泡盛古酒「ZAKIMI」をソムリエ田崎真也氏とともに愉しむペアリングナイト(文・写真:岡山進矢東京支部長)

  • [公開・発行日] 2024/08/28
   

令和6年8月19日(月)、ホテル椿山荘東京(東京都文京区)のメインバー「ル・マーキー」にて、ソムリエの田崎真也氏が提案するメニューと八重泉酒造(石垣市/座喜味盛行社長)ZAKIMIのペアリングイベント「泡盛古酒 ZAKIMIをソムリエ田崎真也氏とともに愉しむペアリングナイト。」が開催された。(主催:日本デザインセンター)

八重泉酒造のZAKIMIは、日本を代表するグラフィックデザイナーであり日本デザインセンター代表の原研哉氏が、ブランドの構想から総合的なデザイン戦略までを手がけた高価格帯の泡盛古酒シリーズで、2022年に「ゆく」「顔」「台風」の3種類がリリースされている。

世界的ソムリエである田崎氏は、日本酒や焼酎、泡盛にも造詣が深く、2000年の沖縄サミットでは首脳会合で提供された泡盛古酒の選定役を務めたことでも知られる。また、過去に8年間ほど石垣島にも家を持ち多拠点生活をしていたという沖縄通でもある。

ル・マーキーのバックバー。右上の空いている棚に普段、ZAKIMIシリーズが置かれている。

ル・マーキーのバックバー。右上の空いている棚に普段、ZAKIMIシリーズが置かれている。

会場のル・マーキーは、ヨーロッパ調の重厚感ある雰囲気のバー。
広めの店内に点在して用意された席には、ドレッシーなご婦人やカジュアルな服装の男性、会社帰りと思しきスーツ姿の紳士など、20名ほどの来客が着座した。

会場の奥には大きな3枚の広告パネルと、ZAKIMI3種類が置かれたテーブル。そのテーブルでの田崎氏、原氏のトークセッションから会はスタートした。

1958年生まれ同士というお二人は、この日が初顔合わせ。(撮影:岡庭璃子)

1958年生まれ同士というお二人は、この日が初顔合わせ。(撮影:岡庭璃子)

ウェルカム・ドリンクとして「島うらら」のソーダ割りが提供され、各テーブルにはZAKIMIシリーズのラベル(種類はランダム)がプレゼントとして置かれていた。

+写真ZAKIMI_ラベル「日本のお酒のヒエラルキーはペタンとしていて、美味しいお酒はあるが高級なお酒がありませんでした。蒸留酒としてしっかりとした歴史がある泡盛も、非常に安い価格帯で展開しています。お酒が安い世界は幸せだとも言えますが、泡盛の潜在的な価値に形を与えるのが自分の役割だと思いました。」(原さん)

(撮影:岡庭璃子)

(撮影:岡庭璃子)

「一般的に強いお酒は消化促進のため食後に飲まれます。食中酒としても地域に根付いている泡盛のポジショニングは世界でも珍しく、一方、熟成させた古酒は本来とても貴重なものです。ぜひ泡盛の未来のために、これからも素晴らしいお酒をご提供いただければと思います。」(田崎さん)

(撮影:岡庭璃子)

(撮影:岡庭璃子)

話題は泡盛の歴史から、沖縄の自然環境ついて、ZAKIMIシリーズのネーミングエピソードにまで多岐に渡った。
それぞれの業界を代表するお二人の視点の鋭さと話のうまさに、会場中が惹きつけられた。

30分間ほどのトークセッションの後、原さんに代わって八重泉酒造の座喜味社長が登壇しお酒のスペックを紹介。
それと同時に、各テーブルに料理とペアリングのお酒がサーブされた。

+写真ZAKIMI_座喜味社長提供された料理と、ペアリングされた銘柄はこちら。

・4種の貝のサラダ仕立て(ゆく)
・ヒラメのポワレとカブのカラメリゼ(顔)
・アグー豚のポトフ レフォール風味のサワークリームソース(台風)
・クレーム・ダンジュ クレーム・アングレーズ・バニラ風味(台風)

お酒はいずれもワイングラスで出され、途中で「ゆく」は2個の氷、「顔」は倍量の常温水での“味変”が行われた。

+写真ZAKIMI_グラスと料理

泡盛を食中酒とする場合、例えば30度で売られている新酒を5:5、もしくは4:6くらいの比率で水割りにし12〜15度くらいに調整することが一般的だ。
43度の古酒をそのまま料理に当てるというペアリングは、豆腐餻や甘味の強い菓子などにチビチビ当てるという例以外あまり聞いたことがなく、座喜味社長も「驚いた」そうだ。

とはいえ「料理にスパイスを加えるようなイメージ」(田崎さん)のペアリングには説得力があり、実際とても美味しかった。

原さんへのインタビュー経験もあるという、都内在住の編集者の参加者は
「泡盛は普段、居酒屋で料理に合わせてガブガブ飲むためにカジュアルに選ぶことが多いです。今回の料理と合わせながらもお酒の奥にある香りを探すという体験には驚きました。泡盛が中身に見合った評価を得るためにこういうイベントは有意義だと思います。」と、内容に感動した様子だった。

撮影:岡庭璃子

撮影:岡庭璃子

イベントの企画制作を務めた日本デザインセンター プロデューサーで、ZAKIMI PR担当の川原章吾さんは
「ZAKIMIはその商品特性と希少性からオンラインのみで限定販売していましたが、ホテル椿山荘東京様が関心を寄せてくれたことから、昨年よりル・マーキーでお取扱いいただいています。今回のイベントはそのZAKIMIの魅力を体験いただける機会として、ソムリエとして世界的にご活躍されながら、焼酎・泡盛の普及にも尽力されている田崎真也様をお招きしました。昨今ペアリングのイベントは様々開催されていますが、古酒にフォーカスしたものは珍しいです。重厚な空間と、田崎様の素敵なトークによって、ご来場の皆様にもお楽しみいただけたと実感しております。」と、会の狙いと手応えを語ってくれた。

書家・鎌村和貴さんの作品展で目に留まった「ゆく」「顔」という書をそのままネーミングに採用し、ラベルに用いた。またその筆致に、台風の通り道である石垣島の建物のザラザラとしたテクスチャーと近いものを感じ、「台風」のラベルを書き下ろしてもらった。

書家・鎌村和貴さんの作品展で目に留まった「ゆく」「顔」という書をそのままネーミングに採用し、ラベルに用いた。またその筆致に、台風の通り道である石垣島の建物のザラザラとしたテクスチャーと近いものを感じ、「台風」のラベルを書き下ろしてもらった。

「ゆく」は石垣島産のジャポニカ米を使用した、8年古酒(20,000円)。「顔」は10年熟成の樫樽貯蔵、タンク貯蔵のブレンド(60,000円)。「台風」は30年古酒を、石垣島に訪れた台風の雨を濾過した水で度数調整したもの(200,000円)。
(いずれも700ml、43度。価格は税込み。年数は商品化された2022年時点)
八重泉酒造の公式サイトで販売中だ。

(文・写/岡山進矢東京支部長)※クレジットがあるもの以外

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