沖縄県酒造組合(玉那覇美佐子会長)は、11月7日那覇市の桜坂劇場において、泡盛の歴史やおいしい飲み方などを楽しみながら学べる「泡盛大学(第1学期)」を開講した。副題は「泡盛を飲んで学んで楽しむ夕べ」。泡盛カクテルの振る舞い酒や泡盛の試飲会などもあるが、参加は無料ということで、泡盛に興味を持つ若い人や現役大学生、泡盛ファンなど約200人が集まった。
講義の前に玉那覇会長は「入学おめでとうございます。本日と12月、来年1月の3回にわたって開講します。600年の歴史を持ち、日本最古の蒸留酒の泡盛について楽しく、そしておいしく学んでください」とあいさつした。
講義は三部構成で第一部の琉球泡盛講座では、2013年度泡盛の女王、国吉真里さんを講師に迎え、聞き手として琉球泡盛のイメージガールで、東京で活躍中の県出身モデルの岸本セシルさん、司会進行を担当する上江洲愛さん、漫才コンビのリップサービス、泡盛をあまり知らないという現役大学生3人、泡盛の女王2人の9人が講義を受けた。
国吉さんは泡盛の歴史や製造法、原料の話から、美味しい水割りの作り方や簡単な泡盛カクテルの作り方、初心者には泡盛リキュールがおすすめと講義をすすめた。また、「泡盛は糖質ゼロで、ワインの1.5倍のポリフェノールが含まれ、血液をサラサラにする効果もあるので、美容のためにも泡盛は最適」と語った。さらにさっぱりとした飲み口なので、沖縄料理だけではなくチーズを使った料理や油っこい料理にも合い、「今流行りのアヒージョやアクアパッツァにも合いますよ」とも。歴史的な逸話として「アメリカのペリー提督が首里城を訪れた際、泡盛を飲んで、どろりとしてまろやかで甘みがあり、まるでブランデーのようだ、と記録されている」と紹介すると、それを講義を受けた大学生は「泡盛の歴史の深さを感じた。これからはもっと積極的に泡盛を飲んでみたい」と感想を述べた。
講義の第二部では会場全員が参加した○×クイズが行われた。クイズの前半は泡盛に関するわかりやすい問題が多くほとんどの人が正解したが、問題をすすめるごとに内容は難しくなり、また、泡盛だけでなくゲストの岸本セシルさんやリップサービスに関する変化球問題も出題された。最後まで勝ち残った5人の観客には、酒造組合から記念品が贈られた。
そして講義の最後の第三部では、ステージ上にヘリオス酒造、崎山酒造、新里酒造、今帰仁酒造、忠孝酒造、瑞穂酒造、瑞泉酒造、石川酒造の10酒造所のブースが設けられ、各メーカーからは自慢の新酒や古酒、泡盛リキュールなどイチ押しのお酒が3~8種類並べられた。そのどれも試飲ができるということから、ステージ上は多くの観客が溢れ、お酒の一つ一つ説明を聞きながら試飲を重ねていた。本土から移住してきたという男性は「泡盛が大好きで移住してきたようなもの(笑)。今日は普段、飲んだことのない泡盛を中心に気になる酒を試飲しています」と語り、「いろんなお酒が試飲できるこんな講座は楽しいですね」といって再度ステージ上に登っていった。
次回の「泡盛大学2学期」は12月12日(土)に同じく桜坂劇場で開催される。
(嘉手川)