欧米向け販路拡大チームを結成(Blue-ship沖縄・久米島の久米仙・忠孝酒造・瑞泉酒造)

   

コンサルティング会社Blue-ship沖縄(那覇市、慶松大海社長)と、久米島の久米仙(久米島町、島袋正也社長)、忠孝酒造(豊見城市、大城勤社長)、瑞泉酒造(那覇市、佐久本学社長)は、沖縄総合事務局の沖縄国際ハブクラスター事業を活用し、欧米での琉球泡盛の販路拡大を目的としたブランディング、市場調査を開始した。

同事業には、欧米の酒類市場に精通した米国、フランス、アイスランド出身の専門家5人がプロジェクトチームとして参加、3年後を目途に、ハードリカーとしての琉球泡盛の欧米での市場展開を模索する。

前列左から、瑞泉酒造の佐久本学社長、久米島の久米仙の島袋正也社長、忠孝酒造の大城勤社長、ブールシップ沖縄の慶松大海社長、ナタリー・ソコロフプロジェクトマネージャー

前列左から、瑞泉酒造の佐久本学社長、久米島の久米仙の島袋正也社長、忠孝酒造の大城勤社長、ブールシップ沖縄の慶松大海社長、ナタリー・ソコロフプロジェクトマネージャー

Blue-ship沖縄の慶松社長は「場所か変われば、人も変わる。相手の立場に立った考え方(マーケットイン)で泡盛のイメージを組み立てることが重要である。そのため、欧米でウォッカ、ジン、テキーラなどのハードリカーのプロモーションに実績があり、アメリカ、パリ、アイスランドを活動拠点とするナタリー・ソコロフ氏のチームと手を組んで、全く新しい視点から、プロジェクトを組み立てた。具体的な話はこれからであるが、イメージとしては、チームの活動拠点である米国、フランス、アイスランドのいずれかで、テストマーケティングに適した地域を選定し、約1年間かけて大まかな方向性を決める。その後さらに半年でボトルイメージ、ラベルの打ち出し方等の詳細を深めて、テストマーケティングとして様々に手法を変えながらバーや店頭に打ち出していく。その結果に基づき、2年後には、さらに動向を見ながらブランディングを精査しつつ、アメリカ、ヨーロッパの主要都市に進出したい」との展開イメージを語った。

参加酒造所を代表し、忠孝酒造の大城社長は「日本酒や焼酎も海外に進出しているが、それらは主に和食系の日本食レストランで食中酒として飲まれている。琉球泡盛は彼らの目指す市場とは違い、ハードリカーとしてウォッカ、ウイスキー、ラム、テキーラなどの市場にぶつけていきたい。琉球泡盛は、他のハードリカーに比べ、歴史が古く、独自の黒麹文化もあり、これら市場で展開できる可能性がある。また、琉球泡盛がほとんど流通していない欧米諸国では、琉球泡盛に対する先入観が一切なく、全くゼロから新たなイメージ作りが可能。どのようにすれば欧米の人が琉球泡盛を受け入れてくれるのか、欧米人を中心としたチームにより、ネーミングやボトリング、流通の在り方、見せ方等を検討することには大きな価値がある。アメリカ市場で火が付けば、東京市場やアジア市場にも火が付く可能性がある。未開の市場は大きい」とその期待を語った。
2017_01-12_formation-of-sales-channel-expansion-team-for-europe-and-north-america02プロジェクトマネージャーのナタリー・ソコロフ氏は「まずは文化、歴史、造り手の思いを理解することが重要である。泡盛メーカー3社を視察して、この業界の創造性とチャレンジ精神に感心している。どのように展開していくかは、互いの相互理解を深めながら、発見の精神を持って、自身の視点で判断することを基本とするが、チームとも協調しながらしっかり進めていきたい。第一印象としては、新酒と古酒の味の違いに驚いた。18年古酒と25年古酒を飲んだが、現在市場にあるスピリッツ、ハードリカーのどれとも比べられない。無色透明という点で近いのはウォッカであるが、滑らかさでは比べ物にならない。”本物”という印象を受けた」と琉球泡盛の古酒が強みになる可能性があることを指摘した。
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