泡盛愛育成プロジェクト@AWAMORI+(文・岡山進矢東京支部長)

   

若者の泡盛離れが叫ばれるようになって久しいが、その状況に一石を投じようとユニークな活動をしているお店が那覇にある。

活動の名称は「泡盛愛育成プロジェクト」。そしてお店の名前は「島バル AWAMORI+(アワモリプラス)」だ。

+泡盛愛_店頭

泡盛愛育成プロジェクト。この壮大な名を持つ活動を考案し、運営するのは店主の酒井喬史(さかいたかし)さん。

「泡盛の仕事をしていて感じるのですが、今若者が泡盛を飲む理由は圧倒的に”安いから”。でも上等な古酒に触れてもらえば”美味しいから”に変わるはずなんです。」

そんな思いから、お店を訪れるベテランの飲み手たちから募金を募り、次世代の飲み手である20代の若者に良い古酒を格安価格で体験してもらうための資金に当てる、という活動を始めた。

カウンター脇にさりげなく設置された募金皿。気づかない人も多いが、気づいた人はほぼ全員協力してくれるとか。

カウンター脇にさりげなく設置された募金皿。気づかない人も多いが、気づいた人はほぼ全員協力してくれるとか。

テレビで観た、奈良県のカレー屋さんが行っている「みらいチケット」という、食事に困っている子どもたちにカレーを食べてもらうための店内寄付活動からヒントを得たという。

昨年11月にスタートし、取材時点(1月末)までに30名近くの賛同者からの募金があった。来店の度にお釣りを全て募金皿に入れて帰る常連客や、財布の中の硬貨を酒井さんに掴み取りさせた猛者もいるという。また、SNSで活動を紹介した際には、県内外の同業者からも多くの応援の声が寄せられた。

一方、恩恵を受ける側の20代客だが、そもそもの人数が少ないながらも徐々に認知が広がってきており、利用者は増えているという。

20代の常連客・平良さん(左)。「古酒を知るきっかけとして最高なプロジェクトなので、これからも友人をたくさん誘うつもりです。」

20代の常連客・平良さん(左)。「古酒を知るきっかけとして最高なプロジェクトなので、これからも友人をたくさん誘うつもりです。」

最近では繰り返しの利用で泡盛への理解を深めていく若者や、若い世代の知り合いを連れて来店する常連客もいるそうで、良い流れができている。

カウンターの酒井さんも、若い客には積極的に上等古酒へのチャレンジを勧めているそうだ。

泡盛古酒は雑な飲み方をされてしまうとその魅力が半減してしまう。専門店でレクチャーを受けながらの古酒デビューは、理想的だと言える。

あくまで嗜好品である酒。選び方や飲み方を指南するなど、下手をすると無粋になりかねない。しかし若者と泡盛を隔てる資金不足や知識不足を補い、良き文化を次世代に伝える活動は、それに関わる全員が幸せになる実に理にかなった行為だ。

+泡盛愛_店内1

毎週のように通っているという20代男性客は「同級生や後輩たちと沖縄の未来について語りつつ、酒造所や募金してくださった先輩方の想いに感謝しながら大好きな泡盛をいただいてます。」とお礼を言う。

サポーター側である30代男性客は「素敵な取り組みだと思いました。移住者である私は、このお店に出会うまで泡盛に苦手意識を持っていました。また職場の若いうちなんちゅーにも同じように知識不足からの苦手意識を持っている人が多くいます。そういう人が泡盛の美味しさに出会える場を、これからも応援しようと思っています。」と語ってくれた。

+泡盛愛_店内2

「間違いなく言えるは、若者の泡盛愛無くして泡盛の未来はないということ。多くの人が関わって”善意の輪”が広がれば、泡盛業界全体が盛り上がるのではと思っています。泡盛の豊かな未来のために、微力ながら今自分ができることをやっていきたいです。」(酒井さん)

(文/岡山進矢東京支部長、写真/酒井さん提供)

店主の酒井さん。新潟から移住し、泡盛に関わって6年。泡盛マイスターでもある。

店主の酒井さん。新潟から移住し、泡盛に関わって6年。泡盛マイスターでもある。

以前は泉崎の「味噌めしや まるたま」を間借りし深夜営業をしていたが、昨年8月に美栄橋駅前に移転。

以前は泉崎の「味噌めしや まるたま」を間借りし深夜営業をしていたが、昨年8月に美栄橋駅前に移転。

島バル AWAMORI+(アワモリプラス)
那覇市前島1-1-18 麻生ビル101(098-861-1444)
※現在は短縮営業中。営業時間はご確認を。

[PR]

関連記事

アーカイブ

更新情報

更新情報



プレスリリース

登録されているプレスリリースはございません。

ページ上部へ戻る