香港的「ジン・デイ」レポート(文・沼田まどか)

   

平成30年7月28日(土曜日)に、香港のL’hotel Causeway Bay Harbour View(如心銅鑼湾海景酒店)において、香港酒評人協会主催の「ジン・デイ」が開催された。

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「香港酒評人協会」は香港のメディアを中心に活躍する洋酒ジャーナリストや編集者によって構成されており、香港におけるワインやスピリッツの認知度向上に貢献することを目的として2016年に創立されたものだ。今年1月に、会長のRonny Lau氏をまさひろ酒造に案内したことがきっかけで、筆者にもお声がかかった。 

この日は、様々なジンを飲み比べるテイスティングイベントと、食事との相性を楽しむディナーイベントの二部構成で、いずれも一般の消費者がチケットを購入して参加する形式だった。ジャパニーズジンからは、京都の「季の美(京都蒸留所)」と沖縄の「まさひろジン(まさひろ酒造)」がリストに並んだ。
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第一部のテイスティングイベントには、二十代と思われる若者、しかも女性の姿が目立った。流行に敏感な若者の参加者が多いと言うことは、香港の酒類市場が元気な証ではないだろうか。さっそく、泡盛仕込みの「まさひろジン」についてヒアリングしたところ、主に女性陣から「爽やかでおいしい」「これまで飲んできたジンと比べてとても新しい味」「非常にユニークでクセになる」等々の感想を得られた。一方で、普段ウィスキーやブランデーを飲むことが多いと言う男性からは「淡白でパンチが足りない」というコメントもあった。

それにしても、ジンというのは知れば知るほどオモシロイ飲みものだ。定義らしいものと言えば「ベースとなる農作物由来の蒸留酒に、ジュニパーベリーの香りづけをした37.5度以上のお酒」ということぐらい。レシピは、造り手の創造力しだいで思うままに組み立てることができる。極端な言い方をすれば、加えるボタニカルを1種類しか使わなくてもジン(スペインの「シュリゲル」)。47種類使ってもジン(ドイツの「Monkey47」)。こんなに自由な酒も珍しい。

IMG_7283@rr19時に始まったディナーイベントは、おいしい料理と7種類のジン、ジャーナリストたちの軽妙なトークで大いに盛り上がり、この日提供されたジンの人気投票で締めくくられた。

最も票を集めたのは「Perfume Trees Gin」で、造り手のKit Cheung氏は、「香港由来の白蘭花の他に、サンダルウッドや八角など、香港を連想させるボタニカルを選んで造りました。ライセンスの都合上、あえてジンの古郷オランダで製造しているが、できることなら100%メイドイン香港のジンを造りたい。今日、これだけ多くの方に支持していただけたので、香港政府に対しても粘り強くアプローチして、何とか実現させたいと思います」と語った。今年11月に発売開始を予定しているとのことで、香港のバーシーンを賑わせそうだ。

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また、2番目に人気を集めたベルギーの「Copper Head」の輸入商のNatasha Leungさんは、「私はジンの造り手ではありませんが、香港人の舌に合うと思われるスピリッツを輸入して販売しています。高い評価をいただいたCopper Headに限らず、ジンそのものに対するニーズは香港で伸びているし、何より、ジンはウィスキーのように自宅で気軽に楽しめる飲み物だから、その利点を活かせばもっと市場は広がると考えています」と感想を述べた。

国内外問わず、現代は「人の手の温もりを感じられるモノ」が人気を集める時代だ。その土地ならではのボタニカルを使ってジンを造れば、すんなりと「地元の酒」の仲間入りができる。その意味でも、「まさひろジン」は新しい沖縄の酒と言えるだろう。

あるいは、これを逆手にとって「沖縄ならではの飲めるクラフト=琉球泡盛」を、世界各地のクラフトジンの隣に並べてみたらどんな風に見えるだろうか?と想像が膨らむイベントであった。

(文・沼田まどか)

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