普天間飛行場で琉球泡盛のPRイベントを初開催(文・沼田まどかアジア局長/ 写・沖縄県酒造組合)
-
[公開・発行日] 2023/07/10
[ 最終更新日 ] 2023/08/19 - イベント報告
令和5年6月10日(土)に普天間飛行場内にある「Habu Pit」にて、海兵隊士官クラスを対象とした琉球泡盛PRイベントが開催された。
イベントはリズウスキー米海兵隊太平洋基地司令官による挨拶で始まった。「関係者の熱意と尽力により、今日このような素晴らしい企画が実現したことに深く感謝したい。宮川大使の協力により、今日の日を迎えることができた。私たちも、会場におられる酒造所の皆さんから直に泡盛の歴史や製法について学べることに感激している。本イベントを通じて地元との関係を更に良好なものにしていきたい」。
それを受け、宮川大使(特命全権大使/沖縄担当)は、英語と日本語で感謝の意を表した。
次に、沖縄県酒造組合の佐久本会長が「リズウスキー司令官、宮川沖縄担当大使、外務省沖縄事務所梶田副所長のご尽力により、普天間飛行場内でこのような文化交流の機会が実現したことを大変うれしく思う。9つの島々からなる沖縄県には46の泡盛酒造所があり、独自のスタイルを目指して切磋琢磨している。ぜひ、沖縄での任期中には離島へも足を運び、沖縄文化と各酒造所の個性やこだわりを感じてほしい」と述べ、乾杯の音頭を取った。
プログラムは「第36代泡盛の女王」崎原有希さんによる英語での泡盛プレゼンテーションをはじめ「第37代泡盛の女王」比嘉柚稀さんの三線ライブなどをはさみながら和やかに進行した。
県内各地からは10酒造所がブースを出し、40種類を越える泡盛やリキュール、ジン、ラムなどが提供された。この日、泡盛を初めて飲むという参加者は「普段はバーボンを飲むことが多いので、樽熟成の泡盛は親しみやすい」と笑顔を見せた。一方で「泡盛に興味はあるが、見た目や価格からは商品の違いを判断できず、手が出なくてビールばかり飲んでしまう」という意見も聞かれた。
また、普段はあまり酒を飲まないが、文化交流に惹かれて予約したという参加者からは「日本人への贈答用に最適な価格帯や熟成年数を知りたい」という質問があがった。気に入った泡盛をどこで買えるのか尋ねる参加者の姿も見られた。
在沖縄米軍人の多くは、短い任期中に泡盛と深く触れ合う機会に乏しいのが現状だ。一方で、県内在米基地関係者は海外販路開拓に力を入れる酒造所関係者にとっては最も身近な外国人消費者でもある。今回、米軍基地内で初めてこれら二者をつなぐ文化交流イベントが企画されたことは非常に意義深い。
(文・沼田まどかアジア局長/写・沖縄県酒造組合)