第8回逗子沖縄まつりレポート(文・写/岡山進矢東京支部長)

  • [公開・発行日] 2022/09/20
    [ 最終更新日 ] 2022/10/07
   

令和4年9月11日(日)。神奈川県逗子市のJR東逗子駅に隣接する東逗子ふれあい広場で「第8回 逗子沖縄まつり(主催:逗子沖縄まつり実行委員会、共催:逗子葉山沖縄県人会)が開催された。

これまで、粟国島や津堅島、伊良部島、西表島など、沖縄各地を旅していて幾度となく地域の「おまつり」に参加したが、それらのまつりで感じた暖かでパワフルな雰囲気を、神奈川の小さなお祭りでも感じ、驚いた。

平成26年に逗子の亀岡八幡宮の境内を借り始まったこのイベント。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一昨年はオンライン開催となり、ついに昨年は中止に。今回は3年ぶりに、神社の参拝客と祭り参加者を分離し密をさける目的で会場を移しての再開となった。

暑さのピークを過ぎ、しばらくはぐずついた空模様が続いていたが、祭り当日は夏の盛りが戻ってきたような晴天。フットサルコート一面分ほどの広場にはステージに、物販や飲食店のテント、キッチンカーが配置され、沖縄色豊かな出し物や商品が多くの来場者を楽しませていた。

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そもそもなぜ逗子で、沖縄まつりなのか?

逗葉沖縄県人会代表の真喜志康正さんによると、東逗子がある沼間地区には古くから沖縄出身者が多いからだという。

「終戦後沖縄に帰れなかった人、または東南アジアから引き揚げてきた人たちが港のある横須賀に辿り着き、宿舎ができた。今でもウチナー2世、3世の方が多く住むこの土地に沖縄のまつりが立ち上がったのは必然です(真喜志さん)」

逗子沖縄まつりの立ち上げメンバーであり、実行委員を務める田中佳織さんは「逗子に住んでいた沖縄出身のミュージシャン東風平高根さんを中心に人が集まり、沖縄と逗子を繋げたいという思いで実行委員を立ち上げたんです」とそのいきさつを語ってくれた。

現在、実行委員は7名。そこにボランティアスタッフが加わり運営を支えているという。東風平さんはプロデューサーとして、ミュージシャンとして、その中心でイベントを盛り立てている。

田中さんは逗子で沖縄料理店「沖縄ごはん”くくるやー”」を運営している。そんな田中さんがつくる、ラフテーやゴーヤーチャンプルーなどが贅沢に乗った「沖縄三色丼」やピーナツ黒糖は、行列ができる人気ぶりだった。

「今年はコロナ禍で出店ルールが厳しくなり諦めた店もあるが、徐々に沖縄ジャンルではないお店も沖縄を意識したメニューを携え出店してくれようになってきている。地域密着のおまつりとして10回、20回と続けていきたい(田中さん)」

くくるやー店主の田中佳織さん(左)とスタッフのゆうなさん(右)。ゆうなさんは東風平さんの愛娘で、ポスターのイラストも手がけている。

くくるやー店主の田中佳織さん(左)とスタッフのゆうなさん(右)。ゆうなさんは東風平さんの愛娘で、ポスターのイラストも手がけている。

さて、このまつりの目玉とも言える泡盛テント。沖縄の24メーカー+1問屋から協賛された実に51銘柄の泡盛、リキュール、ラムがずらりと並んでいた。

来場者は3杯1,000円チケットを購入し、その中から好きなものを選んで飲むことができるほか、泡盛に馴染みがない客にはスタッフが銘柄選びをサポートする。

このまつりで泡盛を知り、毎年顔を出すようになった地域住民もいるという。一方、このテントを目指し近隣都県から遥々やってくる泡盛ファンも多い。

第2回目から実行委員となった泡盛マイスターの小杉宗谷さんを中心に、泡盛業界から信頼の厚いメンバーが尽力し実績を築いてきた。

今では、来場者や出店者から「逗子沖縄まつりは泡盛に特化したまつりだ」という声も聞かれるほどだ。

「泡盛を愛し、逗子を愛するメンバーが集まってます。」と小杉さんは話す。

泡盛テントのメンバー。一番左が、小杉宗谷さん。神村酒造の中里迅志社長(左から3人目)や瑞穂酒造の名物営業・本田賢一郎さん(左から4人目)も毎年応援に駆けつける。

泡盛テントのメンバー。一番左が、小杉宗谷さん。神村酒造の中里迅志社長(左から3人目)や瑞穂酒造の名物営業・本田賢一郎さん(左から4人目)も毎年応援に駆けつける。

「酒造の協力があって成り立っているおまつり。我々も沖縄の美味しいお酒を地域に伝えたいという思いでやっている。伝えるのは楽しいです。」と小杉さん。

沖縄と地域を繋げる思い、それこそがこのまつりのパワフルさの正体か。
次回からはまた、亀岡八幡宮境内に戻り開催する予定だという。

(文/岡山進矢東京支部長、写真/岡山進矢東京支部長・小杉宗谷さん提供)

会場入り口近くで沖縄物産の販売ブースを構えていた「沖縄企画ユンタクヤ」の野村拓哉さん(左)「11月5、6日に、同じ神奈川県鶴見での”鶴見ウチナー祭”が開催されます。原点回帰、地域密着型のイベントを打ち出していきます。(野村さん)」

会場入り口近くで沖縄物産の販売ブースを構えていた「沖縄企画ユンタクヤ」の野村拓哉さん(左)「11月5、6日に、同じ神奈川県鶴見での”鶴見ウチナー祭”が開催されます。原点回帰、地域密着型のイベントを打ち出していきます。(野村さん)」

ステージを彩った唄者の増田めぐみさん。「後ろに駅のホーム、山、そして空。とても気持ち良いステージでした。(増田さん)」

ステージを彩った唄者の増田めぐみさん。「後ろに駅のホーム、山、そして空。とても気持ち良いステージでした。(増田さん)」

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