やんばる泡盛100年古酒の郷構想提案!(山原泡盛古酒文化の会)

  • [公開・発行日] 2018/09/01
    [ 最終更新日 ] 2018/09/27
   

山原泡盛古酒文化の会(安次富洋代表)は、平成30年8月27日(月)名護市役所を訪問し、渡具知武豊名護市長に「文化パークやんばる泡盛100年古酒の郷」及び「市制50周年に向けた100年古酒の源つくりプロジェクト」についての提案書を手渡した。
やんばる100年古酒「文化パークやんばる泡盛100年古酒の郷」は、沖縄の伝統産業である琉球泡盛、特に泡盛古酒をテーマの中心に据え、展示施設、資料館、古酒貯蔵施設、販売施設、レストランなどを擁する複合施設である。また、泡盛講座などを開講することにより古酒文化の継承・発展のためのソフト事業も行う。

名護市に古酒の郷を造る理由としては、自然豊かなやんばるの中核都市としての地域性が古酒の郷のイメージに合致していること、また、やんばる地域は、山原島酒之会が中心となって20年以上にわたり、各家庭での古酒づくりを推進してきた実績があり、県内でも先進的な古酒文化醸成の地であることがあげられた。

やんばる100年古酒2

「市制50周年に向けた100年古酒の源つくりプロジェクト」では、文化パークやんばる泡盛100年古酒の郷に先駆け、2020年に市制50周年を迎える名護市において、100年古酒をつくる記念事業が提唱された。

安次富代表は、「市制50周年という節目に、100年古酒をつくる事業をスタートさせることで、さらに50年、そして100年と名護市の発展を見据えた未来志向の記念事業になる」と説明した。

渡具知武豊名護市長は「関係部署と相談しながら検討したい」と提案を受け取った。

以下、文化パーク「やんばる泡盛100年古酒の郷」づくり提案書より抜粋実際の提案書はA4・28ページ/画像は提案書より)

文化パーク『やんばる泡盛100年古酒の郷』計画の軸

「古酒の郷」構想は、王府時代から300年の古酒があったことの歴史と文化に学び、古 酒を自然と人々の暮らしの中に根付かせて壮大な古酒文化圏を打ち立てるものである。
・市民、県民 入域観光客などが「学び楽しみ・求める」アプローチを
・森に抱かれた貯酒蔵のイメージ
・山原市民の参加で注ぐ絶妙な愛情と時間が極上の古酒を育む
・森が包む大地の息づかいが古酒へ呼応し、ふくいくたる極上古酒へと変化していく
・古酒の文化性に学び、「味わう・求める・楽しむ・交流・繋ぐ」をコンセプトに、そのために、古酒甕群と資料展示する

やんばる100年古酒1

古酒蔵を核にショップ、レストラン・古酒庵(古酒を味わう庵)など複合させた泡盛文化パークとする。

古酒蔵  古酒蔵は、北部11メーカーの泡盛古酒3石甕が仕次ぎを考えた各三個(将来計画 では4~5個)が並び、それらを年次的整備設置していき最終的には芳醇なる古酒 の一大古酒甕群が重厚で壮観な空間を創ることになる。当古酒蔵の古酒は定期に仕次ぎを行い、酌みだした分を配当と一般販売することになる。

販売コーナー(ショップ)  

古酒蔵の古酒販売はもちろん、北部山原のすべての古酒、新酒ボトルや酒器、泡盛、オリオンビール・地ビール・パインワイン(ラグリマ)・各種リキュール・ラム酒・も ろみ酢・シークヮーサー・アセローラなど、それらにかかわるすべての加工食品を扱う。例えば豆腐よう・スクガラス・イチャガラス・アグーの燻製・ラフテー・魚介類の燻 製・味噌・ソーセージ・ジーマーミ・泡盛に関するグッズ等など。試飲コーナーも丁寧 に設置対応する。

レストラン  

アグー豚や山羊・野菜(山菜も)・果菜類・薬草、そしてシークヮサーやアセローラ はもちろん泡盛(古酒も)やオリオンビール、もろみ酢、リキュール類など、その他、豊富な山原の素材を使ったメニューを準備提供する。もちろん料理を盛る器の食器類なども、山原、沖縄産のものを優先使用する。

資料館  

泡盛の歴史と文化を分かりやすく展示する。そのためには泡盛の製造に関する道 具類や漆器など早急に収集する必要がある。例えば、廃棄した蒸留器や三角棚、ボイラー・仕込み甕などである。ここには山原11泡盛メーカーの丁寧な紹介ブースを設ける。例えば、すべての銘柄と特徴、メーカーの歩みなどを現物と資料で紹介する。

やんばる100年古酒7

古酒の部屋(庵)  

何十年古酒(将来は100年古酒も視野に)を味わう特別な茶室のような場を設定し ていく。場と極上の古酒はそれなりの付加価値を付けて特別な価格設定になる

方向性

・山原のすべてのメーカーのすべての銘柄を扱う
・当面100年古酒見据えた古酒づくりをスタートさせ、それを時間を経ながら繋ぎ、やがて200年、300年の珠玉の古酒の郷へと蓄積進化させていく。まさに遥か彼方を楽しく見据える想像力と創造力は問われるのである。
・短期(5年)・中期(10年)・長期(15年)計画を
・短期計画 初年度、北部の11酒造所の3年古酒43度を540㍑(3石・1升瓶300本) ×11甕=5,940㍑(33石・1升瓶約3300本)
・2年目、北部の11酒造所の2年酒43度を甕540㍑詰(3石・1升瓶300本)×11甕= 5940㍑(約33石・1升瓶3300本) 当2,8石甕は県内陶工の製品を使用する
・3年目、北部の11酒造所の新酒43度を甕540㍑詰(3石・1升瓶300本)11甕= 5940㍑(33石・1升瓶3300本)    
※この3年の準備を得て全体オープンとするかは全体整備との調整で検討の必要あり
・中期10年、後期15年は時の状況をみて施設と機能の増殖可能を検討する(成長し続ける有機体としての位置づけ)

古酒オーナー制

・多くのやんばる市民が参加する古酒オーナー制度を採り入れ、一人一口1万円と し、上限を20口(20万円)までとする。あくまでも市民参加型を貫くため、個人名義 の参加とし団体名での参加は一切認めないこととする。
・会員への配当は事業開始して3年目から隔年ごとに口数に応じて行い、金銭的な やり取りは一切しないこととして現物の古酒を配当する。この場合、当施設におけ る古酒販売と配当古酒の配分は検討を要する。
・会員には会員証を発行し、当会員証は子や孫、友人などに譲渡することができる。
紛失または汚損の場合は有料で再発行する。

ボトルの長期保管と販売  

甕貯蔵の他に瓶での保存(3年・5年・10年~50年・100年)を通してビンテージ 泡盛の評価を高める。泡盛は甕貯蔵には及ばないが瓶でも古酒になる特性を持つ ことと併せて資料的な意義も付加させる。11酒造所のすべての銘柄を相当量保管 し、あくまで古酒にこだわり、5年を超えたときから販売を開始する。

古酒甕のキープ

沖縄のすべての家庭の床の間に古酒甕があることが理想だが住まい(住居)やそ の他の関係で実現できない方の古酒甕キープ制を実施する。(甕の容量によりキー プ料金発生する)古酒甕は「古酒の郷」事業者側が甕オーナーたちと立ち合いで詰 める。キープは覚書を交わす。

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泡盛ボトル・酒器類の販売  

山原すべての銘柄のボトルと県内 陶工たちの多様な酒器や肴を盛る 器など販売コーナーを設ける。同時 に窯元や琉球ガラスなど工房の紹 介コーナーを設ける。  多様な酒器の展示、そして販売す ることで、泡盛古酒のもつ複合的な 文化性をアピールできる。

泡盛講座の開催  

泡盛の歴史と仕次ぎによる古 酒を育てる文化講座を随時行い 「すべての家庭の床の間に古 酒甕」を普及啓もうに努める。 同時に「泡盛のサイエンス」と 「健康と酒」についても積極的 な講座を開催する。

オークション  

20年、30年、50年、将来的 に100年古酒ボトルや酒器等の 大々的なオークションを、内外から多くの参加を得て、世界に 向けて泡盛文化を発信するため、年に1~2回開催する。

泡盛資料館の整備

世界のさまざまな酒とその伝播と15世紀ごろに伝わった泡盛の歴史と蒸溜技術と 古酒化技法の文化性を展示し公開する。(大交易時代・琉球王府・首里三箇・一般へ・戦後・復帰後・現在・未来へ)泡盛の始まり・泡盛の出来るまで・戦前の古酒(遺稿集)・原料・黒麹菌・酒器・ 祭祀など・酒造の道具類(回転ドラム・三角棚・ボイラー・蒸溜器・仕込甕など)を可能な限り収集展示を行う。それら資料は当文化パークの計画段階から先行して収集ストックしていく。

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「極上古酒」を意識した「古酒の部屋」~ 茶室のような庵を ~

何十年の時間を経て仕次ぎをしながら育てた特別な古酒を特別な場所で楽しむ。泡盛を単なる古酒のみで捉えるのではなく、酒器や料理(肴)やそれを盛る器やそ の空間性も取り入れた複合性を持たせることで馥郁たる古酒を引き立てることができる場にする。極上の古酒を極上の場所で味わう。利用に際しては付加価値をもたせ、特別な価格設定になる。

森に抱かれた『やんばる泡盛100年古酒の郷』立地候補

泡盛、古酒を育むとイメージからすると森に抱かれた「古酒の郷」が望ましい。 先ずは各地から自動車などで来訪する方々のためにアプローチの良さが求められ る。以下いくつかの候補地を挙げる。

・源河川沿い:森と清水
・屋部地区旭川:森の中
・久志地域:大川部落
・幸地叉:市街地から近い森とせせらぎ
・名護地区東江原・深い森と名護岳近隣
・名護動植物公園ネオパーク:既設の駐車場や広い敷地を協同利用できるか
・アグリパークやその周辺:駐車場あり、周囲に余剰地あり
・大北の林業試験場跡地:地形の変化あり

なぜ、どうして名護市か

・自然豊かな名護・やんばるの中核都市としての地域性が古酒の郷のイメージに合致
・山原島酒之会が主唱する「すべての家庭の床の間に古酒甕を」の先行する活動の蓄積がある。当会は20年間、古酒文化を広めるための活動を地道に続けてきた。 その歩みと実績を当計画の企画と実施に活かせる
・素通り観光といわれる名護市へのインパクトと持続可能な名護市観光促進の面から 有望
・これまでにあまり例のない名護、山原市民参加型プロジェクトとしての特異性に注目する
・北部酒造協議会の協力を得やすい

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オリオンビールも名護・沖縄の酒

レストランなどで泡盛とオリオンビールを提供できるようにする。オリオンも名護の 酒沖縄の酒だから。泡盛とオリオンビールはミートゥンダ(夫婦)だと、言われることもある。

文化パーク『やんばる泡盛100年古酒の郷』が山原のすべてのホテル、飲食店における泡盛、古酒の再評価と活用をどのように定着させるか

「泡盛古酒の郷」は、当施設だけで完結をするものではなく、 名護・山原のさまざまな商業、特にホテル、飲食業との関連性を重視し、相互間性をもたせたい。そのために積極的な支援協力関係の体制を築く必要がある。
・ホテル、飲食業界との意見交換会
・泡盛の歴史や特に古酒文化の啓蒙を(泡盛出前講座等)
・モデル店におけるデモンストレーション
・お客への泡盛、古酒の提供とオーダーの選択肢を広げる
・銘柄・古酒・ボトル・酒器・肴・肴を盛る器・店内空間性(ディ スプレイなど)
・名護市・北部各市町村のホテル、飲食店には北部11酒造所の 泡盛の活用の啓蒙を。

提案者

山原泡盛古酒文化の会代表 安次富 洋・渡具知豊・満名匠吾・前田裕子・花城良廣・蔵根尚美・小野雅春・山里将男・吉本健夫・島袋正敏

2018年8月27日

以上、文化パーク「やんばる泡盛100年古酒の郷」づくり提案書より抜粋実際の提案書はA4・28ページ/画像は提案書より)

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