離島フェア2018レポート。島を味わいシマーを飲む(文・写/嘉手川学)

   

平成30年11月23日(金)から25日(日)の3日間にわたって「まだ見ぬ島の魅力!島の時感!再発見」をテーマに「離島フェア2018」が沖縄セルラーパーク那覇で開催された。

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実は去年は夏から年末にかけていろいろと忙しく、ライター稼業から少し離れた仕事をしていたので、前回の離島フェアも行くことさえできないでいたのだ。

そこで、泡盛の夕べの記事をアップし「原稿を落とした」という心の傷も癒えたことで、北の偉い人似の我が社の主宰に「今年の離島フェア、任せてね」といって、取材をすることにしたのである。

ただ、3日間のうち、動けるのは勤労感謝の日の23日金曜日だけで、おまけにこの日の19時には昔の仕事仲間たちとの飲み会もあり、取材時間は長からず短からずのだいたい3~4時間、取材後はいい気分で19時の飲み会に行けるよう逆算して14時前後に取材現場に着くようにしようと思った。

で、うちからバスで行くにはいつもの5番線ではなく13時47分の14番線に乗って行くことにした。祝日ということもあり、14時10分過ぎには旭駅前バス停留所に到達し下車。そこからゆっくり歩いて会場に向かうと時間は14時30分ごろ。ほぼ予定通りの到着時間である。

会場が近づいたので朝から会場入りしている我が北の主宰に連絡したところ「会場が満員になりすぎているので、すでに後にしている」という。

ホントは「一人で回るより、誰かいたほうが取材は楽なのに」と思いつつ会場に入ることにした。メイン会場のセルラーパーク那覇屋内練習場に入ると、何で?と思うほどぎっしりと人、人、人、で埋め尽くされていた。一発目は知っている人がいるところがいいなぁ、と思っていたら、目の前に南大東島のグレイス・ラムのブースがあった。

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ボクは産業まつりや離島フェア、いろいろなイベントを通して、これまで何度も金城社長から試飲を貰っている仲なので、今回も少し遠慮しながら堂々とお代わりを貰いつつ試飲をした。飲んだのはもちろん南大東島ラム酒の「コルコル」。サトウキビを絞って作った緑のラベルの「コルコルアグリコール40度」。甘味があっておとなしくて軽い味わい。微かにサトウキビの風味が感じられる。

続いて赤いラベルの「コルコル40度」。ワイルドでいろいろな香りがする。糖蜜由来のスモーキーでスパイシーな風味も感じられる。コルコルを飲むたびに思うのだけれど、毎年試飲するたびに美味しさが増してきている気がする。ボクの感覚だけど造り手の努力が感じられるラム酒なのだと思った。

続いて北大東島のジャガイモの焼酎「ぽてちゅう25度」。北大東島産の新ジャガを使い、年に一度だけ製造している。意外とスッキリとしていて微かにジャガイモのふっくらとした風味とコクが感じられる。

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続いて樽貯蔵の「じゃがいも焼酎 沖縄北大東(樽)25度」。半年ほどオーク樽に寝かしているためまろやかでジャガイモのホクホク感と樽の香りが感じられる。25度とは思えない飲みやすさなので個人的にはもう少し度数が強いのを飲んでみたいと思った。

次に向かって歩いていると、なんと我が社の「気がつけばいつもそこにいる社員」の松ちゃんがいるではないか。ホント松ちゃんはいつでも気がつくとそこにいるな人物で、ボクが次の試飲先を探そうと前を見たら、なんと南大東島のシージャッキーを試食していたのである。早速「もう試飲した?」と声をかけると「泡盛新聞の名刺を出して一人で試飲するのは何だか、、、と思ってまだです」というので、ボクも連れがいたほうが試飲しやすいので一緒に回ることにした。

というわけで久米島の米島酒造。そこで目引いたのは創業70周年記念ボトルの伊万里焼を使った藍鍋島文様ボトルの「刻楽(きざらく)720ml 39度」。60年使っている甕に6年貯蔵した古酒が入っていて1本5万円だという。さすがに試飲はできないので人気ブランドの「久米島 43度」を試飲。720mlは工場限定だという。味わいは甘くてマイルド。6年古酒をブレンドしているだけあって43度とは思えないくらい飲み口が軽やかで、生のままでもグイグイいける。あまりにも美味しいのでお代わりをする。

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次の試飲をしようとしていると隣のお客から「嘉手川さんですよね。K秀BのSです。ご無沙汰しています」と声を掛けられた。S氏とは一度、飲みの席でお会いしたことがあり、この4月から部署は違うけど息子の職場の上司になっている。いろいろ、息子の動向を聞きつつS氏にも試飲をすすめる。飲んだのはかつて美人ボトルと呼ばれた特徴的な女性のイラストが描かれた「久米島30度」。香りが華やかでまろやかでスッキリとした味わい中にもコクと旨味が感じられ、個人的には好きな味。ストレートやロック、濃いめの水割りで飲むと旨いと思う。

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次に行ったのが多良川。まず目に飛び込んできたのが「ワシミルク酒12度」。ワシミルクとは沖縄では練乳のことを指し、復帰前の沖縄では子どもたちは風邪を引いたり、体調不良になるとお湯で溶いたワシミルクを飲んだものである。ボクは今から25年ほど前、石垣島の白保の海人と一緒に飲んだ時、泡盛のワシミルク割を飲んだことがあったのだ。

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最初はゲゲゲと思ったけど一口飲んだら意外と美味しく、2杯目からは気にせず飲めたのを記憶している。そういうわけでそのことを思い出しつつ試飲。甘い。泡盛の香りがミルクの香りと合って好ましい。松ちゃんも「ミルキーの味みたい。12度でこの飲みやすさは超やばい(以下、松と表記)」という。美味しくグイグイ飲めるのでかなり危ないお酒である。そういえば白保の海人とは他にも牛乳割りやサバの水煮缶の汁割を飲んだけど、どれもゲゲゲと思いつつ飲んだらかなり旨かったことも憶えている。さすがにサバの水煮汁割の泡盛は商品化できないと思うけど…。 そなことを思いながら次はもろみの温度を通常より低く管理した「多良川創業七十周年記念の酒(白)44度」と通常より高くした「多良川創業七十周年記念の酒(黒)43度」。白は甘い花の香りとまろやかな味わい、いろいろな香りがしている。44度とは思えない飲みやすさで最後に麹の香りがする。黒はまた香り種類が全然違う。白が華やかに対してこっちは落ち着いているというか重厚な大人の香りがする。「黒は昔ながらの泡盛っぽい風味があるね(松)」。米を2度蒸ししてジックリ米麹を作り、同じ原料、同じ製法でももろみの温度を変えるだけでこんなに味わい深さが全然違うのが面白い。

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次は与那国島の崎元酒造の「にごり泡盛 海波25度」。花酒と呼ばれる60度の初留を水で割ると泡盛の旨味成分が濁ることから、それをあえて商品化したもの。濁りのある見た目とは違い、飲み口はスッキリとして深い旨味がある。華やかな香りとまろやかで軽い味わいは本島よりも県外で人気がだという。

「スッキリしているのに泡盛の旨さが余韻として残っている(松)」。なるほど、そうなのかと思ってもう一度試飲をする。確かに飲みやすく余韻も心地よい。水割りではなくロックだと美味しいと思った。担当者はお湯割りも人気だという。

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今度はまた久米島エリアに戻り久米島の久米仙へ。おすすめは久米島だけで販売している「球美島3年古酒35度」。試飲なのに氷を入れてロックで出してくれた。口に含むと香りがいい。オイリーな感じで甘く感じられる。ロックにすると旨味が出てきてコクも感じられる。松ちゃんは純粋に「旨い」と断言。旨味があってまるみがあって甘味もあって香りも芳醇で味わい深い。美味しいので松ちゃんと二人で今度は少し濃いめで試飲をリクエストすると快く了解してくれた。

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だんだん気分がよくなったねと二人で話しながら次の島へ。着いたのが伊是名島の伊是名酒造所。まずは「ときわ九番甕限定十年古酒四十三度」。甘味があって甕香もして、豊かで厚みのある香り。「花の香りがして豊かな香りだね(松)」。バニラの香りと飲んだ後の余韻も素晴らしい。ここでも二人でお代わり。後の香りが口の中に広がる。飲み干したコップもずっと嗅いでいたい。

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さらに伊平屋酒造所へ移動し、10年古酒が30%入った「古酒ブレンド芭蕉布43度」を試飲。水が美味しいといわれている伊平屋島の泡盛なので、喉に引っかかることなくスッと入っていく。微かにコメの風味と泡盛らしい香りが余韻として残る。「甘味があって心地よいマイルドで厚みのある味わいが感じられすごく飲みやすい。ロックで飲みたい(松)」という。

写真11続いて「伊平屋島産100%照島」。ジャポニカ米なので泡盛というよりもお米の風味が強いので不思議な味わい。「お米の風味がするので泡盛っぽくはないが、かといって日本酒とも違う味わいだね(松)」。

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次は与那国島の国泉泡盛合名会社の「どなん30度」。お米由来のオイリーな味わい。その後にナッツ系の香りがする。「ピーナツっぽい(松)」。飲んでいくうちにだんだん美味しく感じられる不思議な味だった。

写真13次、「どなん60度」。強烈だけど酒の旨味が感じられる。強い酒はやっぱりおいしい。「これは冷凍庫で冷やしても美味しいよ(松)」。度数の高い酒を冷凍庫に入れて飲むとは。松ちゃんは経験豊富でかなりの飲手(やりて)であった。

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次は入波平酒造の「ゆのん5年古酒30度」。ゆのんとは八重山の言葉で与那国の意味だという。甘くまろやかな風味があり30度とは思えないほど超軽い感じで飲みやすい。ストレートでそのまま飲んでもいけそうな味わいである。

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続いて一般酒の「まいふな30度」。味わいが全然違う。ゆのんのマイルドでどちらかというと風雅な味わいに対して、昔ながらの味と香りがする力強い泡盛らしい味わい。「米の油の風味が感じられるね(松)」。

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次は「まいふな65度」。65度にはびっくり。強力だけど飲めないこともない。っていうか飲んだ後に米が持っているいろいろな味と香りがして、だんだん美味しく感じられる。ノドの奥に落ちた後の広がりがいい。「口の中でいろいろな香りが広がるのがいいですね(松)」。ピリピリ刺さないのもいいという評価になった。

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次は請福酒造と多良川、久米島の久米仙の3社と県工業技術センターが共同開発した「琉球スピリッツ IMUGE.25度」。甘藷と黒糖を使った焼酎で、産業まつりで飲み損ねて今回の離島フェアで一番飲みたかったお酒である。芋を使っているので、芋の香りはするけどさっぱりしていながら旨味とコクがあり、25度とは思えない美味しさ。芋焼酎とはまったく味わいが違い、芋のワインという感じもするし、全然雑味がないから飲み口に嫌味がなくスーと飲めてしまうね。「フレッシュ感やフルーツ感も感じられ、すごく飲みやすい。冷やして飲むのもいいけど、お湯割りなど温かくしたら美味しくなるかも(松)」。また、お代わりをしてしまった。さらにいい気持になったねと、松ちゃんと話をしながら、また、次へ向かう。

八重泉酒造へ着くと、離島フェアが初お披露目だという島で採れたひとめぼれを使った「島うらら25度」を試飲。ジャポニカ米を使っているので、インディカ米と違って華やかなお米の香りと甘さがある。

写真18メーカーによると泡盛が苦手だという人でも飲みやすいという。「お米の香りが強くてすごい飲みやすいい。泡盛を飲みなれてない人に向いているね(松)」。雑味がない分だけ、古酒にするよりそのまま楽しみたい味わいだ。続いて「八重泉 古酒44度」。

写真19昔ながらの直火釜蒸留100%の3年古酒だ。味わいに厚みがあって甘味もある。さっきの酒と正反対の味。泡盛としての風格がある味わいだね。「旨い。コクと旨味が深いですね(松)」。44度でも何杯でも飲めちゃうね、というわけでお代わりを。すると松ちゃんが「こんなに試飲して大丈夫なんですか」と聞くので、メーカーさんは大丈夫だと思うよと答えると「いや、嘉手川さんと私が。でへへ」。でへへが出たよ。松ちゃんもキているね、と思いながら渡久山酒造の「古酒豊年35度」を試飲。

写真20「泡盛らしい泡盛ですね(松)」。口あたりがマイルドで甘さが感じられる。バニラやチョコの甘い香りやいろいろな香りが余韻として鼻腔に抜けていく。飲みやすいけど力強い味わいだね。続いて「藍色ゆら25度」。続けて飲むとすごく軽くて飲みやすい。「香りがパーっと口の中に広がったあと、すぐに消えてゆく。飲みやすいけど若い味わいですね(松)」。どっちかというと女性的な味わいだと思った。

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とりあえずこれでメイン会場のお酒の試飲は終了。松ちゃんがお腹が空いたというので、じゃあ、今度は試食して回ろうということになった。試食しつつおさらいの意味も込めても近くのメーカーのお酒を試飲をしたのは言うまでもない。

そうこうしているうちに3時間はあっという間に過ぎた。松ちゃんは「いい塩梅になったから歩いて帰るね」といって帰っていった。

ボクは飲み会の約束の時間まで、まだ余裕があったので会場の外に南島酒販さんが担当している離島泡盛コーナーがあったので最後にそこに行くことにした。そこで見つけたのが沖之光酒造のビンテージ泡盛「沖之光premium30度」。

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担当者によると平成4年に旧工場で瓶詰めし、新社屋に引っ越した時に倉庫にしまったまま、すっかり忘れてそのまま寝かしていた泡盛だという。それから20数年ぶりに心配しながら開けてみたらすごく美味しい古酒になっていたという。夢のような古酒物語である。試飲してみたところ30度とは思えないまろやかで飲み口は軽やか。香りも華やかで古酒の独特な香りがいい方向に転がっている。20年以上の古酒のすばらしい味わいだと思った。

それにしても、離島フェアに行くたびにボクはいつもいい気分になってしまう。島の魅力もさることながら、島の泡盛の素晴らしい美味しさが気分を良くしてくれるからなのである。
ちょうどいい塩梅になってきたボクは、いい気持ちのまま昔の仲間が待つ飲み会の待ち合わせ場所に向かったのであった。

(文・写/嘉手川学)

 離島フェア2018において、八重泉酒造の「八重泉Butterfly Pea」が優良特産品優秀賞を受賞。授賞式に望む同社、座喜味盛行社長。

離島フェア2018において、八重泉酒造の「八重泉Butterfly Pea」が優良特産品優秀賞を受賞。授賞式に望む同社、座喜味盛行社長。

離島フェア2018優良特産として優秀賞を受賞した「八重泉Butterfly Pea」

離島フェア2018優良特産として優秀賞を受賞した「八重泉Butterfly Pea」

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