本土業界視察から~琉球酒蔵組合連合会 会長 佐久本 政敦~(昭和44年5月17日)

  • [公開・発行日] 1969/05/17
    [ 最終更新日 ] 2015/11/11
   

今度、二週間の日程で会長就任あいさつを兼ねて本土業界をつぶさに見て廻つて来たのであるが、1969_5_17_mainland-industry-visit_sakumoto-masaatsu感じた点を述べてみたい。が、しかし二週間と言う短い期間で東京、大阪、北九州、鹿児島と云う強行スケジュールであった。

一行は私と副会長の比嘉寅吉氏、琉球泡盛産業KKの専務新里肇三氏、同社重役の識名謙氏、北那覇酒造組合長の平良正蔵氏、組合員の神村盛也氏に、博多で合流した宮古の酒造組合長砂川武雄氏、組合員の下地潔氏、古謝為吉氏以上9名のメンバー構成。

先ず第一に感じた事は琉球泡盛は昭和の初期から本土に出ているので全国的に或る程度知られてはいるが、原料が米で造られていると云うことを識らないのもいるようだ。此の面のPR不足は我々業者の責任ではあるが、今後はそう言うような面を理解させるために醸造工程のPRをあらゆる機会をとらえてやらねばならないことを痛感した。

球磨焼ちゆうが東京、大阪に大分売られておりますが、これ等もPRが行届いた由だと感じられた。東京では川醸造試験場の野白喜久雄先生(酒類に関する権威者)にお会いし一日、いろいろと酒に関するお話をお伺いしたのであるが、先生も琉球泡盛は優秀な製品ではあるがPR不足なのではとの話だった。

本土復帰をすれば現在の主税局管轄から沖縄は熊本の大蔵省国税局管轄下も入る訳ですが、私達業者の今後の課題は、折角中小企業近代化促進法の指定業種になっておりますが、その面から全業者が一丸となって本土への市場開拓を積極的に推進して行かなければならない。

御承知の通り、本土ではすでに4年前から中小企業近代化促進法が実施されて居りますが、鹿児島県志布志町の若潮酒造協業組合が合併第一号ですがこれは大隅酒造組合(組合員18名)の内、5名で各自の「のれん」をたたんで出来た会社。

又、協業第一号として10ヶ所の組合員で鹿屋酒造組合意(鹿児島在)があり、ラベルは“さつま大海”と銘打つて販路を拡張しつつありますが、いづれも順調に伸びている。

若潮酒造協業組合の理事長内田栄吉氏の言によれば、合併の最終条件は人間関係にあるそうで、全くその通りだと私も思う。仲間同志が頭でっかちでは船頭多くして、船山にのぼるのたとえ通り、良い結果は生れない。

あれこれと拙文を綴って来たが、吾が沖縄もいつまでも安泰ムードに酔っている時期ではない。

本土市場への進出問題、積極的なPR活動、容器の問題、ラベルの改善策等、高級化していく製品時代に遅れない様、輸出産業の花形としての誇りを持ち、全醸造業者が力を併せるべき時期だと思います。

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