもあります。流れでできたものもあって。例えば沖縄の野菜を使ったリキュールを造ろうという話が長らくあって、その流れでコーヒーリキュールができたとか。
小濱:野菜のリキュールが発展していってコーヒーリキュールに?
中村:はい。紅イモとコーヒーを使ったカクテルにすごく美味しいのがあって、それを製品化しようとしたら、紅イモのペーストを安定的に手に入れるのが大変だったり、フィルターが目詰まりしたり、微生物の問題があったりで時間がかかっていたんですよ。上からは「まだできないのか!」って催促されて、それでコーヒーだけならすぐ造れますよって。だけど僕、実はコーヒー苦手なんです。
小濱:嫌いなコーヒーで!?
中村:これを造るときは、美味しいといわれているコーヒー屋さんをまわって、だいぶ気持ち悪くなってました。でも、その中でも本当に美味しいコーヒーをいれてくれるところのコーヒーは飲めるんですね。そこを目指そうということで。
コーヒー泡盛を造るとき、普通豆を泡盛に漬け込むと思うんですが、そうするとどうしても酸味がかった匂いも豆から出てくるんですよ。それが僕はとても嫌いで。
どうにかならないか、コーヒー屋さんと相談しているうちに、エスプレッソコーヒーにさらに新しい豆を入れて、それをさらにエスプレッソコーヒーにして、濃くしたものはどうだって話になって、現在はそれを使ってますね。
そうすると酸味がかった味や香りがなくて、とてもいいです。
小濱:コーヒーが嫌いな人がつくったコーヒーリキュール、おもしろいですね。(笑)コーヒー嫌いな人でもぜんぜん飲めるってことですね。
中村:缶コーヒーで、“コーヒー”って書いてあるのと、“コーヒー飲料”って、書いてあいてあるのがありますでしょ、あれって豆の量で決まっているんですよ。うちの泡盛コーヒーシリーズは、コーヒーって謳えるくらい贅沢にコーヒー豆使ってますよ。
何か宣伝みたいになってますかね??
小濱:まあ、話の流れなんで。ちょっと質問を変えまして、今、働いていて、ここはうまくいってないとか、ここはもっと頑張らなければとかそういったところはありますか?
中村:そうですね、お客様の工場見学の案内は僕がすることが多いんですが、あまり泡盛のことをご存じない方が多くて。例えば、古酒(くーす)はグラスにそそいだ直後と、10分後とでは香りが変わってくるとか、飲む時の温度で味も香りも変わるとか、グラスが違っても変わるとか、そういうことをもっと皆さんに知っていただきたいので、どうしたらいいかを日々考えています。あと、飲み方としてどうしたらおしゃれになるかとか。ワイングラスが正解なのかはわかりませんが、ワイングラスで飲む泡盛をつくればいいのか、そのあたり悩んでいます。
小濱:確かに「古酒いいよね!」って話くらいは聞こえてきますけど、こういう風に飲むとおしゃれだよねみたいな話はあまり聞きませんね。温度とか容器とかシチュエーションとかそういうものも含めたプロデュースが必要ということですね。
中村:その辺りを頑張ってはいますが、なかなか浸透してくれないですよね。「泡盛は沖縄料理だけではなく、ほかの料理とも合うんですよ」ってやっても、なかなか広がらないですよね。
小濱:泡盛をデイリーユースにするということですね。特に技術的な話はパンフレットに書いたりとかホームページに載せたりとかありますけど、それだけでは伝わりにくいですよね。僕は中村さんや奥間さんみたいな技術者の方が、もっと表に出て、造り方とか商品の魅力とか説明する機会が増えることを望みます。
営業の方も一生懸命やっていただいているとは思いますが、技術者の方から話を聞きたいというニーズはかなりあるとおもうんですよ。実際に造っている人の話はリアリティがありますので、その方が皆さんの記憶に残るんじゃないかと思うんです。
中村:なるほど。
小濱:ちょっと言いにくいかもしれませんが、泡盛業界に対してこういうことをやればもっとうまくいくんじゃないか?みたいなことがあればお教えください。
奥間:まー業界というか、僕が常日ごろから思っているのは、いま県内47蔵あるじゃないですか、もっとバラけてほしいんです。
小濱:え!?減った方がいいとうことですか?
中村:問題発言だな。
奥間:いえいえ蔵ではなくて、酒質です。酒の美味しさもいろいろあると思うんですよ。だから似た酒ではなく各蔵それぞれの美味しい泡盛をつくてほしいんです。
小濱:うちの酒はこういう酒だ!っていう個性の確立、バラエティ化ですね。
奥間:業界として結束しないといけないとは思うんですよね。でも、どこどこの蔵がこうだから、わたしも真似してみようとかはやってほしくないんです。自分の蔵の酒はこうだ!というのがあって、その中で、ここの足りないとこはちょっとよそを参考にしようというところはあっても、独自性は失わない。それがブランドだと思うんです。
小濱:僕も正にそういうところを望むんですが、残念ながら見えにくいですよね、この業界は。で、ちょっと意地悪な質問ですけど、久米仙さんは現状で、いわゆるオンリーワン的な、うちの酒はっこうだ!っていう酒質になってますか?
奥間:僕はまだじゃないかなって思います。
小濱:どういうふうになれば、どういうところを頑張れば“久米仙さんは他の蔵とは違う“ってなりますか?
奥間:これは僕の個人的な考え方ですが、グリーンボトルをもっとベースにして表に出すべきだと思うんですよ。あの、グリーンが泡盛復興の火付け役になったという歴史があるじゃないですか。これは久米仙の誇りだと思うんですよ。だからこれを踏まえて他の商品を造ればと。
小濱:なるほど、それでは、中村さんは業界にモノ申したいことはありますか?
中村:そうですね、もうちょっと仲良くなればいいのになと。技術が盗まれるから勉強会の場にも参加しないとか、させないとかいう蔵もあるみたいですから。別に技術はとらないですし、聞きたいとも思っていないので。技術者の会を設立したりして技術者全体の底上げみたいなことを全体でできるようになれば、もっと狙った酒質もつくれるようになって、各蔵もっとバラエティも出せるんじゃないかと思います。
小濱:歴史的に見て、泡盛は家内でつくって技術は嫁にしか伝えないみたいな流れはあるんでしょうが、中村さんのおっしゃるとおり、生産が安定する一定のレベルまで皆で節度をもって技術交流し合ったほうがいいですよね。我々も泡盛鑑評会を開催していますが、あれも一定レベルまでの技術水準に皆さんになってもらうのが一番の目的です。
それでは最後のご質問です。バラエティにとんだ泡盛造りというお話もあったんですが、自分にとって、理想の泡盛とは、こういうのを造っていきたいという夢、そのあたりを特に若い人へのメッセージとしていただければ。
中村:一般的に言われているのが古酒に重きを置くということですけど、バラエティという点では、一般酒(新酒)の方が圧倒的に幅が広いと思うんです。
僕が今泡盛に求めているのは、食中酒になる泡盛。もちろん泡盛は食中酒ですが、イタリアン、フレンチ、和食などそれぞれにピンポイントで合う泡盛です。
今でも、それらと寄り添わせることはできるんですよ。泡盛は米が原料ですから、基本的にお米と食べて美味しい料理には合わせることはできるんです。でももう一歩、温度やグラスなどいろいろ工夫しなくても、普通にどんな料理にも合うという泡盛を造りたい。
その中には度数の問題もあります。特に海外ではあまり食中酒として蒸留酒を飲まない地域が多いんですよ。そういうところで泡盛を食中酒として出そうとすると、薄めなければいけない。そうして12度前後にしたときに、清酒やワインとか他の醸造酒に比べて厚みで負けないようにしないといけませんよね。
小濱:なるほど、清酒でも12度にするとけっこう弱いですが、酸を効かせたりしてバランスをとっていますよね。泡盛ではなくなってしまうかもしれませんが、味のバランスがとれれば負けないかと思います。
中村:発酵と蒸留でそれを実現したいですね。
小濱:なるほど。奥間さんはどうですか、理想の泡盛とは?
奥間:理想 … 難しいですね … お酒も奥が深いんで理想っていうのが …。
小濱:俺はこういうものを目指してるんだぞというピーアール的なものでも。
中村:ほら、向かいにかわいいお姉さんがいたとして、俺の酒を語るみたいな。
(一同笑い)
奥間:理想の泡盛はというか、僕にとって泡盛は芸術だと思っているんです。
小濱:自分の造った泡盛がもはやアートだと、そういう領域を目指しているということですか?
奥間:アートって全部が同じってものはないじゃないですか、オンリーワンじゃないですか、俺にしか作れないぜっていう酒をつくりたいですね。それが会社のブランドとして、みんなが飲んでくれたらいいですね。
小濱:音楽の作品みたいな。
奥間:けっこう泡盛造りと歌作りは共通するところがあるんですよ。
なんていうんですかね、歌ってやっぱ思い入れがあるじゃないですか。だから歌う時も、この歌はこういう想いでつくったから、歌っているとそういう気持ちになる。
泡盛造りもいっしょで、自分が難儀して造って、想いを入れたこの酒が蒸留して製品になって出ていくときのなんて言うんですかね、溜めたものを吐き出すというか、開放感というか。ああでもない、こうでもないって悩んで作詞して、曲をつけて、できあがったものを人前で披露して、それが世に出ていく時の感覚。あれと共通した部分があるんですよ。
小濱:普段働くことによって、新曲というか、新泡盛をリリースしている感覚でやってるわけですね。
奥間:ほんとに面白いんですよ。いま、攪拌しているところは、曲でいえば3番のBメロくらいかなって … 。
(一同笑い)
中村:それ久米仙のブログに書こうよ。「今日、俺の新曲リリースします。」みたいなやつ。
(一同笑い)
小濱:そろそろお時間ですね。本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
中村・奥間:こちらこそありがとうございます。