平成28年5月28日(土)、南部市町村職員(南部広域市町村圏事務組合)有志が、レストランケニーズ新都心店(那覇市おもろまち)にて、泡盛応援のための特別企画「今日からや、わったぁ島酒“泡盛”まじゅん飲まやぁ」を開催した。
南部広域市町村圏事務組合とは、沖縄振興計画などの広域的な課題に対応できる職員の育成およびネットワークの構築を目的に、市町村を横断した研修等を行うための組織で、広域研修を開始してから今年で10年を迎える。
会の始まりに際し、本企画の発案者の一人である沖縄総合事務局の太田浩一氏は、「泡盛が元気になれば、沖縄が元気になる!沖縄が元気になれば日本が元気になる!そのためには、まず地域の行政職員である我々から、率先して泡盛を飲もうではありませんか!」と檄を飛ばした。
また、泡盛の女王阿波根あずささんと共に応援に駆け付けた沖縄県酒造組合の玉那覇美佐子会長は「600年の歴史がある地酒を持つ地域は他にはありません。私たちも誇りを持って泡盛を造っております。みなさまも、泡盛に誇りを持って飲んでいただきたい。」と力強く挨拶。
浦添市の松永雄一郎氏は「地産地消が大切です。私たちが泡盛を飲まなければ、観光客のみなさまも飲むわけがない。」と泡盛振興をバックアップするための決意表明を行った。
会には、若手飲食店店長らで構成された泡盛プラスも酒造組合提供の試飲ブースの運営で協力。
行政関係者が、有志ではあれ泡盛振興を旗印にした会を催したことは、泡盛の反転攻勢のための総力戦に向けた景星である。
会の開催に先立ち、配布された案内文は以下のとおり。
南部広域職員研修10周年記念「泡盛応援企画」「今日(ちゅう)からや わったー島(しま)酒(ざき)“泡盛” まじゅん飲(ぬ)まやぁ」(文/南部広域職員研修10周年記念事業実行委員有志)
私たちは、市町村職員等としてそれぞれの市町村の活性化等に日々取り組んでいます。10年前からは、複雑・多様化する地域課題に適確に対応し、より一層の政策立案能力の向上を目指すことで、それぞれの市町村の活性化を通じた沖縄地域全体の活性化に向けて学びを深めてまいりました。
そのような中、沖縄が世界に誇る「名酒・あわもり」が、平成16年の2万8千キロリットル弱の出荷をピークとして、平成27年まで11年連続で出荷量が減少する危機的な状況にあるとのニュースが駆け巡りました(平成28年3月30日付け地元2紙)。
泡盛は、沖縄県民が古来育て上げた黒麹菌というユニークな微生物を使う独特の製法で製造され、沖縄の伝統と文化を体現するモノづくり産業です。同時に、現在、県下47事業者が泡盛を製造しており、泡盛産業は地場産業として地域経済・雇用にも大きな貢献を果たしています。
約600年の歴史があると言われ、琉球王朝時代には、「(江戸)幕府への献上品として貴ばれたばかりでなく、市価も本土の焼酎に比べて2~3倍に近く、薬用にも供された高貴な酒」(坂口謹一郎「君知るや名酒泡盛」[雑誌「世界」1970年3月号])であったとされています。
そのような「高貴な酒」であった泡盛も現状は、前述のとおり惨憺たる状況と言うべき状況にあります。この背景には、アルコールへの嗜好やライフスタイルの変化等々、諸要因が指摘されているところですが、大きな原因は若者を中心に県民が泡盛を飲まなくなったことが大きく影響しているのではないでしょうか。泡盛業界もこうした現状を「極めて深刻に受け止めている」(県酒造組合・玉那覇美佐子会長)とし、業界が一丸となって出荷量増に向けた取り組みを強化するとしています。
私たちは、このような泡盛の歴史、沖縄経済に占める地位などを理解した上で、現況の泡盛業界の危機意識を関係者の皆さんと共有し、泡盛産業の発展に微力ながら貢献すべく、本日ここに泡盛応援企画「今日からや わったー島酒“泡盛” まじゅん飲まやぁ」(今日から、私たちの島酒「泡盛」をみんなで飲もうよ)を発表、開催いたします。