【糸洲主税局長挨拶】1971年にのぞむ企業者間の相互信頼を(昭和46年1月10日)
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[公開・発行日] 1971/01/10
[ 最終更新日 ] 2016/01/26 - 読む
新年おめでとうございます。昭和46年(1971年)の年頭にあたり、皆様方の御健康と御隆盛を祈念するとともに、1972年復帰に向け、酒類産業の順調な進展と繁栄がもたらされるよう希ってやみません。
本県の酒類産業は、戦後の廃虚の仲から幾多の困難を克服し発展を続け、その製品も内外に高く評価されるまでに至り、特に泡盛は本県の伝統と地域色を活かした特産品としての地位を築いてきたことは、よろこばしいことであります。
しかしながら酒類産業は、その殆どが小規模の個人企業的形態で、かつ資金調達力も低く、その経営基盤は脆弱のうえ、復帰に伴う本土企業との競争、原材料確保の問題など、きわめて厳しいものが予想されます。
琉球政府としても復帰に際し税率の軽減、原材料などに関する措置、焼酎甲類のアルコール専売工場指定等、その他免許などに対する措置等を本土政府に要請し、既存企業の保護育成に努力していますが、長期的には企業の統合、協業化又は系列化を業界の努力で推進し、内外の厳しい競争に耐え得る企業に成長することであり、また個々の企業にあっては品質及び製造技術の向上のほか、企業の近代合理化によって、生産費の逓減(ていげん)を図り、県内においては消費者層の拡大、県外においては本土その他の海外市場の開拓を強く推進する企業努力が肝要であると思われます。
1972年復帰を目睫(もくしょう)にして、本年は特に重要な時期と思います。業界の1人1人が酒造組合及び連合会などの団体を一層充実させ、企業者間の相互信頼を基調として業界の意志の疎通を図り、活動を活発に行い業界の安定を図ることも、関係官庁などとも協調して発展していただきたい。
政府もこれから一層の努力を重ねたいと思います。業界のなお一層の御協刀をお願いして、新春の御挨拶といたします。
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