泡盛女子による女子のための泡盛女子会(座談会)開催!
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[公開・発行日] 2016/12/13
[ 最終更新日 ] 2017/01/12 - 読む
山川:山川酒造の山川と申します、よろしくお願いします。私は去年まで大分県の焼酎蔵で働いていて、今年沖縄に帰って来たばかりなので、部署がまだ正式には決まっていないんですが、今後は製造の方をやって行こうと思っています。
実家が造り酒屋(山川酒造)ということで、幼稚園生くらいから工場のお手伝いをしていました。その頃から、幼稚園生なのに醪室の匂いを嗅いで「いいにおい」と言っていたようで、当時を知っている方全員から「変わってたよ」と未だに言われるんです。おそらく、この業界に入った、最初のきっかけがそこで、進路を決めるときに両親とも話した結果、お酒を造ることに興味があるから農大の醸造学科に入ってみようということになりました。
小さい頃から醪の中の状態とかを見るのが好きだったんですが、大学に入ったら、自分で造る作業もやっぱり面白いなと感じるようになって、本格的にこの道を進んでみよう、と決めて今に至ります。
山川酒造は『古酒のやまかわ』と言われています。泡盛は10年、20年の時間を経ると、香りが甘くなってきて、味もすごく良くなるんです。それが泡盛の醍醐味というか、他の焼酎では出せないところなので、みなさんにぜひ古酒の良さを伝えていけたらいいなと思っています。
小林:まさひろ酒造の小林と申します。部署は製造部に所属してはいるんですが、お酒を造っている訳ではなくて、パートさんの指導や資材の管理、充填の時にホースを繋ぐ仕事などをしています。
もともとは県外で就職活動をしていたんですが、そのころ東日本大震災が起こりまして、沖縄で就職活動をすると決めました。ちょうどその時、地元の酒造所で説明会をやっていたので軽い気持ちで参加しんですが「泡盛っておもしろそうだな」と思って、最終的にまさひろ酒造で内定をいただきまして入社しました。
泡盛業界が厳しいという言葉を最近良く聞くんですが、新しい飲み方や楽しみ方を発見して提案していって、若い世代もふくめて幅広い世代に飲まれるような泡盛を発信して行きたいと思っています。
津波:崎山酒造廠の製造部で働いている津波と申します。まだ蒸留までは経験はしていないんですが、米の蒸しと醪の攪拌など、泡盛造りに携わらせていただいています。
もともと小さな頃から、調理師やお菓子を作る人など食品を加工する職業に興味がありました。高校生の時に津嘉山酒造に見学に行く機会がありまして、津嘉山酒造の工場内の泡盛ラベルに甕の番号が入っていて「それは何ですか?」と聞いた時に丁寧に説明してもらい、「あ、そんな違いがあるんだ!」と驚いたことがずっと印象に残っていました。ですから、進路も、大好きな食品製造業の中でも泡盛造りを勉強できる東京農業大学の短大の醸造学科に行くことに決め、さらにそこでも泡盛が好きだなと再確認しました。就職に際しては、崎山酒造廠の社長が、私が所属していた研究室出身だったという縁もあって、大学の先生のお力添えもあり崎山酒造廠で働かせていただいています。
沖縄に帰って来て同級生とお酒を飲む機会があっても、ハンドルキーパーだからとか、別にお酒はいいやと言って、飲まない子も多いんです。普段あまり飲まない子に、私が飲んでいる泡盛を薦めると「あ、美味しいね」って言ってもらえるんですけど、まず飲む選択肢の中に自然に泡盛が入るためにはどうすればいいのか? 飲んでみようと思ってもらうにはどうしたらいいのか? という疑問を普段から持っていて、そういう点を今後改善できたらいいなと思っています。
玉那覇:瑞穂酒造に勤めています、玉那覇と申します。私は、父が泡盛の製造をしていたことがこの業界に入るきっかけです。今、工場は首里の末吉にありますが、実際に住んでいた所は鳥堀という咲元酒造さんに近い所で、工場と繋がった自宅では瓶詰めをしていました。
お手伝いができる歳になった時に、ラベル張りとかのアルバイトをしていましたね。もともとは泡盛を含めたお酒全般が、飲むと蕁麻疹が出るくらいダメな体質っていうのもあって、自分はお酒は飲めないんだろうって感覚がずっとあったんです。海外留学から帰国して友人と久々に会ったときに、泡盛を半ば強制的に飲めと言われて飲んだんですが、意外にすいすいといけまして。その時は何気に飲んでいて、後日わかったことが、たまたまその時のお酒が瑞穂酒造のお酒だったんですね。これは何かの思し召しかなと思いました。そこからは、いろんなメーカーさんのお酒に興味を持ちはじめ、それでメーカーに入ってみたいなと考えるようになりました。
最初は、造り手ではなく事務員として入社しました。2年くらいした後に、女性にも泡盛が興味を持たれ始める時期が来まして、少しずつですが女性として何か展開できないかなということで、企画や営業の方を希望したんですね。やってみようということで、入らせていただいて。始めは企画が主で、どちらかというと見栄え的なことやラベルのデザイン、飲み方の提案とかそういったことを中心に携わらせていただきました。あとは、スーパーなどに並んでいる商品でほこりを被っているものとかもあったので、それを拭いたりなど地道に裏方的な仕事をやって来たんです。それから、県外のイベントにも出店するようになったので、現在では商品開発も含めながら仕事をしております。
今まさに女性をターゲットにした商品が増えていて、これだけ泡盛製造業に女性が増えてきたので、もっと幅広い製品化を望めるのではないかと思っていますし、お互いの力をヒントにしていきたいなと思っています。今、県外に行くと蒸留酒をロックで飲む方もけっこう多いと思うんですね。沖縄から出張で県外に出た時に、女性でもロックで飲む方がいるのが正直衝撃でした。沖縄の女性よりたくましく感じて、それもありなんだなと思うと、泡盛ももっとロックで薦められるような度数を作っても良いでしょうし、酒器の部分で楽しみながらというのもありだと思います。もっと楽しくしたいなと、飲み方をいろいろ考えている最中です。