世界照準クラフトジン、瑞穂酒造より発売!

  • [公開・発行日] 2018/03/15
    [ 最終更新日 ] 2018/04/26
   

瑞穂酒造(那覇市・玉那覇美佐子社長)は、創業170周年を記念して、2種類のクラフトジン「Fresh MIZUHO(500ml・48度)」と「Tropical MIZUHO(500ml・48度)」を、平成30年3月17日(土)のみずほ天龍蔵祭りより発売する。琉球ガラスボトル入りで、各限定250本、8,000円(税込)。

発売に先駆け、3月9日(金)那覇市首里鳥堀町のBar Birthdayにて、関係者を招いての商品説明会が開催された。
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そもそもジンとは?

ジンの起源については諸説あるが、年代が明確な記録としては1660年、オランダで医療用の薬用酒として製造されたというものがある。

当時オランダは、インドネシアなどの東インド地域でイギリスやフランスなどと覇権争いをしており、現地で蔓延するマラリアなどの熱病対策を迫られていた。

その中で、ヒノキ科の針葉樹である杜松(ねず)の実(ジュニパーベリー)の薬効が注目され、この杜松の実を漬け込んだ酒をさらに蒸留した薬用酒が製造されることとなった。

その後、この製法はイギリスに伝わり、爽やかな香りの蒸留酒として人気を博し、やがてアメリカに渡りジンと呼ばれ特にカクテルベースとして定着する。それらカクテルの中でも「マティーニ」は有名で、その歴史やバリエーションの多さからカクテルの王様とまで形容される。

2018_03-17_new-product-launch_craft-jin_mizuho-shuzo02ところが、このように、歴史も深く世界規模で流通するジンではあるが、その広がり故、世界に共通する明確な定義はない。

あえて挙げるなら「ジュニパーベリーの香りを主とする酒(蒸留酒が多い)」ぐらいで、日本の酒税法においてはその名前すらでてこない。

この自由度の高さが、逆に世界中の酒職人のクラフトマンシップ(職人魂)を刺激し、現在、世界中でそして日本でも、職人の誇りの証”クラフト”を冠したクラフトジンが続々と誕生している。

瑞穂酒造がクラフトジンを造る意義

今年で創業170周年を迎える首里最古の蔵元である瑞穂酒造は、伝統の大いなる担い手であると同時に革新のフロントランナーたる宿命を常に背負ってきた。

瑞穂酒造の泡盛造りを細かく見ると、その造りのバリエーションの多さに驚嘆する。原料一つをとっても、タイ産、沖縄県産、本土産、台湾産のインディカ米やジャポニカ米で仕込み、糖化のために使用する黒麹菌も、イヌイタイプ、アワモリタイプ、サイトイタイプを使い分け、酵母は101号酵母の他、天然吟香酵母、黒糖酵母、ゆり酵母、デイゴ酵母、さくら酵母など様々な酵母で醸し、蒸留も常圧、減圧、貯蔵施設も甕、樽、ホウロウ、ステンレスなどが地上、そして一部は地下にある。「古酒は沖縄の宝物」を大看板に抱える老舗の泡盛メーカーは、その陰で常に革新的な造りの技を磨いてきた。
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ここ数年、泡盛を世界に流通させる試みが官民挙げて行われている。

その方法は泡盛自体をジンやウォッカなどと同列のホワイトリカーとして世界に流通させるというものである。ただし、この方法では先行して現地で愛飲されているホワイトリカーのシェアを泡盛として奪う必要があり、その必然性を生み出すことは決して容易ではない。

また、そのために、泡盛をカクテルベースとして位置付けたいわゆる泡盛カクテルも数多く発表されてきたが、十分な広がりを見せてはいない。そもそも繊細で“ほのかな”甘さ(香り)が特徴の泡盛は、カクテルベースとしては取り扱いが難しいとの意見も特に飲食店関係者から聞こえてくる。

ところが、その泡盛の繊細で”ほのかな”香りを逆に最大限に生かし、泡盛自体をボタニカル(香り成分の元)の一つとすることで、泡盛としてではなくジンとして、泡盛を世界に送り出すという別解が、今回登場した「Fresh MIZUHO」と「Tropical MIZUHO」である。泡盛を知り尽くした老舗泡盛メーカーならではの奇知だと筆者は感じる。

あくまでも世界に照準

Bar Birthdayにおける商品説明会は、世界中のジンの紹介、分類、分析から始まった。それはいつ自社商品の説明が始まるかと待ち遠しいくらい詳しいもので、膨大な時間とエネルギーを市場の分析、そしてそれを反映した商品企画に費やしたことが感じられた。
2018_03-17_new-product-launch_craft-jin_mizuho-shuzo04次に出てきたのが「一目で沖縄を感じ、一口で沖縄の魅力が伝わるようなクラフトジン(トロピカル&リッチ)」という商品開発コンセプトだ。

これを実現するために、ボタニカル(香り付のための植物)の選定、ボタニカルごとの抽出方法の研究、ボタニカルとの相性のよいベーススピリッツ(泡盛)の研究を何度も繰り返したという。

ボタニカル:左から、シークヮーサーリーフ、ジュニパーベリー、西表島パイン(ピーチパイン)ピール、ヒハツモドキ、生姜、紅茶、月桃リーフ、レモングラス、コリアンダーシード、イエルバブエナ(ミント)

ボタニカル:左から、シークヮーサーリーフ、ジュニパーベリー、西表島パイン(ピーチパイン)ピール、ヒハツモドキ、生姜、紅茶、月桃リーフ、レモングラス、コリアンダーシード、イエルバブエナ(ミント)

その結果たどり着いたのが、ベーススピリッツを自社開発のさくら酵母を用いて醸した泡盛とし、10種類のボタニカルを5つのグループに分け、抽出条件、蒸留条件を変えながら蒸留し、それぞれをブレンドする手法であった。

書くと一文であるが、最終的なブレンドに至るまで、ベーススピリッツの製造も含めて合計6回の蒸留が必要な、極めて手間ひまかかるまさに”クラフト”ジンにふさわしい魂の入れようである。

2018_03-17_new-product-launch_craft-jin_mizuho-shuzo06挙句の果てに、瑞穂酒造の職員が自ら本部町に出向き、さくらの花から酵母を分離している状況、名護市勝山でシークヮーサーのリーフなどを選定している写真まで見せられ、正直そこまでやるか?と多少あきれてしまうほどのこだわりようである。

加えて驚かされたのが、開発の過程で多くのクラフトジンのキーマンと言われる販売者や製造者、外食店店主に会い意見交換をおこない、世界基準でジンの開発をすすめたこと。

その完成度の高さは、筆者が評するより「バーテンダー界の世界的カリスマ、フィリップ・ダフ氏が絶賛し名前を付けたいと申し出た」というエピソードを紹介した方が、その筋の方は理解しやすいであろう。

2018_03-17_new-product-launch_craft-jin_mizuho-shuzo07ここまでこだわれば、当然のごとくボトルも全て手造りの沖縄県産の琉球ガラス。バーライトがボトルの中でゆらゆらと乱反射して、沖縄の海や太陽、癒しや情熱を見事に表現したものとなった。

個人的な希望ではあるが、250本限定で発売される今回のクラフトジン「Fresh MIZUHO」と「Tropical MIZUHO」は、ぜひ、ジンに一家言お持ちの方に飲んでいただきたい。ジンに詳しければ詳しいほど、沖縄で世界照準のクラフトジンが製造されていること、そして同時に泡盛のもつポテンシャルの高さをお感じいただけることであろう。

(二代目預)
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