令和元年の琉球泡盛の移出数量は前年比95.1%(沖縄県酒造組合)
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[公開・発行日] 2020/04/09
[ 最終更新日 ] 2020/05/10 - その他
令和2年4月7日(火)、沖縄県酒造組合(佐久本学会長)は、令和元年の琉球泡盛の製成量及び移出数量(出荷量)並びに泡盛製造業の経営状況を発表した。
アルコール度数30度換算での製成数量は、15,349キロリットル(前年比93%)、移出数量は16,009キロリットル(前年比95.1%)となり、製成数量、移出数量ともに昨年より減少した。泡盛移出数量は、平成16年の27,688キロリットルをピークに15年連続で減少し続けている。
移出数量の推移を地域別に見ると、県内の減少幅は5.8%、県外が0.5%となっており、県外より県内での移出数量の減少が目立つ。一方、海外への移出数量は31キロリットルから44キロリットルへと40%以上の増加を見せた。
同組合は、県内における泡盛移出数量の減少は、消費者のし好の多様化、健康志向に伴う低アルコール選好、また、昨年10月の消費税増税が影響しており、県外での微減、海外での増加については「琉球泡盛再興プロジェクト」「琉球泡盛海外輸出プロジェクト」など公的な支援が機能したと分析した。
なお、付随して発表された令和元年のリキュール類の出荷数量は446キロリットル(前年比87.2%)となり、内訳は国内382キロリットル(前年比82.1%)、海外64キロリットル(前年比138.6%)となった。
泡盛製造業者の経営状況(平成30年)は、45社(酒造協同組合は含まない)のうち、20社が赤字で、営業利益が5千万円を超える製造業者は前年の4業者から2業者へと減少した。
45社のトータルで見た場合、平成29年の売上高合計は約146億円で、平成30年は約142億円となり、営業利益は約4億円の黒字から約1億円の赤字へと転落。
今後、WEBページやSMSを活用した情報発信の強化や飲み方の提案などの取り組みを一層推進し、新たな販路拡大に取り組組む方針が示された。
なお、本発表に係る集計年度は、新型コロナウイルスが発生する以前のものであり、渦中の現在においては、前年同月比で2割~4割の販売量の減少が見込まれる製造業者も出てきているなど一段と厳しい状況となっている。