すべての家庭の床の間に古酒甕を!泡盛シンポジウムin名護・山原開催!

   

平成28年12月4日(日)、山原島酒之会(崎浜清会長)は名護市民会館で「泡盛シンポジウムin名護・山原」を開催した。会場には約300名の泡盛愛好家や泡盛生販関係者が集まり、泡盛にまつわる現状と課題、その解決法についてのパネリストによる討論に耳を傾けた。
2016_12-4_awamori-symposium-in-nago01基調講演においては、沖縄県酒造組合玉那覇美佐子会長が「泡盛産業の現状と課題」と題して講演。泡盛業界の厳しい現状を説明するとともに、泡盛は離島を含む地域産業の担い手であり、また、文化的にも衰退させてはならない沖縄の宝物であると強調。一方で業界が社会の変化に対応できていない一面もあることを反省しながら、泡盛カクテルなどの普及などの新たな試みに取り組んでいることを報告した。
2016_12-4_awamori-symposium-in-nago02基調講演を受けて行われたパネルディスカッションにおいては、飲食店経営者の立場から満名匠吾氏が、消費者がお金を払うのは、酒に対してだけではない、文化的な背景、酒器、飲み方、ロマンさまざまなものに対してである、泡盛販売が不振なのは、過去のブームの時に、業界がブームに乗ることで本質に向き合わなくなったからではないかと指摘。家庭での甕古酒造りの普及など本質に立ち返った活動が100年後の泡盛を活かす道だと提言した。

2013年度の泡盛の女王国吉真理さんは、若者が泡盛を飲まない理由として、(おいしい)古酒を置いている飲食店が少ないことや、メニューに説明が少ないことを問題視。例えば、メニューで飲みやすい例として泡盛のハイボール(炭酸割)などが提示されていれば、もっと飲み手の幅が広がるのではないかと提案した。
2016_12-4_awamori-symposium-in-nago03名護市喜瀬で、リゾートホテル(サンコーストホテル)を経営する蔵根尚美社長は、泡盛を通して琉球文化を伝えることに力を入れているが、修学旅行の受け入れなどでは、酒の展示自体に学校関係者の理解が得られにくかったり、外国人観光客のニーズとしては、梅酒などのリキュール類が多いことなどの実情を報告。

ピアニストで泡盛マイスターの照屋充子氏は、飲み手が、今、酔いたいのか、料理を楽しむためにお酒を飲みたいのかなど、飲み手の状況に応じた泡盛の提案の大切さを訴えた。また、カクテルベースとしての泡盛の過度な普及に対しても警鐘をならした。泡盛は古酒、新種ともにバラエティに富んだ味わいがある、まずはそれらの楽しみ方を教えることが重要であると唱えた。

2016_12-4_awamori-symposium-in-nago04琉球泡盛倶楽部副会長で琉球文化、泡盛文化に造詣が深い内間司氏は、飲みやすさを追求するあまり、米由来の油分を過度に濾過して、度数も低めにしがちな昨今の業界の動きに対し、初心者の入り口としてはいいとしても、泡盛の本筋で醍醐味である熟成の観点からは間違った方向であると指摘。瓶での熟成にも限界があり、泡盛復権のためには、泡盛本来の姿である、仕次ぎを含めた甕貯蔵が大切であり、そのためには、無濾過に近く(オイリーで)、アルコール度数の高い泡盛の製造が欠かせないと提案した。

沖縄県酒造組合の玉那覇美佐子会長は、様々なニーズに答えるべく業界として精進していること、また、琉球の歴史、沖縄県の歴史は泡盛と共に歩んでおり、文化、経済の担い手として業界として一層努力することを誓った。

コーディネーター島袋正敏氏

コーディネーター島袋正敏氏

山原島酒之会顧問の島袋正敏氏は、文化的側面からだけでなく、泡盛出荷量の観点からも、各家庭で古酒甕を持ち、仕次ぎによる古酒化の技法を啓蒙、継承することの有効性を説いた。

その他、詰め口年月日の表示の廃止が消費者の利益にならないこと、泡盛鑑評会での一般酒部門の創設の必要性、各泡盛同好会の在り方、泡盛マイスターの在り方、瓶のキャップの耐久性など多岐にわたり議論が繰り広げられた。

 

今回のシンポジウム詳細は、後日、山原島酒之会が報告書として取りまとめる予定となっている。

熱い討論の後は、パネラー、参加者そろって山原のおいしい泡盛と料理を囲み交流を深めた。

(二代目預)

挨拶を行う崎浜清山原島酒之会会長

挨拶を行う崎浜清山原島酒之会会長

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