本格焼酎&泡盛の日2026 ~躍動する日本の酒~(日本酒造組合中央会)

   

令和8年10月30日(金)、青山グランドホール(東京都港区北青山)で「本格焼酎&泡盛の日2026 ~躍動する日本の酒~」が開催された。(主催:日本酒造組合中央会)

11月1日の「本格焼酎&泡盛の日」を記念した催しで、抽選で当選した一般参加者50名を対象に、「知る」「味わう」「楽しむ」の3部構成で行われた。公式YouTubeでも生配信された。

一般参加者は男女がほぼ半々ながら女性がやや多く、若い人も目立った。
また、関係者とメディアは合わせて20〜30名ほどが参加し、一部は立ち見。メディアの多くは、部ごとでの入れ替わり制だった。

 

「本格焼酎&泡盛の日」は、1987年に日本酒造組合中央会が制定した記念日。
芋の収穫・仕込みを経て、新酒の芋焼酎が楽しめる時期にあたることから、11月1日に定められた。

来場者には、ウェルカムドリンクとして「花宴(はなのえん)」が振る舞われた。
第3部の登壇者でもあるバーテンダーの吉澤翔太さん(ホテルニューオータニ)が、今年2月に行われた「第8回本格焼酎&泡盛カクテルコンペティション」で優勝した一杯だ。球磨焼酎「吟香鳥飼」をベースに、桜と青リンゴの香りを重ね、梅酢の塩味をアクセントにした、華やかな味わいのカクテルだった。

18時30分に開会。日本酒造組合中央会需要開発部会の小牧伊勢吉会長が、若い世代や、まだ焼酎になじみのない人にも魅力を伝えたいとあいさつし、乾杯の発声をした。
MCの浜崎美保さんは、泡盛を「原料の米をすべて黒麹で麹にする全麹仕込みが特徴」と説明した。

+本格焼酎泡盛イベント_会場

 

第1部「知る」には、焼酎メーカーの売上高で上位2社のトップが登壇した。
麦焼酎「いいちこ」の三和酒類(宇佐市)代表取締役社長の西和紀さんと、「黒霧島」の霧島酒造(都城市)代表取締役社長の江夏邦威さん。

西さんは、お茶割りを紹介。「10年前なら、本格焼酎メーカーが割り物を勧めるのはタブーだった」と話す。三和酒類は4年ほど前から勧めていて、普段焼酎を飲まない若い人が集まる居酒屋にも広がっているという。江夏さんは炭酸割りのコツを、氷をたっぷり入れたグラスで焼酎を15回ほど混ぜて冷やし、そのあとで炭酸を注いで1、2回混ぜると炭酸が抜けにくい、と話した。

「本格焼酎」という名称は、江夏さんの祖父である先々代が提唱したものだ。当時の焼酎は、甲類に劣るという意味合いの「乙類」と呼ばれていた。5年をかけた働きかけの末、1962年に正式に認められたという。

参加者は、登壇者の話に真剣に聞き入っていたのが印象的だった。

主催者提供

主催者提供

 

第2部「味わう」は、料理研究家の土井光さんと、タレントの山之内すずさんが登壇した。
土井さんが考案した3品のおつまみに、芋・麦・泡盛を合わせる。山之内さんは25歳。普段から家で毎日飲む。奄美大島で黒糖焼酎を飲んだのをきっかけに、焼酎を飲むようになったという。

1品目は、味噌レバーのパテと麦焼酎のソーダ割り。2品目は、スパニッシュチーズオムレツと、紅芋を使った芋焼酎のロック。普段はソーダ割りで飲むという山之内さんは、「ロックでこんなに飲みやすい芋焼酎があるんですか」と驚いていた。

3品目が、豚の角煮と、泡盛のさんぴん茶割り。

+本格焼酎泡盛イベント_ペアリング

 

土井さんがこの組み合わせに選んだ理由は、お茶と泡盛の相性にある。泡盛をまだ飲み慣れていない同世代は多く、さんぴん茶などで割ると飲みやすくなり、2杯、3杯と進むと話した。山之内さんは「さんぴん茶のさっぱりとした味わいと泡盛が合いますね。角煮の甘さとも相性抜群です」と喜んだ。

筆者が驚いたのも、この3品目だ。一見すると沖縄では一般的な調理法と組み合わせだが、沖縄のそれとはチューニングが違い、新鮮だった。さんぴん茶特有の香りと渋みを、泡盛が下から支える。豚肉は余分な脂が丁寧に落とされてさっぱりしているのに、そのぶん旨味の塊になっていた。

角煮は、泡盛を使って仕込まれている。土井さんによると、下茹での段階で水と泡盛を1対1で合わせると、肉が柔らかくなり、香りもつく。
焼酎や泡盛は、白ワインの代わりに料理に使ったり、仕上げに香りづけとしてかけたりしてもよいという。

主催者提供

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第3部「楽しむ」は、吉澤翔太さんが登壇し、山之内さんも再び壇上に上がった。
吉澤さんは、コンペティションで3大会連続の入賞を経て、4回目の挑戦で優勝した。ウェルカムドリンクとして出された「花宴」が生まれたテーマは「日本の文化」。熊本の球磨焼酎には宴会文化が背景にあると考え、日本でいちばんなじみのある宴会は花見だと、桜の香りをつけた。

この日のために考案したのは、黒糖焼酎のホットカクテル。吉澤さんが自宅の道具を持ち込み、手順を話しながら、その場で作った。黒糖焼酎とリンゴジュースを2対3の割合で鍋に入れ、弱火で温める。沸いてきたら砂糖を溶かし、カップに注いだ上にバターを落とす。手順を進める所作のエレガントさに、参加者から拍手が起こる場面もあった。

+本格焼酎泡盛イベント_第3部

 

バターには驚いたが、悪目立ちすることなく、上品な洋菓子のようにカクテルの一要素になっていた。山之内さんは「バターのコクとリンゴのやさしい甘さが広がって、その奥に焼酎がいる感じ」と話した。

20時20分に閉会。登壇者全員のフォトセッションが行われた。

主催者提供

主催者提供

 

終演後、土井さんと吉澤さんに、泡盛への思いを聞いた。山之内さんからは、文面で回答が寄せられた。

 

土井さんと泡盛の出会いは、高校の同級生だ。泡盛の酒造所に嫁いだ友人から、本を出版したお祝いとして、花束の代わりに大きな泡盛の瓶が届いた。「それがすごくおいしくて。ただただ強いお酒というイメージだった泡盛が、ちゃんとおいしいんだと知った」。以来、沖縄に行けば必ず飲むという。

料理には、角煮にいちばん使う。度数が高いぶん香りが立ち、豚肉にとても合う。香りが強いと感じたときは、火を入れれば抑えられる。東京では泡盛を出す外食店が少なく、「だからこそ、あれば飲んでみようという気になる」と土井さん。

 

吉澤さんは、コンペティションを通じて沖縄を2回訪れ、蔵も見学した。泡盛は、古酒から熟成させていないものまで幅があり、カクテルにしたときの可能性も大きいという。

注目するのは、果実の漬け込みだ。泡盛は果実の香りを吸着しやすく、イチゴを漬けるとフレッシュな香りが出る。ほかの焼酎と比べても、この特性は際立つと吉澤さん。「家で楽しむ分には、20度を超える泡盛に漬ければいい。梅酒を作る感覚で、泡盛で果実酒を作ってみてほしい」

もう一つ、驚いたのがちぶぐゎーだ。注いで飲み切ったあと、空になった器に残る香り。「あれだけ酒器に香りが残るのは、あまり経験がなかった。甘い香りがより出ていて、楽しみ方として新しい」。

 

山之内さんが初めて泡盛を飲んだのは、昨年の春、ロケで訪れた沖縄だった。ソーダ割りで飲み、「意外と飲みやすい!」と驚いたのがきっかけという。以来、沖縄へ行くたびに飲んでいる。「他のお酒とは一味違った独特の香りや風味があり、その土地らしさがあって、旅をしているように感じられる」。

 

この日の様子は、公式YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=6ctyiWq14Oc)で11月30日(月)までアーカイブが公開されている。詳細は公式サイト(https://honkakushochu-awamori-2026.com/)。

 

(文・写/岡山進矢東京支部長)※クレジットがあるもの以外

 

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