ほろ酔い気分で泡盛に感謝! 神村酒造の感謝祭レポート

   

2016_03-19-20_11th-thanksgiving_kamimura-syuzou_awamori-tasting3月19日(土)・20日(日)、うるま市石川嘉手苅の神村酒造において「第11回感謝祭」が開催された。この感謝祭には泡盛講座やきき酒、きき水コーナー、大抽選会、ステージイベントがなどがあり、地元の人気飲食店の屋台も出店。

この際、泡盛講座で勉強しつつ、レポート兼純粋に感謝祭を楽しまなければと思い、20日日曜日にハンドルキーパー兼営業兼感謝祭当日財務担当兼主宰の強面(こわもて)オジさんと広報兼渉外兼雑務兼試飲担当の泡盛ファン女子大生アルバイト社員、そしてごくフツーのオジさんであるボクと3人で出かけてきた。当日は前日までの雨がウソのように晴れ上っていて、口には出さなかったけれど「これもひとえに日頃の自分の行いの良さだ」と3人はそれぞれ思ったのであった。

会場に向かう高速の途中、お笑い芸人の「メイプル超合金」のカズレーザーと同じく、自分も飛んでいるWi-Fiが見えるという広報兼渉外兼雑務兼お笑い担当兼試飲担当の泡盛ファン女子大生アルバイト社員は何を見たのか、ある一点を見つめていきなりケラケラと笑い出した。神村酒造の感謝祭に向かっているのが楽しくてウキウキしているのはわかっていたけれど、まだ一杯の試飲をすることなくほろ酔い気分となれるアルバイト社員に畏敬の念を抱いた。

2016_03-19-20_11th-thanksgiving_kamimura-syuzou_kame02会場には10時30分ごろ到着。お目当ての一つの泡盛講座までしばらく時間があるため、ウェルカムドリンク的な雰囲気で仲里専務が、壺貯蔵の10年古酒の試飲を勧めたので遠慮なく頂いた。試飲したのは2006年11月の同じ日に壺入れした守禮44度。一つは美海窯でもう一つはかっちん窯の荒焼きの壺だという。美海窯は読谷村にある神村酒造の昇竜壷の制作をしている窯元。焼き物としては石のように固く焼締めたという意味の炻器(せっき)類で、陶器用赤土に磁器粘土を混ぜて1200度以上の高温で焼きしめられた、どちらかといば磁器寄りの壺である。かっちん窯は南蛮焼き締めをベースに主に酒器を中心に作陶する具志堅全心氏の窯。県内の土を探し出して精製した酒壺用の陶土は鉄分を多く含み、焼締めることで磁力が出て泡盛の熟成に適している壺である。

その2つの古酒を飲み比べてみると、驚くほど違いがあった。美海窯の壺は焼きが強いためか年月が生み出すコクと旨味の中に原酒本来の持つ風味が多く残る、少しやんちゃな味わいがした。一方、かっちん窯の壺は少し原酒の風味が残るもののバニラのような甘い香りと甕香が微かに感じられ、ややマイルドな熟成感のある味わいになっていた。どちらも10年という古酒としてはまだまだ中堅の前という感じで、人間で言えば同じ成人式を迎えた少しやんちゃな青年と、成人なったばかりにしては冷静で落ち着き払った青年のようで、どっちも同じ原酒を持つけれど、違う味わい深さが感じられるのであった。

他にもベトナム南蛮壷の9年古酒、守禮原酒51度を10年前に蒸留して8年前に骨董的価値の南支南蛮壺の詰めたという古酒、壺屋の荒焼きを継承している登り窯で作った榮用窯の壺に詰めて16年目の守禮44度など、どれも芳醇だけど風味は千差万別。それぞれに旨くて飲み比べることができて幸せな時間を過ごすことができた。

2016_03-19-20_11th-thanksgiving_kamimura-syuzou_takesu01そうこうしているうちに泡盛講座が始まるので広い庭の一画に設けられた席に移動。1つめの演題は「泡盛~その生い立ち」で講師は沖縄国税事務所鑑定官の高江洲朝清氏。こよなく泡盛を愛する男として業界では知られていると司会者が紹介。講演内容は泡盛の歴史から始まり名称の由来、泡盛の作り方や麹菌、酵母やモロミの話など分かりやすく説明。それから古酒の作り方や仕次ぎなどによる愛で方、酒の十徳など古酒に関する話と続いた。そして本業である鑑定官の仕事の話となり、効率よくさらにより良い泡盛造りの指導で酒造所を巡った話、泡盛の香りの成分の識別をする方法や、酒の香りの名称を覚えて成分を調べる話など鑑定官の仕事を分かりやすくていねいに話してくれた。さらに泡盛の成分の香りサンプルを5種類持参してきており、講座の終了後、希望者はサンプルを嗅ぐことができた。

2つめの講座は㈱バイオジェット代表の塚原正俊氏による「芳醇酵母と熟成の秘密」と題した、神村酒造の人気銘柄にまつわる話であった。

aIMG_1942神村酒造とバイオジェット社は新たな特徴を持つ泡盛を共同開発するにあたり、泡盛は日本で唯一、熟成して(時間経過とともに)美味しくなるお酒で、熟成することで新酒にはなかった様々な香り成分が出てくることに着目した。

その古酒の香りの中でもバニラ香成分のバニリンと、森林の香りのするマツタケ香(キノコ香)成分のマツタケオールの多い古酒が芳醇で好まれることから、塚原氏は熟成することでバニリンとマツタケオールが絶妙なバランスで増え、芳醇な香りと味わいになるような酵母を2年間かけて研究した。その酵母”芳醇酵母”で醸した泡盛が「芳醇浪漫」である。

 

塚原氏はまた、泡盛古酒の魅力として、ビンでも熟成するけれど、甕を使った場合はよりバニリンが増えることが確認されているため、ビン熟成とはまったく違う美味しさになることを指摘した。さらに泡盛は昔から仕次ぎという技法が行われており、仕次ぎによって古酒はより美味しくなることは経験的に分かっていた。しかしそのメカニズムはほとんど解明されていなかったが、仕次ぎをすることでによりバニリンとマツタケオールが増えるということを科学的に測定し解説した。

なるほどと思いつつ講座を聴き続けていると、いつの間にか芳醇酵母を使った「芳醇浪漫」は熟成後のバニリンはビンでも増えるけれど、甕での熟成だともっと増えるといい、そこで、今回、感謝祭ということもあり「芳醇浪漫3年古酒 南蛮甕貯蔵 44度」を手頃な料金で限定販売するといった。塚原氏の話を聞いたのであとだったので、どうしても「芳醇浪漫3年古酒 南蛮甕貯蔵 44度」が欲しくなり、販売コーナーで試飲をしたあとに迷わずを購入。美味しい古酒を手中に収めて嬉しい半面、つい買ってしまう自分に笑ってしまったのであった。

2016_03-19-20_11th-thanksgiving_kamimura-syuzou_scent-of-the-components-of-the-awamori講座終了後、「守禮原酒51度」の仕次ぎ式に参加して、神村酒造の泡盛の度数当てのきき酒を行う。が、ボクも広報兼渉外兼雑務兼お笑い担当兼利き酒及び試飲担当の泡盛ファン女子大生アルバイト社員も低い度数が当てられずにいると、利き酒担当者から「いつもロックとか濃い目の水割りで飲んでいるから低い度数が当たらなかったのでは」といわれた。「確かにボクはそうだけど…」。一緒に利き酒をした広報兼渉外兼雑務兼お笑い担当兼利き酒及び濃い目の水割り専門試飲担当の泡盛ファン女子大生アルバイト社員はニッコリと頷いた。それから、つまみを買いステージを見ながら何度もふるまい酒を飲む。試飲の泡盛は美味しいもんだと思ったけれど、感謝祭で飲むふるまい酒はもっと美味しい。できれば一年中那覇のどこかの居酒屋でふるまい酒をしてもらいたいと思ったのだが、いい年こいたオッサンがそんなことを口に出すこともはばかれるので黙っていたら、「あぁ、美味しい。毎日、どこかでふるまい酒ってないかなぁ」。若さの特権で広報兼渉外兼雑務兼お笑い担当兼利き酒及び濃い目の水割り専門試飲担当の泡盛ふるまい酒ファンの女子大生アルバイト社員から自由過ぎる発言が隣の席から飛び出した。

取材も終え、試飲、試飲、ふるまい酒、試飲、ふるまい酒、ふるまい酒と繰り返し、「神村酒造感謝祭」の美味しい泡盛にすっかり気分が良くなり、ボクたちは神村酒造に感謝しつつ、一滴の泡盛も飲めず、しかめっ面した主宰兼営業兼感謝祭当日財務担当兼ハンドルキーパーの強面(こわもて)オジさんの運転で帰途についたのであった。

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嘉手川 学

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