【農林省】現状通り輸入酒造用原料砕米認めるか(昭和47年9月15日)
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[公開・発行日] 1972/09/15
[ 最終更新日 ] 2016/08/03 - 読む
酒造用原料米は現状通り輸入砕米を認めるか、本土古々米を使用させられるのか、泡盛業界にとっては復帰以前からこの問題を重視し、あくまでも現状通り輸入砕米使用を認めるよう国税庁、食糧庁や関連省庁にも、連日陳情、又関係省庁も実態把握に調査団を再三派遣し、古々米3トンによる現地試験蒸留までして本腰を入れてきた。
いっぽう、その原料米の窓口も琉酒連の依託販売業者琉球泡盛産業KK始め、沖食、第一食糧と一般食糧米を扱っている業者の三つ巴戦を演じてきているが、食糧庁の考え方では、今後実需者つまり実際の需要者に窓口をしぼる方針のようだ。
また、原料用米についても既に農林省沖縄食糧事務所では、国税庁沖縄事務所(屋部博所長)とも話し合いを重ね、現状通り輸入砕米を認めるよう本庁に公文で提出ずみであり、近く回答が寄せられようが、輸入砕米か認められるのはほぼ間違いないであろう。
取扱は実需者へ
各社の輸入砕米在庫数量は、各1,000トン足らずで、今年いっぱい分と見られており、食糧庁の方針がつかめず迷っているのが現状のようだ。
いずれにしても、農林省の考え方は、本土業界のような実需者主義で望む方針であり、窓口を一本に絞ること自体が業界の足並みも揃うものとみている。
塘隆農林省沖縄食糧事務所長の話
本土の米で造った酒と輸入砕米のそれとでは風味が違うし、現地国税庁沖縄事務所ともよく話し合い、輸入砕米を使用させるよう、以前既に本庁へ公文要請したところです。
現在本庁で検討中であり、結論は大蔵省ともよく相談して、できるだけ早めに来るよう云っております。11月では時期が遅すぎますし。
古々米ではまた設備投資に金がかかり、零細業界では無理だと考えている。
輸入窓口について
本土では実需者つまり実際の需要者に取扱免許を与えており、琉酒連だけに与えていきたい。制度が変わったわけだから、そこは知って貰わないと困ります。酒造業者以外の業者が酒の原料を扱っている自体おかしい。指定業者はこれまであまり力が強すぎたのではないでしょうか。
しかし、国もこれまでの制度を全面的に認め協力しようと云っているのに、業界がいがみ合っていたんではいかん。大きな基盤のうえでの争いであればよいが、自分の小さな基盤のうえではだめだ。