平成30年1月21日(日)やんばる食×文化発信イベント実行委員会(田中博実行委員長)は、宜野座村文化センターがらまんホール(宜野座村)にて、泡盛イベント「やんばる泡盛大集合」を開催した。
泡盛の試飲即売会をはじめ、香りから泡盛の銘柄を当てるクイズ、複数の蔵元によるトークセッションなどを多くの参加者が楽しんだ。
イベント実行委員会は、沖縄工業高等専門学校の教授を中心とした有志により組織され、やんばるの食にまつわる文化や歴史を、楽しみながら地域の人々とともに学ぶことをテーマとしている。
崎山酒造廠、津嘉山酒造所、山川酒造、金武酒造、ヘリオス酒造の五つの蔵が参加したトークセッションでは、各蔵の代表が、自社の泡盛への想いや歴史などを熱く語った。ゲストとして、泡盛専門バー泡盛倉庫(那覇市)の比嘉康二氏が参加。比嘉氏は会場となった宜野座村出身で、同村出身の金武酒造の奥間尚利常務とは子供のころに同じ学習塾に通っていたり、一緒に野球をしていたなどローカルな話題も披露した。
「すべての家庭の床の間に古酒甕を」と題して講演した山原島酒之会顧問の島袋正敏氏は、かつては沖縄に200年、300年物の仕次古酒の文化があり、それらの飲み方、飲ませ方にも作法があった。まずはそれら古酒文化を復元させることを目的として活動している。泡盛には600年の歴史があり、焼酎の源流であるという特徴もあるが、最大の特異性は古酒にある。沖縄県は年々観光客が増えているにもかかわらず、泡盛の消費量は減っている。それは、販売戦略に問題があり、古酒にこそ軸足を戻すべきであると説いた。
さらに今後の課題として、泡盛を取り扱う飲食店従業員の教育、提供方法の工夫、ラベルのデザイン性、飲食店での独自の古酒造りなどを指摘。
かつて、自身が飲食店で働いていた時に実際に体験した、創業当時のオリオンビールの社長の営業方法などの例を出しながら、営業姿勢についても検討余地があることを示唆した。
蒸留酒において、世界で唯一の品質管理法である仕次ぎの実践方法についても、詳しく説明した。
イベント実行委員長である田中博氏は、初めてのイベント開催で手探りのところも多かったが、やんばるに残る様々な文化の継承、発展のために、今後も様々な活動をしていきたいと次回開催への意欲を見せた。