気配り日本一の福島県人~『泡盛男』長谷川英一郎さん~

   

長谷川英一郎という東北福島のご出身で、元衆議院の沖縄及び北方問題に関する特別委員会の責任者だった人から、去る4月14日にご丁重なお便りと『玉稿』が届いた。awamori_yomoyama_30_awamori_man_hasegawa_eiichirou久しぶりである。

この人、現役時代は衆議院の『泡盛男』といわれた方である。昔の話になるが、この人が現役時代に上京の折り、琉球放送の上間信久君と2人赤坂の『東京ジョーズ』という豪華な店に案内され、アメリカのマイアミから直輸入のストーン・クラブクロウ(石蟹のツメ)なる料理をご馳走になった。が、この店残念ながら泡盛が無く10年ものという清酒でガマンした覚えがある。

おまけに1本おみやげにおし戴(いただ)いたのであるが、あの店、今ではわが琉球泡盛を置いているであろうか。長谷川さんのことだからきっと置かせたであろう。

人情の厚い人でその上ものすごく泡盛を愛し続けている方だ。定年退職後はふるさとの福島に存在するが、お便りによると遠い彼の地にあっても泡盛を愛飲し続けているというから立派な『泡盛男』である。

現在は福島の琉球料理「ぱいなっぷる家」という居酒屋の常連だそうだ。同封の6枚の写真を眺めるとその店の入口上段は首里城の屋根を型造っていて、店内の酒棚は各種泡盛がずらりと並んでいる。

マスターは福島市出身の渡辺修さんという方で、奥さんは糸満市の出身だったが平成8年に亡くなられた、と長谷川さんは非常に残念がっている。

このマスターの出立がいい。ウバサージン(芭蕉布の着物)を着て澄ましているのである。ゴーヤー、ナーべーラー、島人参、カマボコ等々の食材は全て沖縄から直接仕入れているというのだから本格的だ。

長谷川さんが常連なるゆえんも宜なるかなである。威風堂々たる体格のこの長谷川さん、こと泡盛を前にすると話は尽きない。

夜を徹してでも話は続くが、何故か酩酊しないから不思議だ。

これまで小紙には何度も『玉稿』を寄せて下さっているが、ついぞ1度も原稿料を支払っていない。心苦しい限りだ。原稿が送られてくる度にすまない、すまないと心の中でつぶやきながら、今夜もはるか遠い東北に向かって盃を高々に掲げ独酌をしている。

今年は体調もすこぶる良いので(今のところ)思い切って神奈川の友人を訪ねて、更に雪国まで行くつもりである。

そして、未だ見ぬ居酒屋「ぱいなっぷる家」のカウンターで長谷川さんと泡盛を酌み交わしながら積もる話に花咲かせ、長年のお礼とおわびをあいたいと思っている。

この長谷川さんみたいな心の底から泡盛を我が人生の最愛なる美酒としてたしなまれている『通』は別格として、本土の『初心者』の皆さんにお願いしたいことは、先入観にとらわれず先ず飲んでみて下さい、ということである。

『沖縄』という小さな小さな一離島県は海がきれいとか、自然が美しいとか、人情味溢れるとか、或いは去る大戦の一大被害島とかで観て下さるのは感極まる程に嬉しく一沖縄県人として感謝申し上げます。

と同時に琉球泡盛のすばらしい味もぜひ知っていただきたい。

原料が100%米で造られている泡盛は度数も43度や30度、25度、或るいはそれ以下のもあります。

先ず口にして強く感じれば口に合うように水でうすめればよろしいのです。最初はとっつきにくい方もコップ1杯飲み干すと、必ずボトルに手がいく筈です。

翌日の酔い覚めのさわやかさは天下一品できっとおどろく、と思います。

日本最南端の島沖縄の自然の風土で仕上がった世界で類例がない、といわれている琉球泡盛は沖縄が世界に誇る名酒であります。本土の皆さん泡盛をよろしくお願い致します。

尚、長谷川さんの『玉稿』は小紙第132号に掲載します。

2001年6月号掲載

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