平成29年度泡盛鑑評会、沖縄県知事賞、沖縄国税事務所長賞表彰!(沖縄国税事務所・沖縄県)
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[公開・発行日] 2017/11/21
[ 最終更新日 ] 2018/11/15 - 鑑評会
平成29年11月1日(水)ANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー白鳳の間(那覇市泉崎)にて平成29年度泡盛鑑評会表彰式が開催され、品質優秀と認められた古酒を出品した泡盛製造場及び製造責任者に対し沖縄国税事務所長及び沖縄県知事が賞状を授与した。
泡盛鑑評会は、沖縄県の伝統的銘酒“泡盛”の品質評価を通じて、酒造技術の進歩・発展を促すために年に一度、沖縄国税事務所、沖縄県の共催により開かれている。復帰の年(1972年)からスタートし、今年で45回目を迎えた。
本年は、9月27日(水)及び29日(金)に、税務大学校沖縄研修支所(浦添市宮城)及び北那覇税務署において泡盛に造詣の深い品質評価員による厳正なるきき酒(官能評価)による審査が行われた。
本年度の出品状況は、古酒の部が41場69点、一般酒の部が36場52点の合計44場120点となった。前年度に比べて1場1点増。
沖縄国税事務所長賞(16場)及び沖縄県知事賞受賞(5場)を受賞した製造場及び銘柄は次の通り。
沖縄国税事務所長賞
製造場名 | 製造場代表者 | 製造責任者 | 銘柄 |
---|---|---|---|
上原酒造株式会社 | 上原 長榮 | 上原 弘嗣 | 神泉 |
神谷酒造所 | 神谷 正彦 | 神谷 雅樹 | 四年古酒 南光 |
忠孝酒造株式会社 | 大城 務 | 普久原 毅伸 | 古酒忠孝 |
まさひろ酒造株式会社 | 新城 満 | 鈴木 一人 | 蔵出しまさひろ |
宮里酒造所 | 宮里 徹 | 手登根 真也 | 春雨 |
株式会社多良川 | 砂川 拓也 | 伊計 恵蔵 | 久遠 |
株式会社宮の華 | 下地 さおり | 下地 洋子 | 華翁 |
請福酒造有限会社 | 漢那 憲隆 | 高橋 満美登 | 請福ビンテージ |
株式会社石川酒造場 | 仲松 政治 | 上間 長亮 | 玉友甕仕込秘蔵古酒 |
株式会社久米島の久米仙 | 島袋 正也 | 島袋 淳也 | 久米島の久米仙8年古酒43度 |
瑞泉酒造株式会社 | 佐久本 学 | 仲栄真 兼昌 | 瑞泉古酒 |
合資会社津嘉山酒造所 | 瑞慶村 實 | 幸喜 行有 | 國華 |
崎山酒造廠 | 崎山 和章 | 山里 文男 | 松藤9年古酒 |
有限会社今帰仁酒造 | 大城 洋介 | 兼次 勝 | 千年の響 かめ貯蔵七年古酒 |
ヘリオス酒造株式会社 | 松田 亮 | 照喜名 重智 | くら |
やんばる酒造株式会社 (旧、合名会社田嘉里酒造所) |
池原 弘昭 | 知念 直 | 10年古酒 山原くいな43度 |
沖縄県知事賞
製造場名 | 製造場代表者 | 製造責任者 | 銘柄 |
---|---|---|---|
上原酒造株式会社 | 上原 長榮 | 上原 弘嗣 | 神泉 |
忠孝酒造株式会社 | 大城 務 | 普久原 毅伸 | 古酒忠孝 |
まさひろ酒造株式会社 | 新城 満 | 鈴木 一人 | 蔵出しまさひろ |
瑞泉酒造株式会社 | 佐久本 学 | 仲栄真 兼昌 | 瑞泉古酒 |
有限会社今帰仁酒造 | 大城 洋介 | 兼次 勝 | 千年の響 かめ貯蔵七年古酒 |
平成29年度の泡盛鑑評会について、沖縄国税事務所の小濱元主任鑑定官は次のように審査報告を行った。
平成29年度泡盛鑑評会表彰式審査報告(小濱元主任鑑定官)
平成29年度泡盛鑑評会の表彰式に当たり、審査の概要をご報告申し上げます。
泡盛鑑評会出品酒の品質評価は、去る9月27日、29日の 2日間、税務大学校沖縄研修支所及び北那覇税務署において実施しました。
品質評価は、国立大学法人琉球大学、鹿児島県工業技術センター、泡盛製造者、流通関係者、独立行政法人酒類総合研究所、国税局、沖縄国税事務所鑑定官、沖縄県工業技術センター研究員など、合計26名で行いました。
本年度は、古酒の部に41場から69点、一般酒の部に36場から52点、全体で45製造場から121点の出品がありました。全体の出品場数は昨年度と比べて1場増加し、出品点数も1点の増加となりました。
品質評価の方法は、香り、味、総合品質を5点法で採点するとともに、品質設計や製造工程の改善に活用できるよう、香りと味のそれぞれについて細かい評価項目を設けたプロファイル法で行いました。
なお、古酒については、泡盛を代表して表彰するにふさわしい品格を有するものを選定するため、一次評価の総合品質の評価が上位のものについて、日を改めて、二次評価を行いました。
また、品質評価員に対しては、ふさわしい品格を有するものを選定することはもとより、「泡盛が有している個性」、「古酒香」及び「味のなめらかさ」について、より積極的に評価するようお願いしました。
その結果に基づき、特に品質優秀なクースを出品された16製造場を沖縄国税事務所長賞、5製造場を沖縄県知事賞に選定しました。
続きまして、本年の出品酒の品質について、品質評価員の講評を取りまとめたところをご報告申し上げます。
古酒については、バニラ香、カラメル様やキノコ様の香りが調和したものや香りは穏やかだが、オイリーで口当たりのなめらかなものもあり、全体としてここ数年の努力が実り、業界の製造技術の向上が感じられるレベルの高い出品酒が数多く見られました。
一般酒については、「泡盛フレーバーホイール」を活用して尺度評価を実施いたしました。その結果は、製造技術研究会を含め、レーダーチャートの形で泡盛製造者の皆様にお返ししますので、今後の自社の商品開発や他社との酒質の比較等に活用していただけるようお願いします。
審査結果は以上のとおりですが、消費者の要求を十分満足させうる、高い品質の泡盛が多数を占めていました。
今回、古酒の部において入賞を果たされました製造場の皆様には、心よりお喜びを申し上げます。
入賞を逸した製造場につきましても、その品質の差は僅差で、大いに評価されるべきものでありました。古酒の部において入賞されていない製造場の中には、一般酒の部において、個性的な酒質のものがありましたことを付言しておきます。
さて、泡盛鑑評会は製造技術基盤の確保・強化のため実施しています。製造者の皆様には、明日の製造技術研究会において全ての出品酒を公開しますので、各社の技術を確認していただき、今後の技術・技能の一層の向上の参考として、国内外の消費者から高い支持を得られる製品の製造・販売につなげていただけるようお願い申し上げます。
泡盛は黒麹菌を使用し、原料である米を全て麹にし、単式蒸留により得られた原酒を貯蔵・熟成させることを基本とする固有の製造方法をもった、世界に誇る沖縄県の銘酒です。
沖縄県の文化及び産業を代表する泡盛が、国内はもとより広く海外においても愛飲され、今後ともますます成長・発展することを祈念いたしまして、 査報告とさせていただきます。
平成29年11月1日
沖縄国税事務所主任鑑定官
小濱 元