沖縄県国税事務所(池田義典所長)は令和元年8月23日(金)、泡盛PRイベント「羽田空港泡盛フェスタ2019」を開催した。会期は9月5日(木)まで。
場所は羽田空港国際線ターミナル4階の江戸小路と、5階のお祭り広場。
(参考記事:日本の玄関で泡盛をPR!羽田空港泡盛フェスタ2019)
会場には24時間閲覧可能な泡盛を紹介するパネルや沖縄の伝統工芸品が飾られている他、土日には試飲ブースが設置され来場者に振る舞われる。
筆者が会場を訪ねたのは8月25日の日曜日。
この日は試飲の他、4階の江戸舞台にてトークイベントや沖縄伝統芸能が披露される予定で、期待も膨らむ。
2010年に新装オープンし、以来多くの訪日外国人や観光客を楽しませている羽田空港国際線ターミナルは、空港でありながらまるで「和のテーマパーク」のような趣がある。
泡盛フェスタの展示はその「和」テイストによく馴染み、よく映えていた。
13時~15時に行われたステージイベントは国際空港での開催らしく、日本語と英語で司会進行された。冒頭で沖縄国税事務所・池田所長が「ラグビー・ワールドカップ、オリンピック・パラリンピックを控えクールジャパンが注目を集める中、輸出拡大を目指す琉球泡盛もこの機会を千載一遇のチャンスと捉えています。」と挨拶すると、行き交う空港利用者や駆けつけた泡盛ファンから大きな拍手が沸き起こった。
続いて沖縄県酒造組合の佐久本学会長、本年度泡盛の女王の知念妃さん、砂邊由美さんが登壇し、フォトセッションが行われた。
ステージ上では平良立子さんらによる琉球舞踊、八木明人さんらによる琉球空手、世持桜さんによる唄三線、そして琉球國祭り太鼓の皆さんによる演舞といった「沖縄伝統芸能」が次々と披露され、空港利用客を釘付けにした。
同時に開設された試飲ブースにも、大勢の人が列を作った。ステージ近くのスペースには沖縄本島の、そして一つ上のフロアの一角には離島の酒造所の銘柄が試飲できるブースが設置され、好きな泡盛を指定して試飲ができる。
メニュー表に書かれた簡単な説明を参考に選ぶ人もいれば、ラベルのデザインを見て”ジャケ選”する人もいた。
銘柄が決まったらロック、水割り、炭酸割り、シークヮーサー割りから好きな飲み方を選ぶ。人気はシークヮーサー割りだそうだ。
前日の24日(土)には、両ブースでのべ500~600人もの人が泡盛の味を体験をした。
試飲ブースの女性スタッフによれば「お客様の比率は日本の方6割、外国の方4割くらいです。反応は様々ですが、中国の方と西洋の方は強い度数のものを好んで飲まれます。」とのこと。
ロックで試飲したアリゾナ・フェニックスから来日した男性二人組に、泡盛の印象を訪ねると「すごくスムーズでおいしいと勧められたんだけど、確かにその通りだね」「悪くないね。飲み始めは強く感じたけど、後味はスムーズ。今まで日本でお酒を飲んだことがなかったが、初めての試飲がこの味でよかった。すごくおいしいね」と語ってくれた。
飲酒年齢に達して間もないという山梨から来た青年は「普段はビールしか飲まない。居酒屋などで知らないお酒を注文することはないが、試飲して泡盛を”知ってるお酒”にすることができたので嬉しい。」と語り、アメリカへ旅立った。
台湾帰りだという長崎在住の男性は「沖縄ファンで、長崎でも焼酎を飲まず泡盛ばかり飲んでいる。今回もフラフラ引き寄せられて立ち寄った」と、イベント自体を楽しんでいる様子だった。
ちなみに女王にも見まがう流暢な口上で泡盛を案内してくれるスタッフの皆さんはウチナンチュ(沖縄の方)ではなく、関東在住のヤマトンチュ。もともと泡盛には馴染みがなかったが、この日に向け主催側が用意したテキストや講習などで勉強してきたそうだ。「勉強をするうちに泡盛に興味がわきました。今は女王がお客様に説明してるのを横で聞くのが楽しい。」と笑顔で語ってくれた。
お客さんがいない時間帯に「少しだったら試飲したり、香りを嗅いだりしてもいいよ。」とリーダーの方から声をかけられ、キャーキャーと喜びながら試飲カップを回す姿が微笑ましかった。
そんなスタッフさんたちに泡盛をサーブしてもらえる機会は、残り8月31日(土)、9月1日(日)の2日間(記事公開時点)。展示は9月5日(木)まで24時間楽しめる。
(文・写 岡山進矢東京支部長)