琉球泡盛倶楽部、古酒の日(9月4日)に料亭那覇にて泡盛古酒を愛でる!

   

泡盛の真髄は古酒にあり(文/嘉手川学)

9月4日は「古酒(クース)の日」。この日の前後に多くの泡盛愛飲家や古酒を愛おしむ人たちを中心に、県内はもちろん全国のあちらこちらで古酒にまつわるイベントが行われている。ボクも泡盛を愛し続けて数十年。当然「古酒の日」の存在は知っていたけれど、古酒にまつわるイベントにはほとんど足を運ぶことはなかった。が、今回は行ってきました。古酒(クース)の日の当日、琉球泡盛倶楽部(長嶺哲成会長)が開催する「2016年 古酒の宴」へ。会場は伝統的な琉球料理と沖縄の歌と踊りが楽しめる料亭那覇。何だかそれだけで美味しい料理と古酒が期待できる宴に間違いなしである。

この日準備された古酒たち。どれでも飲んでいいよと言われるとテンションが上がった。

この日準備された古酒たち。どれでも飲んでいいよと言われるとテンションが上がった。

宴の開始は夕方5時から。ボクは遅刻しないように早めに家を出て、バスで目的地に向かった。この日は日曜日のためバスはトランジットモールの国際通りを迂回したにもかかわらず、開始時刻の30分前に会場へ着いてしまった。受付を済ませ会場入りするとすでに多くの人が席に着き、何人かの知人がスタッフとして忙しそうに動いていた。顔見知りはいないかと席を探していたら、やまかわ会で知り合ったムッシュ氏がいたので向かいに腰掛けた。

しばらくすると我社の影のドンである強面おじさんと、泡盛ジョーグー女子大生アルバイト社員から企画・マーケティング担当に昇進したお笑いタレント研修生兼泡盛イベント利き酒担当社員のひなの女史が来たので、ムッシュ氏にあいさつして席を移動。二人の前に座ると泡盛イベントには必ず現れる浜ちゃんとその友だちの姉御と呼ばれる女性、このイベントを紹介した儀部さんなどがいた。他にも酒屋の友だちに紹介された某Oビールに勤めながら泡盛好きのH比嘉さん、この宴のために東京から来たというニンベンの入らないナカオさんなど、多くの泡盛ファンが近くに座った。宴が始まる前にうちの影ドンは仕事関係の知人がいる席へ移動したが、時間が迫るにつれて顔見知りが増えていき、会場もいっぱいになっていった。

メインの秘蔵古酒4種。チブグヮーで飲むと旨さがさらに引き立った。

メインの秘蔵古酒4種。チブグヮーで飲むと旨さがさらに引き立った。

会場の中ほどには古酒で作ったウェルカムドリンクをはじめ、泡盛ファンや好事家が持ち込んだという古酒が準備され、それらすべてが飲み放題だった。ずらりと並んで古酒を見にいっていた、我社の泡盛ジョーグー女子大生アルバイト社員兼お笑いタレント研修生兼泡盛イベント利き酒担当のひなの女史はなぜか一人でニヤニヤしてやたら興奮し戻ってきた。そしてボクに「スゴーイ、知らない古酒がたくさんあった。学さんはみんな飲んだことがあるんですか?」と聞く。ボクはまだ並んだ古酒は見てなかったが、いくらボクが暦一周分生きていたからって、そんなに飲めるわけではない。「ボクの若い頃は泡盛よりもウィスキーやバーボンが主流で、学生の頃は、泡盛はオヤジ世代が飲む酒だったよ。ボクが社会人になって今のように泡盛がようやく飲まれるようになったんだよ。その頃は古酒を出すメーカーも少なく、意識したこともなかったよ。ボクは30代になってやっと古酒の味がわかるようになったんだよ」というと、彼女はボクの存在を忘れて「すごーい、どれも美味しい」と、目を輝かせながら古酒の一人きき酒をしていた。「お~い(゚Д゚)ノ、ボクの話を聞いて」というと、不思議そうな顔でボクを見るので、ボクも不思議なものを見るように彼女を見返したのであった。

席に戻ると同時に宴が始まり、泡盛ファンを代表して衆議院議員の比嘉なつみさんが乾杯のあいさつを行う。「あの尚順男爵(1873~1945)が『今から50~60年前に泡盛のことを書いた素晴らしい雑誌があった。それを探したらボクに伝えてくれ』と遺稿集の中に残しました。それを国会図書館で見つけて、その中ので120年ほど前の泡盛の評価がどのようなものであったかという記事を4つほどコピーしました。みなさまのお手元にもあるかと思います。その中でもやはり泡盛は世界に通じる素晴らしい酒だと書かれています。我々を楽しませてくれると同時に沖縄において大事にされている泡盛です。今日は年代物もたくさんあるということです。それでは乾杯させていただきます。皆様と今宵、泡盛をたしなみ、また、泡盛文化を継承、発信していきましょう!カンパーイ!!」(国会図書館で見つかった雑誌記事に関しては別記事にて

それからいくつかの料理が運ばれてきて、その間、琉球泡盛倶楽部の岸本事務局長から本日のメインの秘蔵古酒の説明があった。今回のメインは3種類。常磐40度(伊是名酒造所)の16~17年古酒、琉球43度(新里酒造)20年以上の古酒、紺碧43度(沖縄県酒造協同組合)31年古酒の3つ。そして、泡盛倶楽部から提供された海の邦43度(沖縄県酒造協同組合)23年。各テーブルにはその4種類の古酒が一合瓶に入れられ置かれており、自分でついで飲めるようになっていた。

本日の料理。伝統的な味わいの沖縄料理は、美味しい古酒とよく合っていた。

本日の料理。伝統的な味わいの沖縄料理は、美味しい古酒とよく合っていた。

ボクはさらに4つのチブグヮーを持ってきて、それぞれの古酒を入れて利き酒。今回、古酒が飲み放題だというので喜び勇んでいたのだが、よく考えたら美味しい古酒は水割りやロックで飲むよりも、やはり、生のままで飲んだほうが美味しいと思ったので、チブグヮーでチビリチビリ飲むように心がけた。というのも、根が嫌いじゃないボクはおいしい酒はいくらでも飲みたいという、本能的な欲求が強くついついグビグビといってしまうからだ。

4つの古酒もチブグヮーに入れてスグ10分後、そして20分後、30分後と飲み比べてみたら、たぶん、香りが全然違っていて旨さが際立っていたと思う。なぜ、たぶんと思ったのかといえば、10分、20分と待つ間、ボクは神村や太平、ヤンバルクイナ、与那国、宮乃鶴、琉球、瑞穂、沖之宝といったたくさんの銘柄の古酒をチビリチビリと飲み続けていたのである。そして時折、Oビールに勤めるH比嘉さんがチェイサーとして注いだオリオンビールもグビリと飲みながら…。ボクは旨い料理と一緒に旨い古酒を気をつけながらチビリチビリと杯を重ねていたはずなのだが、チビリチビリがチビリチビリチビリとなり、やがてチビリチビリチビリ、グビリ、チビリチビリチビリと繰り返し、チビリチビリチビリチビリ、グビリグビリ、チビリチビリチビリチビリチビリチビリチビリチビリと際限なく飲み続けてしまい、記憶があやふやとなっていった。なので、あまりよく覚えていないが、30分後に飲んだ4つの古酒からは「白梅かざ(びん付け油の香り)」と「トーフナビーかざ(熟したホウズキの香り)」、「ウーヒージャーかざ(雄山羊の香り)」が感じ取れたこと、古酒も料理もどれも美味しかったのだけはよく覚えている。

どれもコクと深い味わいがあった古酒。それぞれが特徴的な味わいだったが、細かい味のディティールは記録するのを忘れてしまった。

どれもコクと深い味わいがあった古酒。それぞれが特徴的な味わいだったが、細かい味のディティールは記録するのを忘れてしまった。

ちなみに料理は前菜三点盛(ジーマーミ豆腐、豆腐よう、ミヌダル)、マグロの刺身、有頭エビ雲丹焼き、ドゥルワカシー、テビチ煮付け、ドゥル天、ジューシー、アーサ汁などだった。また、食事の間、四ツ竹や空手舞踊などの琉舞や沖縄民謡ショーがあり、古酒と沖縄料理と琉舞などで沖縄文化を満喫したのであった。

琉舞の四ツ竹。上手な人の踊りは魅了するね。

琉舞の四ツ竹。上手な人の踊りは魅了するね。

また、食事の間、四ツ竹や空手舞踊などの琉球舞踊や沖縄民謡ショーがあり、古酒と沖縄料理と琉球舞踊などで沖縄文化を満喫したのであった。

しかし、あれほど注意しながらチビリチビリとやっていたにもかかわらず、宴の終わり頃にボクの酔いはピークに達した。その後、二次会に誘われたけれど、酔って帰ると怖いカァちゃんが、あ、違った、愛しいカァちゃんがボクの帰りを待っているので、バスに乗って自宅に帰ったのであった。

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