醸界風土記③ 日本酒(昭和44年9月1日)

  • [公開・発行日] 1969/09/01
    [ 最終更新日 ] 2015/11/16
   

日本酒「黎明」が日本万博に出品される。しかも全国4,000件のメーカーの中の45社の中に入っている。1969_9_1_jyoukai_3th_brewing-world-climate-record_sake日本酒と云えば本場、灘を始め伏見、北陸中部、東北、中国、四国、九州と日本全国至る処がまあ本場みたいなところであるが、年中夏みたいな我が沖縄でも日本酒が造られているから沖縄の七不思議の一つかも知れない。

まあ、日本酒と言っても焼酎に毛がはえた位のものだろうと記者自身も軽い気持ちで具志川市平良川にある泰石酒造KKを訪れてみた。いやぁ、驚きましたね。我が認識不足に赤面した次第。

先ず建築概要は2,200坪の敷地に新旧工事合わせて526坪の建築面積(二階、一部三階)をもち、設備は言うまでもなく、醸造機械設備は精米機2台、洗米器1台。軟水装置一式蒸米放冷機1基、蒸米運搬ベルトコンペアー1式(醗酵タンク25石)25基、等々列記すればきりがない。

更に自動堀詰機(シブヤ工業)等、設備も一流だと社長の安田繁夫氏は胸を張る。設備の概要や堀設設備等の詳細な説明は紙面の都合で割愛させていただくとして、しからば日本酒が出来るまでの工程はどうなっているのか。

先ず最初に日本酒造りに必要な絶対的条件は温度制御、水、米、技術比の4つだと云う。原料は島内米か輸入米を撰米で不純物を除き、精米機で三割つきにし(本土では二割五分つきだと云う。)それを一昼夜水につけ、(軟水装置、除鉄装置を通つてきた水)蒸気で蒸し米にし、5分間で蒸し米を冷やす高速放冷機にかけられ、麹を作る処(27℃)で44~48時間ねかされるのと、酒母タンクに入れられここで8~10日間ねかせ、更にもう一つは放冷機から醗酵タンク(もろみ)に直送され、この3つが醗酵タンクに入れられ、摂氏6~17度で17~20日間で醗酵されるものであるが、此処で問題の泡処理であるが、以前は人間が長い棒でかき回してやっていたが、今はこれらも勿論自動機がやってくれる。

それから摂氏15度以下の高圧圧搾機で約48時間圧搾され3~5日間沈んでタンクに入れられ、摂氏10度で、かすとうわずみに分けられ、更に摂氏10度の濾化機で不純物(かす)を取り、澄明な酒にし、もう一度沈んでタンクに入れられ炭素を加えて沈でんさせ、ろ過され、ここで火入れをし、(蒸気100度以上)フイルターを通って蛇管から酒を通して温め、55~60度にして通ってきたものを貯蔵タンクに入れ約2カ月間封印して熟成をまつ、そして始めてビンに詰られて日本酒が誕生する訳だ。その間オールオート式である。

いやはや何と醸造工程の複雑多岐なこと。とはいってもすべて最新鋭機の寸分のくるいもなく処理していき、生れて来るところに日本酒レイメイのうまさはあるのだろう。ゼントルマン安田繁史氏は云う。今、軍で売られている島産酒類ではオリオンビールとレイメイだけだ、と。そして軍ではオール免税品であり、文字通りハダカで戦って輸入品に勝ち抜いているとも付け加える。沖縄で初めて九州の黎明酒造と技術提携し、清酒工場を設立し、そして立派に実らせた氏の高度な感覚と尽力は高く評価されてよい。

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