泡盛 復帰対策委懇談(昭和45年7月30日)

  • [公開・発行日] 1970/07/30
    [ 最終更新日 ] 2016/01/15
   

1970_7_30_okinawa-mainland-return_awamori-liquor-tax_round-table-conference琉球酒造組合連合会(会長:佐久本政敦氏)では、先に本土復帰に際し、6項目からなる泡盛醸造界要望書、
(1)酒造免許の件
(2)酒税の件
(3)原料米の件
(4)泡盛の販売ルートの件
(5)商標ラベルの件
(6)中小企業資金の長期低金利融資件
を主税局に提出していたが、これに対し主税局では、去る7月14日午後1時、酒連3階ホールに業界の復帰対策委員を招集し、合同懇談会を開いた。

主税局からは
・野里間税課長
・照屋第一係長

業界からは
・佐久本(会長)
・比嘉(まさひろ)
・崎山(崎山酒造)
・玉那覇(玉那覇酒造)
・新里(泡盛産業KK専務)
・平良(久米仙)
・石川(石川酒造)
・神谷(神谷酒造)
・玉那覇(瑞穂)
・比嘉(副会長)

の各氏が出席した。主税局側として企業合併や統合を極力するよう呼びかけたが、業界側としては現状では不可能な問題だとして折り合わなかった。

主税局としては、9月初旬までに相対的に具体案をまとめ、対本土政府へ提出する考えで、その詳しい資料集めを急いでいる。

企業合併で復帰対策を(主税局)
現状では合併不可能(業界)

懇談会での主な発言要旨は次の通り。

(1)酒税免許の件について

業界の要望書は、1945年から約3ヶ年間は琉球政府の直営になっていたが、1948年に民営になり、百数十件が泡盛免許を得て製造していた。

以後焼酎甲類、ビール、洋酒等の製造が認可され、泡盛業界も過当競争を繰り返し漸次廃業者が多くなり、現在全琉で57業者が営業し、やや安定しているが、連合会としては近促法に従って協業、統合の何れかにまとめ過当競争を避け、酒税の保全に協力したい。

新規免許が許可になれば、又現在1年毎に更新する酒造免許を復帰時までに永久免許にして貰いたい、泡盛は沖縄独特の地域産業だから保護する建前から本土から免許取得のための沖縄進出を行政措置で阻止して貰いたい、となっている。以下は主税局と業者のやり取りである。

主税局

急にお集まりに願ったのはどう云う風にしたら業界がまとまるかと云うことです。ずばり申し上げます、新規免許を与えるなと申請しておりますが、当局としては与えない方針でいっているが、焼○を許可してくれるなと云うことなのか、それとも酒類全般にと云うことなのか率直にお聞きしたい。

北部では第一次産業、二次産業との関連産業でありそう云う全般的なものまで押さえろと云うことですか。

業者A

パイン酒等もアルコールが入っている以上、該当してくれると思います。全般にあたえないで欲しいと云うことです。

主税局

そうであれば、企業の合理化を図る意志はないですか。大資本との提携を許すなと云っておりますが、業界の皆さんにその意志があったら通産局に行って率直に云うべきではないです。、政府が今まで何をやったかと云っておりますが、新免を規制するとか色々やっており、そう云う云い方は当たらないと思う。

業者B

この機会に統合すべきだと思う。復帰してからでは遅すぎる。

業者C

系列化はできても合併はできないと思う。

業者D

政府が転廃業資金をだしたら統合の意志はあります。

主税局

現に私が先島へ行ってみてのことですが、免許さえ持っておればよいと云う安易な業者もいる。

業者E

合併もしたいが、後の運営が不安で踏み切れないと思います。

業者F

小さな者同士で合併しても何にもならないと思います。そうなると吾々は死ぬと云うことになりますので、吾々も生きるためには本土の資本を導入して提携する以外方法はないんじゃないですか。

主税局

転廃業資金を出せば止める業者もおりますか。

業者

はい、おります。額の問題はありますが。

主税局

転廃業資金は貸し付けるんではなくただであげるんですか。

業者

はい。

業者G

残る業者が出せば話はわかりますが、政府が出すと云うのはどうですか。

主税局

現在、政府も苦しいが、転業資金と云うのは貸付であって、政府が機関を通じて貸し付けるのが筋道であり、政府が小切手を切ってはい幾らと云うのは通りませんよ。

業者A

政府もいくらと云う予算を組んで、業界はいくら位できるかと云う様にすればよいじゃないですか、業界には業界の考えがあるし、当局は当局の考え方があるし、同じ様にはいかない面もあると思う。日本政府に当たって貰って出させるようにできないでしょうか。

業者F

根本的に大きなメーカーに系列化して製造まで一貫させる統合であれば出来ると思います。

業者A

これは理想論であって、問題は人間が優先するのであって、人間が噛み合わない限り不可能です。

業者H

結局幾つかのブロックに分けても内部的に問題があり、販売だけを一元化していくと良いと思う。本土政府が一定期間泡盛だけ専売にして貰って保護して貰えば良いと思いますが。

主税局

これは不可能です。

業者G

吾々の力で本土法に入っていくべきで、現在はコスト高になっており、最後の目標はコストを下げるべきであり、人間対人間の問題でありますから、将来は系列化を図っているのを合併もして、本土業者と太刀打ちしなければ負けるし、要はコストを安くする方法を考えるべきだと思う。政府も面倒をみておりますが、今後とも会合を頻繁にもって吾々の意見を聞いて貰うようお願いします。

主税局

そのまま本土法に準じてはまかりならんし、吾々として特恵措置をどう云う風に構じていくべきか、皆さんの意見を聞きにきた訳です。皆さん方の意見をまとめまして意にそうように施設改革等も考えながら方針をまとめたい。現在の自由企業の中で免許を与えるのは自由主義国家の法則であり、皆さん自体の問題が消費者にしわ寄せされたんでは困ります。

業者

系列化以外に現実としては不可能だと思います。

主税局

系列化は徐々に合併にもっていくと云う様に解釈します。一応テーマとして投げましょう。本島業者の行き方で先島業界の行き方も決まりますよ。企業努力をしておれば大企業の進出は阻止してくれと云える。問題は鹿児島であり、必ず進出してくると思う。いずれにしても私共の資料は9月初旬までにまとめなければなりませんので、地域懇談会等をもって、もっと話し合って下さい。まとまらん場合はまとまらんままでよろしいですよ。本土政府に任す以外にないです。

業者B

復帰しない今が一番チャンスであり、復帰してから、あぁしてくれ、こうしてくれと云っても始まらない。

主税局

税法改正はあと1回だけです。来年は改正しなければなりませんが。何故永久免許にしないで1年更新にしているかと云うと、担保の適応の問題が出てきます。永久免許にした場合、腹はできていますか、単なる意見ですか。

業者B

当局が指摘されるのは業界も解ります。復帰するまでに永久免許にしてくれと云うことです。

業者G

今までは担保もきくが、そうなればすぐ差押えですか。戦前は1日も待たなかった。

主税局

1ヶ年は未納させぬと云うことで1年更新にしているのであって。

業者G

本土の場合は、永久免許も担保をとっておりますか。

主税局

私の憶えている限りではとっております。心がまえができておれば、明日にでも私から云えますよ。奄美大島の場合はすぐ本土法が適用された。アメリカさんが捨てたから日本本土が拾ったのであって、こちらはあくまで対等合併の形です。私共は執行屋ですから、上司からやるなと云われたらどうなるか解りませんが、酒税確保の面からは担保が生ずると云うのであって、その心構えを皆さんに聞いているのです。

(2)酒税の件について

主税局

杰率をもっと落としてくれと云うことですか。

業者B

現行法を或る機関に据え置きにしてくれと云った方がよいと思います。

業者G

こちらで納税したら、そのままストレートで本土で売らして貰えるようお願いしたい。こちらは船賃もかかっているので、それが特恵措置だと私は思います。こちらで課税されて向こうでもとなると、輸出の意欲もなくなってしまう。

主税局

特恵措置とは何年くらいを考えておりますか。

業界

最低5年は必要です。

主税局

先立って来島した調査団も話しておりましたが、5年間と云うのは6年目から本土法に準ずると云う意味か、それとも5年後も徐々に準じていくと云うことか解らないと語っていたが、陳情はあとがなくどうなっているかわからない。

業者H

本土の経済水準に近づいてから徐々に近づけた方がよいと思います。

業者B

25度で本土はスタートしているし、こちらは30度でしょう。

業者G

泡盛の定義づけが先決だと思いますが、当局に何か案はありませんか。

主税局

まだありません。特恵措置には2通りのはなしがありますが、陳情は甲類、ウイスキー、ビールにしても、いつも尻切れトンボに終わっております。煙草の場合は問題ないんですが。

業者I

5年後から徐々に近づけて行った方が最善の策だと思います。

業者G

泡盛の定義づけはひとつお願いします。

主税局

はい解りました。

(3)原料米の件について

主税局

本土の食管法に入ると高くなります。

業者

外米枠を現在のまま認めてくれと云うことです。

(4)泡盛の販売ルートの件について

業者

今の小売店は届出制ですか。

主税局

免許制で酒造免許と同じです。

(5)商標ラベルの件について

主税局

特許庁から派遣された先の調査団は何と云っていましたか。

業者

もしかち合っておれば使用できるように考慮すると云う話でした。認めようと云うことです。どうしても相手メーカーが許さないとなると、既成事実が優先するので、固有名詞を押入して通用するようにしていこうと云っていました。

主税局

じゃ、それはあまり心配する必要はありませんね。

業者

それにしても現在のまま使用させて貰うよう考慮していただきたい。

以上が主な懇談内容だが、その他に醸造試験場の設置問題、復帰対策として度数の最低基準を落とす問題、奄美大島の業界の現況、低利融資問題、そう云った融資金の償却年限の短縮問題等、懇談は続いた。

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