元泡盛の女王が、ジンフェスティバルに行ってきた!(GIN FESTIVALTOKYO 2019/文・岡山進矢東京支部長)

   

令和元年6月8日(土)、9日(日)の2日間、天王洲キャナルサイド B&C HALL、T-LOTUS M及び周辺施設(東京都品川区)にて、世界中のジンが集まる「GIN FESTIVALTOKYO 2019(同事務局)」が開催された。

同イベントの開催は、昨年に続き2回目。

国内外合わせて50メーカー、200銘柄以上のジンが出品され、来場者は5,000人を超えるビッグイベントである。

昨年、このイベントは、弊紙記者で2016年度泡盛の女王を務め、退任後はクイーンズサポーターとしても活動している友寄美幸がレポートしたが、「今年はより集中して試飲するために、一般客として参加したい」とのことで、今回は、私、東京支部長がペンを受け取りその初日の様子を美幸嬢の動きに密着しつつレポートすることとなった。

+行列
開場時間の午前11時の15分前に、会場入口付近に到着したが、すでに入口からの行列ができており、その列の中に美幸嬢を発見。

+待ち合わせ

天王洲キャナルサイドは、東京湾から引き込まれた芝浦運河や京浜運河に囲まれたベイエリアにあり、広々としたウッドデッキ沿いにファッショナブルな店舗が並び、ゆるやかに海風が通り過ぎている。

予定の開場時間を5分ほど過ぎてゲートが開くと、会場内へ行列が流れ込み、行列はそのまま正面のチケットブースに向かい、今度はテイスティング用のチケットを買う行列となった。

+チケット

行列の中で順番を待ちながら、「どうしてこのジンフェスティバルにそれほど惹かれるのか?」と美幸嬢に尋ねてみると「まだお酒が飲めない高校生の頃読んだ本の影響で、今でもバーに行くとまずジントニックを注文する。そんな身近なお酒であるジンの世界に、大好きな泡盛が参入した。このイベントに集まるジン好きの人たちに、ジャンルを超えた繋がりを感じた。」と語ってくれた。

会場内では各ブースで、100円で1杯(10cc)のテイスティングができる。気が付けば美幸嬢は25杯分のチケットを購入していた。

昨年に続き、沖縄からは瑞穂酒造(那覇市)とまさひろ酒造(糸満市)がブースを構え、泡盛ベースのジンを出品。

ジンは、高度数の蒸留酒に「ボタニカル」と呼ばれるハーブやスパイスなどを加え香りを抽出し、再蒸留して作られる。その点、米のみを原料とし全麹仕込みでピュアな酒質の泡盛はボタニカルとの馴染みがよく、ジンのベースにも向いている。

泡盛ジンのパイオニアである「まさひろ OKINAWA GIN」や、素材や製法に徹底的にこだわった「ORI-GiN 1848」は専門家からの評価も高く、会場でもジンファンの人気を集めていた。

+まさひろ

もちろん、この日の一杯目は、会場入り口のすぐ左手に並んでブースを構えていた沖縄の2社から。まさひろ酒造でOKINAWA GINのジントニック、瑞穂酒造では南城市の美らイチゴを使った新商品をテイスティングした。

+瑞穂

イベントが開幕し、1時間ほどすると、会場の2階の特設ブースではORI-GiN 1848の開発者である瑞穂酒造の仲里氏によるセミナーが行われた。用意された30席超はすぐに埋まり、立ち見が出るほどの盛況ぶり。ジンファンの泡盛ジンへの関心の高さが垣間見えた。

美幸嬢は「なるべく前の席で聞きたい!」と小走りで席を確保し、仲里さんの話に真剣に聞き入っていた。

+セミナー

「沖縄のジンはとてもレベルが高いです。」とはこのイベントの主催者、三浦武明さんのお言葉。三浦さんは瑞穂酒造・仲里氏がORI-GiNを開発する際の相談相手であり、彼にジンの魅力や奥深さを伝えた業界のカリスマだ。

+三浦さん

「ご盛況をいただいており、ジンフェスティバルは来年以降もこの場所で開催していくと思う。沖縄の2社のジンはレベルが高く、もう1社作っている蔵元(石川酒造場)があることも聞いている。沖縄から世界へ、その中間にこのイベントがあると思っている。」と力強い笑顔で語ってくれた。

さて、沖縄のメーカー以外にも、印象に残ったジンをいくつか紹介したい。

+クローバー
■クローバージン(アレグレス・東京都)
美幸さんお気に入りの銘柄で、このブースへの訪問も来場目的のひとつとのこと。花のような香りと繊細な味わいは女性にオススメ。

+チャイ
■ブラックチャイ・ジン(BROWN SUGAR 1ST.・東京都)
日本のオーガニック食品会社がロンドンの英国御用達蒸留所と作った、インド式ミルクティー・チャイのようなフレーバーのジン。

+AKAYANE
■AKAYANE CRAFT GIN ジュニパーベリーオンリー(佐多宗二商店・鹿児島県)
多様なボタニカルがジンに用いられる中、ジュニパーベリーのみで香り付けされた潔いジン。ベースとなる芋焼酎が味わいを深めている。

+jinjin
■jin jin Gin(高田酒造場・熊本県)
減圧蒸留によって作られた球磨焼酎をベースにした、キレイな酒質のジン。”米焼酎仲間”である泡盛のファンにはオススメの銘柄。

「泡盛のイベントだと県内メーカー同士の飲み比べになるが、ジンは県外、国外のお酒との飲み比べになるので面白い。」と美幸嬢。

いつの間にか日が暮れ、ガラス窓越しに外を覗くとライトアップされたウッドデッキが水面に映ってゆらゆら揺れている。決して酔っ払ったわけではないが、時を忘れてしまうようなお祭り的な楽しさがこのジンフェスティバルにはある。

+2社

「明日も帰る飛行機ギリギリまで参加するつもりです!」と、眩しい笑顔を見せてくれた美幸嬢。その両手には、3つものカップが同時にホールドされていた。

筆者は使いそびれた試飲チケットの残りを、25枚を軽く使い切った彼女にプレゼントして帰路についた。

+3カップ

(文・写 岡山進矢東京支部長)

会場内には、好みの銘柄でジントニック(500円均一)を作ってくれる「ジントニックバー」や、約150種の銘柄が購入できる「ボトルショップ」も。

会場内には、好みの銘柄でジントニック(500円均一)を作ってくれる「ジントニックバー」や、約150種の銘柄が購入できる「ボトルショップ」も。

昨年のメイン会場だった「船」は今年、ジンの歴史が展示されたアカデミックスペースに。

昨年のメイン会場だった「船」は今年、ジンの歴史が展示されたアカデミックスペースに。

まさひろ酒造の若手杜氏・安里昌利さん。弊紙編集長も絶賛の業界のホープ。

まさひろ酒造の若手杜氏・安里昌利さん。弊紙編集長も絶賛の業界のホープ。

瑞穂酒造の敏腕名物営業マン本田さん。

瑞穂酒造の敏腕名物営業マン本田さん。

瑞穂ブースで、泡盛業界に多大なる貢献をしていただいた小濱元前沖縄国税事務所主任鑑定官がボランティアでお留守番をするヒトコマ。フレーバーホイールと関連しORI-GiNの技術相談も担当。

泡盛業界に多大なる貢献をしていただいた小濱元前沖縄国税事務所主任鑑定官が瑞穂ブースでボランティアお留守番をするヒトコマ。フレーバーホイールと関連しORI-GiNの技術相談も担当。

Barテイスティングクラブ(那覇市泉崎)のマスターで、琉球泡盛倶楽部の理事・儀部頼人さん(一番右)もご来場。泡盛業界のキーマンが多数集結。

Barテイスティングクラブ(那覇市泉崎)のマスターで、琉球泡盛倶楽部の理事・儀部頼人さん(一番右)もご来場。泡盛業界のキーマンが続々集結。

おしまい。

おしまい。

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