平成30年度泡盛鑑評会、沖縄県知事賞、沖縄国税事務所長賞表彰!(沖縄国税事務所・沖縄県)

  • [公開・発行日] 2018/11/09
    [ 最終更新日 ] 2020/08/14
   

平成29年11月1日(木)ANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー白鳳の間(那覇市泉崎)にて、平成30年度泡盛鑑評会表彰式が開催された。表彰式では、品質優秀と認められた泡盛古酒を出品した製造場及び製造責任者に対し、沖縄国税事務所長及び沖縄県知事が賞状を授与した。

2泡盛鑑評会は、沖縄県の伝統的銘酒“泡盛”の品質評価を通じて、酒造技術の進歩・発展を促すために年に一度、沖縄国税事務所、沖縄県の共催により開かれている。復帰の年(1972年)からスタートし、今年で46回目を迎えた。

本年は、10月2日(火)及び4日(木)に、税務大学校沖縄研修支所(浦添市宮城)及び北那覇税務署において泡盛に造詣の深い品質評価員によるきき酒(官能評価)による審査が行われた。

平成30年度泡盛鑑評会、審査風景はこちらより

本年度の出品状況は、古酒の部が38場65点、一般酒の部が34場34点の合計43場99点となった。前年度に比べて2場22点減。

表彰式にあたり、脇本利紀沖縄国税事務所長は次のように式辞を述べ、同事務所相澤常慈主任鑑定官が次のように審査報告した。

脇本利紀沖縄国税事務所長 平成三十年度泡盛鑑評会表彰式式辞

本日ここに、ご来賓各位をお迎えして「平成三十年度泡盛鑑評会表彰式」を挙行するに当たり、一言ご挨拶を申し上げます。

泡盛鑑評会は「沖縄県の伝統的銘酒”泡盛”について、品質評価及び理化学分析を通じて酒造技術の基盤強化と発展を促し、品質の向上を図るとともに消費者の利益を守り、併せて沖縄県の重要な地場産業である泡盛製造業の発達に資すること」を目的として、昭和47年に第1回を開催し、今回で46回目を迎えております。

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この間、泡盛製造業者の皆様のたゆみないご努力と、関係者の皆様のご尽力により、泡盛は沖縄県の重要な地場産品としての地位を確立し、今や沖縄県の製造業のけん引役を担うまでになりました。これまでの関係者の取組みに対しまして敬意を表する次第でございます。

さて、本年は、43の泡盛製造場から99点の出品がありました。

泡盛の最高峰ともいえる古酒(クース)につきまして、優秀な成績を収めました15製造場の代表者、並びに製造責任者の皆様に対し、日本語、英語、そして漢文の各賞状と表彰状を授与させていただきました。

また、沖縄県知事からも5製造場の代表者に対し、賞状が授与されました。受賞者の皆様には、心よりお祝いを申し上げます。

今回の鑑評会では、古酒の部の二次審査に進んだ出品酒について、一般酒の部で実施している「泡盛フレーバーホイール」を活用した尺度評価を導入したほか、これまでの鑑評会評価では着目していなかった、容器に残った香りである残香(ざんこう)の評価を行うなど、古酒の魅力を最大限見出す取組みを行いました。

泡盛製造者におかれましては、これらの結果を活用して、古酒が持つ魅力ある香味を消費者に対して確実に伝えていただくことにより、泡盛が消費者に高く評価され、県内外をはじめ、広く海外においても、より一層地位を高めていくものと期待しております。

泡盛業界関係各位には、国内ばかりでなく海外の消費者に対しても、より一層「琉球泡盛」の特徴や飲み方等、多様な可能性が伝わるよう様々な施策に取り組んでいただき、泡盛業界の明るい将来展望が開けるよう、酒類産業行政を所管する私どもといたしましても、今後の泡盛製造業の主体的な取り組みに期待するとともに、泡盛製造業の発展のために支援をさせていただく所存です。

結びに当たり、ご多用のところ、本日ご臨席を賜りましたご来賓の皆様方に厚く御礼申し上げますとともに、ご列席の皆様方のご健勝とご発展を祈念いたしまして、式辞とさせていただきます。

平成30年11月1日
沖縄国税事務所長
脇本利紀

平成30年度泡盛鑑評会表彰式審査報告(相澤常慈任鑑定官)

平成30年度泡盛鑑評会の表彰式に当たり、審査の概要をご報告申し上げます。泡盛鑑評会出品酒の品質評価は、去る10月2日、4日の 2日間、税務大学校沖縄研修支所及び北那覇税務署において実施しました。

品質評価は、国立大学法人琉球大学、熊本県産業技術センター、泡盛製造者、流通関係者、独立行政法人酒類総合研究所、国税局、沖縄国税事務所鑑定官、沖縄県工業技術センター研究員など、合計27名で行いました。

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評価当日は、大きな被害が生じた台風24号に続き、台風25号が沖縄本島に接近してきていた状況ではありましたが、大変な中、お集まりいただいた品質評価員のご尽力により、無事に予定していた品質評価を完了することができました。

本年度は、古酒の部に38場から65点、一般酒の部に34場から36点、全体で43製造場から99点の出品がありました。

品質評価の方法は、香り、味、総合品質を5点法で採点するとともに、品質設計や製造工程の改善に活用できるよう、香りと味のそれぞれについて細かい評価項目を設けたプロファイル法で行いました。

なお、古酒については、泡盛を代表して表彰するにふさわしい品格を有するものを選定するため、一次評価の総合品質の評価が上位のものについて、日を改めて、二次評価を行いました。

二次評価では「泡盛が有している個性」、「古酒香」及び「味のなめらかさ」に加えて、さらなる古酒の魅力を見出すため、これまでの鑑評会において着目していなかった、泡盛を注いだ器(うつわ)に残る香りである残香(ざんこう)についても、泡盛用の器である「ちぶぐゎー」を用いた評価を行いました。

これら評価の結果に基づき、特に品質優秀なクースを出品された十五製造場を沖縄国税事務所長賞、五製造場を沖縄県知事賞に選定しました。

続きまして、本年の出品酒の品質について、品質評価員の講評を取りまとめたところをご報告申し上げます。

古酒については、バニラ、カラメル様あるいはドライフルーツを思わせるような華やかな古酒香を備えたものや、ナッツ様の穏やかな香りが調和して味わい豊かでなめらかな口当たりのものもあり、業界の製造技術の向上が感じられるレベルの高い出品酒が数多く見られました。

一般酒については昨年に引き続き、さらに、今年度は古酒の二次評価についても「泡盛フレーバーホイール」を活用して尺度評価を実施いたしました。

これら結果は、製造技術研究会を含め、レーダーチャートの形で泡盛製造者の皆様にお返ししますので、今後の自社の商品開発や他社との酒質の比較等に活用していただけるようお願いします。

審査結果は以上のとおりですが、消費者の要求を十分満足させうる、高い品質の泡盛が多数を占めていました。

今回、古酒において入賞を果たされました製造場の皆様には、心よりお喜びを申し上げます。

入賞を逸した製造場につきましても、その品質の差は僅差で、大いに評価されるべきものでありました。

古酒の部において入賞されていない製造場の中には、一般酒の部において、特徴的な魅力ある酒質のものがありましたことを付言しておきます。

さて、泡盛鑑評会は製造技術基盤の確保・強化のため実施しています。製造者の皆様には、明日の製造技術研究会において全ての出品酒を公開しますので、各社の技術を確認していただき、今後の技術・技能の一層の向上の参考として、国内外の消費者から高い支持を得られる製品の製造・販売につなげていただけるようお願い申し上げます。

泡盛は黒麹菌を使用し、原料である米を全て麹にし、単式蒸留により得られた原酒を貯蔵・熟成させることを基本とする固有の製造方法をもった、世界に誇る沖縄県の銘酒です。

沖縄県の文化及び産業を代表する泡盛が、国内はもとより広く海外においても愛飲され、今後ともますます成長? 発展することを祈念いたしまして、審査報告とさせていただきます。

平成30年11月1日
沖縄国税事務所主任鑑定官
相澤常滋

沖縄国税事務所長賞及び沖縄県知事賞受賞を受賞した製造場及び銘柄は次の通り。

沖縄国税事務所長賞

製造場名 製造場代表者 製造責任者 銘柄
忠孝酒造株式会社 大城 勤 普久原 毅伸 古酒忠孝
まさひろ酒造株式会社 比嘉 昌晋 鈴木 一人 蔵出しまさひろ
宮里酒造所 宮里 徹 手登根 真也 春雨
菊之露酒造株式会社 下地 勝 山内 豊彦 古酒7年38度
請福酒造有限会社 漢那 憲隆 高橋 満美登 請福ビンテージ
有限会社高嶺酒造所 高嶺 聡史 高嶺 善彦 おもと
株式会社石川酒造場 仲松 政治 上間 長亮 玉友 甕仕込 秘蔵古酒
瑞泉酒造株式会社 佐久本 学 仲栄真 兼昌 瑞泉古酒
瑞穂酒造株式会社 玉那覇 美佐子 大城 博明 熟成古酒 瑞穂
有限会社金武酒造 奥間 尚登 奥間 尚利 古酒 龍
崎山酒造廠 崎山 和章 山里 文男 松藤10年古酒
有限会社山川酒造 山川 宗邦 古堅 宗次 珊瑚礁
有限会社神村酒造 神村 盛行 渡久地 洋平 芳醇浪漫 守禮古酒
新里酒造株式会社 新里 健二 新里 尚也 古酒十四年琉球
有限会社比嘉酒造 比嘉 兼作 山内 隆志 残波18年古酒

沖縄県知事賞

製造場名 製造場代表者 製造責任者 銘柄
菊之露酒造株式会社 下地 勝 山内 豊彦 古酒7年38度
株式会社石川酒造場 仲松 政治 上間 長亮 玉友 甕仕込 秘蔵古酒
瑞泉酒造株式会社 佐久本 学 仲栄真 兼昌 瑞泉古酒
瑞穂酒造株式会社 玉那覇 美佐子 大城 博明 熟成古酒 瑞穂
有限会社神村酒造 神村 盛行 渡久地 洋平 芳醇浪漫 守禮古酒

平成 30年度泡盛鑑評会品質評価員(敬称略)

外山博英 国立大学法人琉球大学農学部教授
平良東紀 国立大学法人琉球大学農学部教授
水谷治 国立大学法人琉球大学農学部准教授
奥田将生 独立行政法人酒類総合研究所成分解析研究部門副部門長
中川優 熊本県産業技術センター研究参事
ティルヴェーバー 国立大学法人琉球大学国際地域創造学部教授
照屋充子 国立大学法人琉球大学非常勤講師
喜屋武 善範 有限会社喜屋武商店代表取締役社長
宮里徹 宮里酒造所代表者
島袋淳也 株式会社久米島の久米仙取締役製造部長
山川真理子 有限会社山川酒造製造部
砂川拓也 株式会社多良川代表取締役社長
高嶺享史 有限会社高嶺酒造所工場長
安里昌利 まさひろ酒造株式会社製造部
奥間尚利 有限会社金武酒造常務取締役
池原呂桜良 瑞泉酒造株式会社営業部営業推進グループ主任
石川由美子 株式会社石川酒造場製造部課長代理
仲里彬 瑞穂酒造株式会社品質管理室主任
山本博子 忠孝酒造株式会社製造部
小濱元 国税庁鑑定企画官補佐
原 ー広 大阪国税局鑑定官室主任鑑定官
増田達也 福岡国税局鑑定官室主任鑑定官
篠田典子 熊本国税局鑑定官室主任鑑定官
比嘉賢一 沖縄県工業技術センター食品・醸造班班長
玉村隆子 沖縄県工業技術センター食品・醸造班主任研究員
相澤常滋 沖縄国税事務所主任鑑定官
宮本宗周 沖縄国税事務所鑑定官

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