「甕開けて あの日の俺と 乾杯す」泡盛川柳入賞作品発表!(琉球泡盛倶楽部・沖縄県酒造組合)

   

令和8年11月1日、琉球泡盛倶楽部(長嶺哲成会長)と沖縄県酒造組合(佐久本学会長)は、本年の「泡盛川柳」の入賞作品(大賞・優秀賞・ユーモア賞)を発表した。泡盛川柳の募集は、今年で7回目となり345人から883句の応募があった。

それぞれの選評と本年の総評は以下の通り。

【大賞】

甕開けて あの日の俺と 乾杯す

(ぺぬしの/東京都)

【選評】
十年も前、どのような思いを込めて甕に泡盛を注ぎ込んだのだろう。それから歳月が経った。そしてハレの日を迎え、甕を開けようとしている今、かつての自分と向かい合い、過去の自分に語りかけている情景が目に浮かぶ。これまでこのような作品では孫や家族の絆や失敗談などを題材にした作品がほとんど。本作品のように過去の自分と対峙するような作品は見られなかった。ゆったりとした時の流れが感じられる秀句である。

【優秀賞】

水割りで 濃くなる父の しまくとぅば

(キンザップ/沖縄県)

【選評】
杯を重ねるごとにサーフ−フーとなり、饒舌になる父。最初は薄めだった泡盛は酔うほどに語るほどに濃さを増していく。同時に共通語だった言葉もしまくとぅばの度合いが増していく。陽気な父の酒に、その場にいる人たちの表情も緩むばかり。おいしい泡盛と、楽しい会話の席。次第にうちなーの夜も更けていく。思わず笑顔になる楽しい1句。

【ユーモア賞】

孫の書く「子酒」の札は 直せない

(ゆるゆる泡盛/東京都)

【選評】
可愛くて目に入れても痛くない孫。そんな可愛い孫が気をきかせて札に書いた「子酒」の二文字。「こしゅ」だから単純に子の酒と思ったのか、それとも親(作者にとっての子ども)がプレゼントした酒だから「子」にしたのか。いずれにせよ「古酒」ではなく「子酒」。甕に下げられた札を前に、訂正するかどうか頭を悩ませる表情がありありと浮かんでくる。穏やかで温かく、微笑ましい1句。

【2026年「泡盛川柳」総評】
今年度の応募作品は883句。定番となった家族の絆、平和、失敗話などの他、A Iや首里城再建、大相撲美ノ海など、今年に相応しい題材作品も印象に残った。書きたいことはたくさんあるのだが、文字数が少ないので、選に漏れた作品を挙げて今年の総評の締めとしたい。「再建の七年醸す古酒の香」「クース甕出世と無縁の顔揃う」「しりとりの『あ』は泡盛と決めている」「合コンはピーチフィズ女子会は古酒」。来年は、どのような傑作が産まれるか楽しみにしている。

大賞には泡盛5升甕、優秀賞とユーモア賞には古酒1升が贈られる。

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