復帰にモノ申す 那覇王冠社長 玉城友吉(昭和47年1月30日)

  • [公開・発行日] 1972/01/30
    [ 最終更新日 ] 2016/05/23
   

1972_1_30_okinawa-crown-cork-industry_recommendations-to-the-mainland-return現在は王冠業は輸入規制措置で存続しておりますが、それは琉球政府の財源が之しい関係で、規制することによって企業を保護していこうというねらいで、すでに3年になりますが、3年で解かれるということは恐しいことでありましょう。

というのは、本土の王冠メーカーが沖縄の市場を獲得するための乱売が予想され、そうなると、現在、那覇王冠では太刀打ちできる状態にもっていくために近促資金を借り受けて設備の拡張を図っておりますが、折角の琉球政府の措置が無駄になることが十分考えられる。

この問題は那覇王冠だけでなく、沖縄のすべての業界に云えることです。そのことについては本土政府、琉球政府に対しても陳情しておりますが、果してどうなるか解らないのが現状です。

又、復帰前、復帰時に於ける本土企業との技術、資本の提携も云々されておりますが、現在の沖縄のマーケットでは全然メリットがない。単なる沖縄だけの市場目当ての企業の進出は絶対に許してはならない。

反面、沖縄を東南アジア等への輸出中継地としての、沖縄工場として技術、資本提携ならいくらでも歓迎したい。

琉球政府は豊かな沖縄県づくりを云っておりますが、その初歩は沖縄の人間同志が信じ合うということが条件であり、同時にすべての仕事がそうですが、共存共栄の基礎に立つべきであり、その気持が大切だと思います。

私共は今年約14万ドル位の設備投資を考えておりますが、これは本土業者と対等に太刀打ちするための王冠の質の向上を計るのが目的でありますが、過保護云々とも云われているが、防波提的な役割りを果していることも見逃がしてはいけないと思います。

現在、党派のイデオロギー云々と云うよりも、豊かな県民生活を築くことが党派の責務ではないだろうか。沖縄のモノ云えぬ中小企業と云うのはそれぞれ悩みをもっておりますが、その声を訴える機関がないわけです。しかし私共はそういう、いろんな悩みを乗り越えて進む覚悟で日夜努力をしております。

最後に復帰することによって、沖縄の人間が出来る仕事までも本土の人間に任せないように、そして出来ない業は教えて貰えるように、これまで奪われるようでは復帰した意味がない。その点も琉球政府は本土政府を通じてよく理解させ、私共の悩みを解消して貰うよう努力して下さるよう希望いたします。

※王冠(おうかん)とは、瓶を密封するための蓋のことを指す。

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