興陽産業株式会社 パインブランデー工場完成!!(昭和46年1月10日)

   

総工費48万ドル、工場敷地坪数4,100坪、建物坪数940坪、工期約1年がかり。これが今度世界でも初めてといわれるパインブランデー工場の規模である。1971_1_10_pineapple-brandy_manufacturing-plant_completion_koyosangyou旧羽地村役所(現、名護市役所)の向かい側、多野岳入り口の左側の山野を切り開いて建てられた風光明媚な場所に位置するこの工場は、北部観光コースの新しいひとつに加えられよう。

すでに同社工場には約800石からの熟成を待つ製品が貯蔵されており、同社製のパインブランデーが市場にお目見えするのも間近であろう。同社の計画では80%が本土輸出、あとの20%が県内消費に向けられるようであるが、他酒類とは違って、非常に歩溜りは冬場では低く、約4%だと云われている。

その点、製品としてはすぐれた価値のある酒類と云えよう。経済、文化の進んでいる国ほどブランデーの消費量は多いと云われているが、吾が沖縄の戦後経済も大きく伸びつつある今日、食前、食後のワインやブランデーは欠かせぬ健康増進のための必需品となってこようし、100%県内原料が使用される同社のパインブランデー造りはひとりそう云う面だけへのプラスだけではなく、沖縄経済発展への貢献度も非常に高い。

特に自主経済とか、産業開発等復帰を目前に控えて叫ばれ続けている現在、我々沖縄の人の手で他に先駆けて開発し得た全く新しい分野の独特な企業は、全県民的な企業としては喜ばしい限りであり、みんなで育て上げていきたいものである。

使われた言葉ではあるが、“ヤマトンチュウに負けるな”と云う合言葉で己が己を励まし合っている激動期の沖縄にあって同社スタッフの先駆けはまさに期して待つべきものがあり、よい製品を貯蔵ブレンドし、我々消費者に提供してくれることであろう。

 

【興陽産業株式会社の役員】

取締役会長:中村 栄俊
代表取締役:仲村 清秀
常務取締役:喜瀬 普徳(工場長兼任)
常務取締役:久高 将信(総務部長兼任)

【工場写真】

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原料搾汁機

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二段式蒸留機

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乾燥機

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製品検定タンク約18万L(約800石)が貯蔵されている。

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本社工場

 

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