縄張り争いは過去のもの~外砕米、復帰後も使用認めよ~ 琉球泡盛産業株式会社 専務 新里肇三(昭和46年1月10日)

  • [公開・発行日] 1971/01/10
    [ 最終更新日 ] 2016/01/31
   

今、全面的な傾向として消費人口の流出がああわけですが、お隣りの鹿児島、1971_1_10_mizuho-syuzou_shinzato-tadamitsu_ambition熊本県あたりをみても消費人口が減っており、したがって焼酎の県外移出に力合入れつつあり、沖縄も復帰後はどうしても県外に出さなければ行きづまると思う。

特に沖縄の場合は過疎化現象は著しくなるであろうし、生産したものを消費させ得ないとなると、誰かが自滅しなければならないだろうし、泡盛業界は是が非でも輸出を伸ばすことが一大眼目といえます。

そのためには共食いするようなことではいけないと思う。一致団結が絶対に必要であり、もうひとつは原料の問題でありますが、勿論泡盛と焼酎とは違うわけですが、復帰になって同値になればどうしても太刀打ちできず、みんなが企業努力をして、どうしても本土のレベルまでもっていくべきだと思います。

それに現在使用している外砕米を復帰後もそのまま使用させるべきで、理由はコスト面、製品のためにも必要であり、そう云う対外的折しようにも業界が一致団結して当らなければならない問題だと考えます。

もう縄張りり争いは過去のものであり、今改めないと悔いを千載に残す結果になるでありましょうし、いろんな内包する諸問題でも解決できるのは団結以外にはあり得ないと思います。

特に今後重要な問題としては容器の問題であり、復帰までには特定容器を使用すべく検討中で、現在はヤドカリ的商いをしているのであり、不正競争防止法にも触れる問題であります。

新しい泡盛独自の容器を使用の場合は、その分の値上げは止むを得ないのではないでしょうか。今2セントの容器が約7セントになった場合、あとの5セントは何でカバーしていくかとなると、算出の仕様が全く無いわけで、おまけに年々上昇していく人件費等にどう対処していくか非常に深刻な問題であります。

愚痴めいた1971年度の抱負になりましたが、しかし琉球泡盛は近年、個々の業者が各々努力研鑽の結果、着実な伸びをみておりますことは、ご愛飲者の皆様のお陰だと探く感謝しており、厚く御礼ぞ申しあげる次第でございます。

並な言葉ではありますが、輝かしい1971年もどうぞ、私達郷里のほとり琉球泡盛をご愛飲下さるようお願いいたします。

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