【社説】琉酒連新役員に期待する(昭和46年4月29日)

  • [公開・発行日] 1971/04/29
    [ 最終更新日 ] 2016/02/25
   

琉球酒造組合連合会の正副会長就任後初の理事会で議題となった販売面の一元化について、1971_4_29_editorial_ryukyu-brewing-unions_officers-decision当局からいろいろな案が出され、検討がなされたが、切羽詰った雰囲気の中にしては、本当に一元化をしよう、或いは反対だと云うような活発な意見が見当らなかった感じがする。

要するに、当局が提案している一元化は狭い島内市場で、たかが4万2千石(1970年販売実績)内、(本土輸出が2干石足らず)を一元化を図って対本土輸出をどうしても伸ばしていこうじゃないか、連合会の確固たる方針を持つ意味からも必要である、等提起しているが、この問題は大いに歓迎したい。

去る理事会に於けるそれは、具体的指向に欠ける単なる復帰後の過疎化対策にも受けとられなくもないが、しかし問題はもっと根本的な面へのつながり、つまり業界全体の体質改善に起因していると察する。

本土の業界の例はともかくとして、狭い一地方に過ぎない沖縄の市場で58ものメーカーがそれぞれ小売り、或いは未納税移出業者がひしめいているのだ。

その中でも地方にいけば行くほど昔ながらの暗黙の地域協定みたいなものがあって、細々ながら企業として一応成り立っている。これは一種の不可侵条約みたいなものであるが、一方、都市地区に於いて莫大な資本を投じて施設を拡張した業者はとにかく販路を求めてどこへでも自社製品を売りさばくのに躍起になっている。

勢い地元酒はレッテルイメージの強いメーカーに食われていく。

とにかく売りまくれ戦法で無理強いして販路を求めて売りさばく、当然の帰結として売り掛金が積もっていく。地元酒は後退を余儀なくされる。問題はここから生じているのではないか。

単一メーカーなら諦めもつこう、がしかし、未納税業者は一体どうなるのか、移出はしたが掛金が増えるだけ、或いは資金回転が遅くなると云う悪循環を繰り返した場合、施設投資はした、銀行金利には追われる、酒はさばかなければならない、市場は限られているでは必ずジレンマに陥るであろう。

ましてや現在協業と名のつくグループは自社製レッテルを出しながら一方では統一ラベルで売っている、(中には製造だけの業者もあるが)そこには何の協定もなければ株ももたないだけに不安は一層大きいと云わねばならないであろう。

勿論、人間的な深いつながりの上に立ってはいるが、それがレッテルイメージが売れている時はよいとして、嗜好と云うものは本来、浮き沈みの激しいもので、例を焼酎やトリスとニッカの例を引くまでもなく、特に一地方に過ぎぬ沖縄に於いては口コミも恐ろしいことを思い合わせて貰いたい。

売れている時こそ一時も気を許してはなるまい。現在のように貯蔵に力を入れている時代に一朝にして崩れ去ると云う現象は考えられぬことではあろうが。しかし販路拡張を急ぐ余り売掛金を積むようでは業界の共食いと云う愚を招かないとも限らないではなかろうか。

これは泡盛業界の一部をうがった見方をしたとなれば別だが、そう云う問題も含めて共販制を今後具体的な方法で見出して熟慮して貰いたい。共販制の利点はいろいろあげられようが、中間卸業者や小売店の健全強化にも大いにプラスしてこようし、共販問題の実現を現役員に期待するものである。

問題は内部競争もさることながら、復帰後の外的にどう対処していくかであり、バラバラの小資本だけでどれ位の防波堤を築き得るのか。又、現地ブレンドする他酒類との競争も激しくなることは必須とみなければならないだろう。

要は大きなメーカーはすでに長期融資を受けており、返済も始まっている段階で更に融資を受けるとなると二重負担を余儀なくされはしまいか等、問題含みの要素も残ろう。

[PR]

関連記事

アーカイブ

更新情報

更新情報

ソントキノ泡盛

お知らせ

登録されているお知らせはございません。

ページ上部へ戻る