沖縄国税事務所及び沖縄県は令和年10月2日（水）、北那覇税務署（浦添市宮城）において、令和元年度泡盛鑑評会品質評価会を開催した。
県内の41酒造場から古酒部門に65点、一般酒部門に33点、新設された次世代泡盛部門に14点の計112点の泡盛が出品された。昨年度に比べ2場減、13点増。
泡盛鑑評会は、品質の評価を通じで酒造技術の進歩・発展を促し、品質の向上を図ることを目的に昭和47年に始まり、今回で47回目の開催となる。
新設された次世代泡盛部門の出品規格は、「概ね5年以内に新たに試みた技術を用い、従来の泡盛にはない香味等の特徴を持った泡盛（商品化の有無は不問）」となっており、出品泡盛14点のうち、近年開発が進む複数回蒸留の泡盛が12点を占めた。
泡盛鑑評会品質評価会は10月4日（金）まで続けられる。なお、古酒部門において品質優秀と認められる泡盛を製造した製造場及び製造責任者には、沖縄国税事務所長及び沖縄県知事より賞状が授与される。
泡盛鑑評会品質評価会の冒頭において、池田義典沖縄国税事務所長は次のように挨拶した。
池田義典沖縄国税事務所長あいさつ(抜粋)
（前略）
泡盛鑑評会は、沖縄県の伝統的名酒であります「泡盛」について、造詣の深い専門家の皆様による品質評価の結果と、科学的な分析により得られた情報を製造の現場に還元することにより、酒造技術の基盤強化・発展を促進し、泡盛の品質の向上を図ること目的としております。
また、消費者に安心して飲んでいただける製品を提供することと、併せて泡盛製造業の発達に資することも目的としており、昭和47年から開催し、今年で47回目を迎えております。
近年の泡盛製造業を取り巻く環境は、依然厳しい状況にあり、出荷数量が14年連続の減少となっておりますが、一方で、平成30年度の沖縄県への入域観光客は、過去最高の999万人を記録し、その内、外国人は300万人と11年連続過去最高を更新するなど、明るい材料が増加しています。
また、一昨年から、これまでに無い規模で泡盛製造業者が大集合したイベント「島酒フェスタ」も開催される等、業界全体が一丸となって活動する機運も高まっています。
このよおうな状況にあって、クールジャパンの一環として政府一丸となって日本産種類の輸出促進に取り組んでいるところであり、当所においても、関係機関と連携し各種の試験などの取組を行っているところです。
泡盛鑑評会においては、泡盛フレーバーホイールを活用した定量的記述分析法による評価を導入して、結果をレーダーチャートで表示する取組を行ってまいりました。
この「酒質の見える化」の技術が浸透してきたことにより、自ら酒質を客観的にとらえることで新たな商品の開発につなげる動きが活性化してきています。このような状況を受けて、その進歩・発展に資するため、今回「次世代泡盛の部」を新設いたしました。
新たな製法等により、従来にない香味を特徴とする革新的な泡盛が14点出品されましたので、評価員の皆様には、製造者における商品化の参考となるよう、積極的な評価をお願いいたします。
このような取組みが、伝統的な古酒から革新的な泡盛まで幅広く泡盛の価値を高め、県内外をはじめ、広く海外においても、泡盛が消費者に高く評価され、新しい令和の時代に飛躍を遂げていくものと期待しております。
さて、本日の鑑評会の品質評価に当たりましては、41の製造場から112点の出品がありました。
品質評価員の皆様方には多大なご負担をおかけしますが、慎重かつ厳正な品質評価を行っていただくとともに、技術力及び品質の一層の向上並びに今後の泡盛の更なる発展のために、忌憚のない率直なご意見をいただきますようお願い申し上げます。
（後略）
令和元年度泡盛鑑評会品質評価員（27名・敬称略）
外山博英（とやま ひろひで） 国立大学法人琉球大学農学部教授
平良東紀（たいら とうき） 国立大学法人琉球大学農学部教授
水谷治（みずたに おさむ） 国立大学法人琉球大学農学部 准教授
山田修（やまだ おさむ） 独立行政法人酒類総合研究所品質・評価研究部門部門長
祝園秀樹（いわぞの ひでき） 宮崎県食品開発センター主任研究員
ティル・ヴェーバー 国立大学法人琉球大学国際地域創造学部教授
照屋充子（てるや みちこ） 国立大学法人琉球大学 非常勤講師
大岩迪子（おおいわ みちこ） 南島酒販株式会社取締役
宮里徹（みやざと とおる） 宮里酒造所代表者
仲里彬（なかざと あきら） 瑞穂酒造株式会社品質管理室主任
新垣勝哉（あらかき かつや） 新里酒造製造部
山川真理子（やまかわ まりこ） 有限会社山川酒造製造部
下地一盛（しもじ いっせい） 菊之露酒造株式会社統括本部長
座喜味盛行（ざきみ もりゆき） 有限会社八重線酒造代表取締役
安里昌利（あさと まさとし） まさひろ酒造株式会社製造部
奥間尚道（おくま なおみち） 有限会社金武酒造常務取締役
伊藝壱明（いげい かずあき） 瑞泉酒造株式会社製造部
石川由美子（いしかわ ゆみこ） 株式会社石川酒造場製造部課長代理
山本博子（やまもと ひろこ） 忠孝酒造株式会社製造部
小濱元（こはま はじめ） 国税庁鑑定企画官補佐
渡辺健太郎（わたなべけんたろう）国税庁鑑定官企画官付企画専門官
増田達也（ますだ たつや） 福岡国税局鑑定官室主任鑑定官
大野雅幸（おおお まさゆき） 熊本国税局鑑定官室鑑定官
比嘉賢一（ひが けんいち） 沖縄県工業技術センター食品・化学研究班班長
玉村隆子（たまむら たかこ） 沖縄県工業技術センター企画管理班主任研究員
相澤常滋（あいざわ じょうじ） 熊本国税局鑑定官室主任鑑定官
宮本宗周（みやもと むねひろ） 沖縄国税事務所鑑定官
