さらに「樽リキュール キーストンゴールド 35度」。見た目がウィスキーそっくり。泡盛には酒税法により度数や色の規定があり、45度を超えた場合はスピリッツや原料用アルコールとなる。色についてもウィスキーのような濃い琥珀色だと泡盛としては販売できないため通常は、樽貯蔵の期間を短くしたり、古酒をブレンドすることで色の調整をしている。
もし、ウィスキー色まで濃くしたい場合は、制度上、糖分やエキス分を加えてリキュールとして販売することになる。「樽リキュール キーストンゴールド」はこのように厳選された7年以上樽熟成貯蔵した泡盛原酒をブレンドし、オリゴ糖と食物繊維を加えてリキュールに仕上ている。甘い飲み口は35度とは思えない軽さがあり、飲んだあとの余韻に熟成した古酒の風味と樽の甘い香りが感じられる。ウィスキーに比べて香りが良くてクセもなく、ブワッとくる揮発感もないので、ストレートでグイグイいけそうな味わいだ。
続いて「十年古酒 五頭馬(ごとうま) 43度」。10年以上寝かせた熟成古酒に長期熟成した樽貯蔵原酒ををブレンドした逸品。10年以上寝かせた古酒ならではの芳醇な香りと、樽貯蔵の甘い華やかな香りが絶妙なバランスでマッチ。コクと深みのある味わいが口いっぱいに広がり、ノドの奥から鼻腔に樽の華やかな香りと古酒香が余韻として広がっていく。
試飲を重ねるうちに気分が良くなてきた。さあ、どんどん試飲(い)ってみよう。次は数量限定「八年古酒 黄金まさひろ 30度」。8年以上じっくり寝かせた熟成古酒だけを使用した人気の限定古酒。まろやかで甘い香りと味わいで、30度だがそのままで何杯でも飲めそう。
続いて「古酒まさひろゴールド 43度」。微かに穀物の香りと華やかで甘い香りがある厚みのある味わいだけどスッキリし、ノドの奥に甘みが感じられる余韻。43度だけに古酒本来の力強い旨さもある。
次、「古酒まさひろ黒ラベル 35度」。この黒ラベルは華やかな香りとしっかりとした古酒の旨みとのバランスでロングセラーの人気商品という。ボクはいろいろまさひろ酒造のお酒を飲んできたけど、実をいうと黒ラベルを初めて経験。味は古酒らしい香りと35度とは思えない軽やかさだが、今までに何故か黒ラベルを飲む機会がなかったのを不思議に思った。
そして今回、いろいろ試飲した中で目玉というかメインの泡盛だと思ったのが、数量限定「十二年古酒 蔵出しまさひろ 30度」。泡盛ファンにはお馴染みの、発酵学の権威・故坂口謹一郎東京大学名誉教授が昭和初期に、県内の酒造所から採取し、保存されていた黒麹菌を使った泡盛。今日試飲してきた泡盛と全く違う味わいに驚いた。黒麹菌の香りがいい感じでもろみ香が強く、12年も寝かせているので飲み口は軽いのにコクとキレがあり、余韻が華やかに感じる。1杯の試飲ではわからないので、その後、2杯も試飲した。
最後に新商品として「海人プレミアム 30度」を紹介されたので試飲してみる。清酒酵母を使い減圧蒸留ということなので、フルーティーな吟醸香があり、味はスッキリとした軽い飲み口。飲みやすいのでビンごと冷やしてロックやストレートで香りを楽しみたい、万人ウケまちがいなしの泡盛である。「海人プレミアム」で最後と思ったら気になるお酒を見つけた。「天恵のしずく 35度」。泡盛ではなく県産山芋を使い、東京農大と技術開発した山芋焼酎である。黒麹菌を使っていて、マイルドな口当たりでサツマイモとはまた一味違う風味豊かな味わいだ。
少しずつ試飲していたにもかかわらず、なんだかすっかり気持ちよくなってきた。でも、まつりはこれからが本番なので本会場へ向かう。今回はAWAHURIグラスを500円で購入すると、「海人プレミアム30度」と「8年古酒黄金まさひろ30度」、「まさひろラウンジ30度」「まさひろ梅酒12度」が飲み放題。なので、早速、グラスを2個購入。息子の分も払って「まさひろ梅酒」から順に飲むことにした。
グラスを手に席も確保し、ついでに「焼き鳥」「ピリ辛ソーセージ」つまみも購入。ステージではエイサーや長渕剛のモノまねライブ、しゃかりのチアキさんのライブなどが行われた。仕事を忘れ飲んで食べてステージを楽しんでいたら、泡盛の女王の阿波根さんがあいさつに来てくれた。
先週、瑞穂酒造の「天龍蔵まつり」で会ったばかりなので「お疲れ様です。今日もご苦労様ですね」というと。「いつもありがとうございます。実は女王としては今日と明日が最後の仕事なんです」というので、大人としてちゃんと仕事をしなければと思い、泡盛の女王になって良かったことや今後の抱負などインタビューした。
――1年間、泡盛の女王をやった感想を教えてください。
「ホントに楽しかったです。県外の仕事が多かったのですが、泡盛を飲んだことがないという方が多く、その度におすすめると『あ、泡盛って美味しいんだね』といわれると、嬉しくなりましした。泡盛を手にとって飲んでもらうのが私たちの役目ですから」
――飲まないうちに泡盛のイメージが付いているところがありますからね。
「そうなんです。でも、泡盛はいろいろな種類があるので、どういったお酒を普段飲んでいるのか、辛口が好きなのか甘口がいいのかを聞いて、お客様に合った泡盛をおすすめすることで、喜んでもらえるんです」(次ページへつづく)