全琉に普及するか~泡盛 簡便式製麹機~(昭和45年1月1日)

  • [公開・発行日] 1970/01/01
    [ 最終更新日 ] 2015/11/24
   

昨年の夏頃から泡盛業界の一部で試験的に使用され始めていた簡便式製麹機が、最近にわかにブームになりつつある。1970_11_1_simple-formula-koji-machine_okinawa-spreadすでに本島内の九工場が本格的に使用しているが、北部業者や先島の業界でも関心をもち、南部の既設工場を見学しており、目前に控えている本土復帰にそなえての企業合理化に泡盛業界も真剣に取り組みつつあるようだ。

ところでこの簡便式製麹機は、或る泡盛業者が全自動製麹機を参考に考案したものだが、使用してみると非常に結果がよいところから実用化されたものである。使用している工場側は異口同音にこの製麹機の出現で楽になったと述べている。

A工場ではまだ試験的な段階ではあるが有利な面を
①合理的である。
②人件費が省ける。
③麺のムラがない。
④製品がよい。
と云っており、特にこれまで作業が20時頃までかかっていたが、これを使用してからは17時までに終り、3時間も時間的余裕ができたと云う。

問題点として湿気をいかにして除去するかと云うことだと云う。またB工場でも有利な面は同じだが問題点として冬は蒸気が外気に触れてシヅクになり、夏場はよいが冬場はやりにくいと云っており、又底に溜る水分は毎日カマスをとりかえているが、そのシッキの排除が今後改良されるべきだとしており、又箱の屋根の内側の材質も変ったものを使用した方がよいだろうと、今後新採用する工場側にも提案している。麹の厚みは8センチ位いが理想的ではないかとの見方をしている。

C工場でも有利な点はほぼ同じだがここでは箱の下方に南京袋を敷いておいて、それにシッキを汲い込ませ一週間に一度位いとりかえた方がよいと云っている。改良面について箱を大きくすれば1箱で1日2石位いまで生産できると云う。

D工場でも利点では一致しているが、いかにして歩溜りをアップして1升2合にもっていくかを研究している段階だ。問題のシッキ除去には、ある瞬間乾燥機等を考えていると云う。

又、同じ沖縄内でも密集地帯の工場と北部山間工場、或は先島等とか、そこの立地条件によっても微妙な影響があり、その面でも業者各自が研究する課題ではないだろうかとの見方である。

初歩の段階では各業者とも一、二度の失敗をしてみて今日に及んできている訳だが、いずれにしてもこの半自動製麹機は今年中には相当数業界に伸びることが予想される。

これについて、或る醸造の権威者は、今後悪い面をどんどん改良していくと同時に、品質面や歩溜り面も平行させて考えていくべきでしよう。貯蔵すれば良い酒になるし、将来はこの方がよいのではないかとの見方をとっている。

又或る業者は、これまでの泡盛の臭いとは全然異なると云っており、伝統を守るのが吾々業者の使命であり、その伝統を守ることがひいては泡盛の消費量が伸びていく要因にもつながるのではないかとの考え方、で簡便式製麹機を疑問視するむきもある。

問題の簡便式製麹機はこのように賛否両論ある訳だが、これについて琉球政府の某担当者は次のように語っている。

「中小企業近代促法にも品質の恒久化と云うことが謳われているが、一年ものがすぐ市場に出るのが現状であり、先づ貯蔵することが第一条件ではないだろうか」と語り、更に品質面については「一分野の合理化であり、量産しても品質面には疑問があるのではないだろうか、いずれにしても最終的に判断を下すのは一般消費者でしょう」と語っている。

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