逸材探訪 ~鑑定官が若き経営者に聞く~(池原酒造編)

  • [公開・発行日] 2018/06/06
    [ 最終更新日 ] 2019/01/29
   

小濱:規模的に、造る量が限界に近い中なので、工夫も必要ですね。

池原:そうですね、どうにかして、もっとブランドを大切しながら売っていきたいですね。

小濱:そもそも白百合という銘柄名は、どういう背景からついたのですか?

池原:先代から聞いた話ですが、ここから少し南へ行った辺は、今では住宅街になっていますが、昔は野原でユリの花がいっぱい咲いていたそうなんです。

そのころ八重山高校の生徒が、泡盛のラベルをデザインして持ってきてくれて、最初は銘柄が“池原の酒”だったらしいのですが、先代がデザインにも合わせて白百合にしたと。

2018_look-for-outstanding-talent_vol8_ikehara-shuzo09小濱:なるほど、近くのユリの風景にちなんで名づけられたのですね。

池原:でも、白百合の名前には似合わない味だなってよく言われます(笑)。

小濱:やさしそうな銘柄の割りには味にインパクトがある(笑)。

池原:力強さといえば、うちには赤馬という銘柄もあります。

小濱:こちらは白百合とは対照的に力強い馬の絵がデザインされていますね。

池原:こちらは石垣島の宮良地区に伝わる赤馬伝説から名前をいただいています。

小濱:宮良地区といえば、仲間酒造さんや請福酒造さんがあるあたりですね。

池原:そうです。もともと私の祖父は、仲間酒造の末っ子で、あちらが出身なんですね。で、その宮良地区には赤馬伝説というのがありまして。琉球王府の時代ですが、宮良地区には赤い大型の駿馬がいて、王府にもその話が伝わり献上することになったそうなんです。ところが、その馬が那覇につくと、なぜか誰にもなつかず、暴れ馬になってしまって、結局宮良地区へ送り返されたそうなんです。

小濱:「これ、いらない」ってなったんでしょうね。

池原:それで宮良地区の人たちは、赤馬が送り返されたのを喜んで、赤馬節という唄をつくって、今でも結婚式などの祝いの席で歌われているんですよ。

2018_look-for-outstanding-talent_vol8_ikehara-shuzo10小濱:”赤馬”にはめでたい意味があるんですね。でも、那覇に行って大暴れしたという意味では、ある意味、インパクトがある酒質に合っているかもしれませんね。

池原:そうなんですよ、首里の方にいったら全然使い物にならなかったと(笑)

小濱:水が合わなかったんでしょうね。

池原:宮良地区には赤馬の大きな像がありますので、空港に向かう途中でぜひ見てみてください。

小濱:ここからは少し話にくい内容になるかもしれませんが、業界全体に望むこと、もっとこうすべきだとか、ご意見があればお話しください。

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