全国から45社~有名酒がずらり~(昭和44年9月1日)

   

去る6月12日、日本酒類販売KKから琉球泡盛産業KKの浜元総務部長のところに日本万博に「琉球泡盛」出展の件で連絡があり、1969_9_1_jyoukai_japan-world-exposition_officials-greeting更に7月4日には出展メーカー45社が決定し、7月15日午後1時より、新阪神ホテルに於て45社との打ち合せがあると云う便りが届き、浜元氏は14日上阪し、15日午前中は酒信連(日本全国有名酒食品店信用連盟)の案内でバス2台に分乗し会場入りし、泡盛業者らに趣旨説明会が開かれた。

席上、酒信連会長が、遠く南の島沖縄から琉球泡盛が45メーカーの一つに選ばれたことを喜び、是非共、乾杯の音頭を浜元氏にと云うことで、浜元氏が乾杯の音頭をとったと云うエピソードもある。

先ず、出展趣旨をみると、出品料は各メーカー共一率に百万円で前払い、費用は一切で百万円であるが、他に例えば泡盛を販売する為に沖縄衣装をマネキン等に利用するような費用等は別になっている。

展示の場所は1ヶ月毎に遂次変更し、公平を期す。期間中、一般入場者へ小売価格で各メーカーの商品を販売する。展示及び小売商品は各メーカーの特殊容器入りを主体とする。パンフレットは原則として酒信連で作成し、参加45社の商品案内をする帳合は酒信連とし、歩合は次の通りとする。

すなわち、1,500万円までが8%、1,800万円までが9%、2,000万円まで10%となっている。展示場は200坪であるが、我が「琉球泡盛」の出品物は35度もので容器は瀬戸もの540リットル入りセントものとなっており、「琉球泡盛」のレッテルで郷土趣向を豊かにしたもので、価格は1,000円程度(約2$70仙)のもの、全国出品メーカーの銘柄は次の通り。

桃川、爛漫、両関、大平山、花春(以上東北)朝日山、真澄、(甲信越)銀盤、若鶴、福正宗、日栄、萬歳楽、子の日松、千代菊、(北陸中部)月桂冠、黄桜、松竹梅、キンシ正宗、玉乃光(以上伏見)白雪、白鶴、大関、日本盛、沢の鶴、白鹿、菊正宗、富久娘、多聞、忠勇、金露、桜正宗金盃白鷹吉野杉の樽酒、(以上灘)千福、加茂鶴、酔心、一代、(以上中国)司牡丹、土佐鶴、(以上四国)黎明、美少年、八鹿さつま無双(以上九州)、琉球泡盛の計45社。

誇りをもって世界に進出せよ。(糸州主税局長)

1969_9_1_jyoukai_japan-world-exposition_officials-greeting_itosu-government-bureau-of-Taxation-lengthこのたびアジアで初の日本万国博覧会が開催されることになり、沖縄からも多数の出展をみることは誠に喜ばしいことであります。中でも、代表的な沖縄特産物のシンボルとして「あわもり」がこれらの仲間入りしたことは当然のこととは云え喜しい限りであります。

沖縄と云えば「泡盛」。「泡盛」と云えば沖縄と云われる程、戦前戦後をとおして沖縄を象徴している輸出物品でもある。かかる「あわもり」が万博と云う願ってもない桧舞台で世界の名酒と肩を並べて、古来の沖縄泡盛を全世界の人々に見て貰い、風味して貰う絶好のチャンスだと確信致します。

おもいますに、恵まれた風土と独自の製造方法から生み出された泡盛の独特な風味は、他酒に比べ抜群であることはいささかも異議をはさまないものである。戦後の過度期をきり抜け、一時は洋酒、ビール等に押され斜陽産業といわれていた時期を見事に克服し、今日あることはひとえに泡盛業者の研鑽による賜だと深く感謝するものであります。

泡盛の歴史はその製法を中国、朝鮮半島或いは南蛮から教わったと色々の説がありますが、中でもシャム国から直接に入ったのではないかとの説が最も有力視されている。いずれにせよ、沖縄において泡盛が製造されたのは、おそらく尚己志王の時代ではなかろうか。つまり1,400年代とすれば600年前になる。

したがって、泡盛は徳川将軍への献上以来種々の歴史とともに古く、伝統と豊かな風味ある酒として他国では見られない銘柄である。私たちはこの泡盛を沖縄の銘酒としての誇りを持ち、全世界を市場として銘路を広げ発展あらんことを心から願うものである。

消費者の再認識を(佐久本政敦/瑞泉酒造)

1969_9_1_jyoukai_japan-world-exposition_officials-greeting_sakumoto-masaatsu1970年3月の日本万国博覧会は世紀の一大事業であり、全国4,000軒のうち45社が出品し、琉球の泡盛が沖縄の特産物として大きく時代の脚光を浴びることで此の上ない喜びであります。

泡盛は500年の伝統を誇る私達沖縄の銘酒であり、戦前は約3,500石生産の約半分は本土に輸出されていたのであります。我々としては再び琉球泡盛が大きく飛躍する絶好のチャンスだと考えております。

私共業者はこれからも消費者の嗜好と時代にマッチするよう心がけていくべく、特に容器面の改革も考えていきたいと思っております。そして将来バーやキャバレー等でも商品化されていくよう工夫をこらしていく所存でおります。

地域産業いわゆる特産品は長い歴史の中で生れてきたものであり、業者は勿論でありますが、関係当局におかれましては今後とも御指導と御鞭撻御協力を賜りますようお願い申し上げます。

又、消費者のみなさんも一段と味、質共に優ぐれた郷土の銘酒を再認識下さいますようお願い致しまして万博出展の喜びと致します。

本土の関係筋に感謝(比嘉寅吉/比嘉酒造)

1969_9_1_jyoukai_japan-world-exposition_officials-greeting_higa-torakichi此の度、全国の有名メーカーと肩を並べて私達の琉球泡盛が日本万博に出品されると云うことは喜びにたえません。

御承知のように、泡盛のよさはすでに内外に広く知られている通りでありますが、本土では消費者のみなさんが、どこで売られているか知らない方が多く「まぼろしの酒」と云われている位いであります。

幸いに万博出展が決定したのをきっかけに販売面に力を入れていきたい。万博には第一陣に会員の奥さん方を送り、次に会員を我が琉球泡盛の宣伝に努めたい考えです。御尽力下さいました本土の関係筋に心から感謝申し上げます。

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