飲食店から見たGo To Eat キャンペーン
-
[公開・発行日] 2020/10/20
[ 最終更新日 ] 2020/12/01 - イベント告知
農林水産省は、令和2年10月1日(木)より、感染予防対策に取り組みながら営業している飲食店及び農業者を支援することを目的としたGoToEatキャンペーンを開始した。
主な取り組みは二つ。
一つは、消費者が特定のウェブ予約サイトを介して、キャンペーン参加飲食店に予約を行い、実際に食事をすることで、消費者一人につき、1,000円相当のポイント(ランチは500円相当)を後日与えるというもの。
消費者は、そのポイントで食事ができるので、1,000円分の食事であれば、実質無料となる。
もう一つは、購入する際におまけがつくプレミアム商品券の販売。この商品券を使って食事をすることで、実質20パーセントの割引が受けられるというものだ。
前者と後者では、5,000円までの食事であれば、前者の方が割引率が高いため、消費者にとってお得となる。
このように、消費者の負担を実質0円にすらできるキャンペーンが、消費者行動に絶大なる影響を与えることは想像に難くない。
しかしながら、10月20日(火)現在、沖縄県内の飲食店で、Go To Eat キャンペーンに参加しているのは、食べログ登録店14,881件中243件、HOT PEPPERグルメ登録店10,234件中482件、ぐるなび登録店7,249件中329件と、大手ウェブ予約サイトですら5パーセントにも満たない。
繰り返すが、1月31日(日)まで、消費者は1,000円の食事であれば、1日2回、実質無料となるのである。
つまり、1,000円の客単価で成り立つ飲食店ならば「期間中は、毎日無料で食事を提供しますので、みなさん食べに来てくださいね!」と言っているのと同じ状況が作れるのである。
ところが。
Go To Eatキャンペーンに登録していない飲食店のオーナ数名に、なぜ登録しないのか尋ねてみた。
「コロナ対策が十分にできない」「客層が変わるのが不安」など、さまざまな意見が出たが、一番多かったのはそれ以前の問題で「ウェブ予約サイトの操作も含め、キャンペーンの仕組みがよくわからない」というものであった。
解決策を先に言えば、「通帳を準備し、パソコンの操作が得意な友人を3時間雇って、Rettyに登録せよ。」である。
Go To Eatに対応しているウェブ予約サイトは、現在15サイトある。
しかし、期間中、完全に無料で利用できるウェブ予約サイトは6サイト。そのうち、沖縄県内での飲食店の利用者数がそのジャンルの豊富さを含めて大手並みに多いのはRetty(11,832件)のみである。
他人に登録サポートをお願いする場合、有料サイトへの登録の場合は、支払いのためのカード情報など、あまり人に教えるべきではない情報を教える必要が出てくるため、ハードルがかなり高くなる。その点、無料のサイトであれば、入金用の銀行の口座番号を教えるくらいなので、気軽に登録を手伝ってもらうことができる。
実際に飲食店をサポートして複数のウェブ予約サイトにGo To Eatキャンペーンの店舗登録を行ってみたが、細かい注意書きを読むのに時間がかかるものの、どのサイトも1時間程度で基本的な登録は済んだ。
その際のITスキルとして最も難易度が高いと思ったのは、スマホなどで銀行の通帳などの写真をとり、それをPCに取り込んで、サイトにアップロード(登録)する作業であった。
もちろん、Rettyに限らず、ウェブ予約サイトと関われば「有料広告を出さないか?」などのセールス攻勢を受ける煩わしさからは逃れられない。また、予約管理のため、e-メールをチェックしたり、管理画面の操作方法も(自分で操作する場合は)多少は勉強する必要が出てくる。
しかしながら、条件によっては、消費者の負担が実質0円になる今回のキャンペーンは、特に、客単価の設定が低めの飲食店ほど、高い集客効果や顧客満足が見込めるため、コロナ後の集客にお困りなら、ぜひ参加を検討していただきたいのである。
(二代目預)