ゴールデンウイーク最中の5月4日(木)、うるま市にある神村酒造の主催で「泡コン」が開催された。イベントは、神村酒造見学と、昨年「第4回沖縄バーガーフェスタ（主催・沖縄バーガープロジェクトチーム）」でチャンピオンに輝いた人気店、BONES（うるま市）での泡盛懇親会、すなわち「泡コン」の二部構成。当初の定員40名を大幅に超える51名が参加し、おいしい食事と泡盛に舌鼓を打った。
待ち合わせのおもろまち駅に手配されていたバスに乗車すると、「暖流」の甘い樽香と中里専務の人懐っこい笑顔に迎えられた。出発前から宴会が始まっていることに面食らいつつ、乗り物酔い体質ゆえ、泡盛を飲みたい気持ちをぐっとこらえて会場までのドライブを楽しんだ。
神村酒造に到着後、参加者は二手に分かれて蔵見学とテイスティングを行う。私は①グループに振り分けられ、まずは蔵の中を案内していただいた。
神村酒造では、よりきめ細やかな判断ができるよう、造りの要にあたる麹作りは全て手作業にこだわっているという。また、蔵の代表銘柄「暖流」は、戦後、地元の人々に広く飲まれていたウイスキーと、自分たちが飲んでもらいたいと思っている泡盛との中間の味わいを目指し、表現することに成功。10年の試行錯誤を経て、1968年に販売が開始されてから現在にいたるロングセラー商品となっている。酒造りに対する細やかな姿勢は、このイベントでのおもてなしにも随所で感じられた。
そして、お勉強のあとはお楽しみのテイスティング。色々と試した中でも、やはり25年熟成の古酒は印象的だった。まず、香りが複雑。青リンゴのような爽やかな果実の匂いがしたかと思ったら、ナッツやカラメルのような甘い香ばしさも感じられ、味わいはまろやかで、ほのかな酸味がある。44度のアルコールを感じさせない、古酒ならではの繊細な舌触りも特徴的だ。
次に、南城市のチーズガイ、ジョンさん特製の黒麹菌を使った「琉球クラウン」をひとかけら口に放り込み、また泡盛を少しすすると、今度はスパイシーで力強い味わいに様変わり。蔵元一押しの「琉球クラウン＋謝花きっぱん店の冬瓜漬け＋古酒」の三重奏も絶妙で、味の七変化を楽しむだけでお猪口は瞬く間に空になった。
蔵から3分のドライブで到着したBONESでは、東京や埼玉からの参加者と相席になり、ほろ酔い気分も手伝って、沖縄トークに花が咲いた。泡盛は苦手だが樽香のするお酒が好きで「暖流」のファンになった方や、「守禮」贔屓の方、トッピングを足し引きして飲み比べを楽しむ方など、泡盛との付き合い方も人それぞれ。自由気ままに楽しめる泡盛の良さを再発見することができた。昼間からお酒が飲める幸せ、初孫がもうすぐ生まれる幸せ、贔屓の野球チームが勝った幸せ、自己紹介とともに、見知らぬ人同士が最近の嬉しかった出来事を話す。まさに、おいしい料理と泡盛が人の縁をつなぐ、沖縄ならではの愉快で楽しい大人の遠足だ。
神村酒造の泡コンは、来年も5月4日に開催の予定だそうだ。「今年はお肉とのコラボだったので、来年はお魚かな」。帰りの車中で夢うつつに聞いた中里専務のお言葉。今のうちに、スケジュールにマルをつけておかなくちゃ。
泡コン（BONES） メニュー
泡盛
暖流30度
守禮30度
芳醇浪漫35度
フード
自家製スモークベーコンと神村酒造の酒粕で作った特性BBQソース
迫力満点の暖流缶チキン
BBQ串
キューバサンド
サラダ
皮付きポテト
イベントスケジュール
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 12：00 | おもろまち駅集合（貸切バス利用者） |
| 12：10 | 出発進行（途中4か所で乗車） |
| 13：30～15：00 | 神村酒造見学と古酒とチーズのペアリング |
| 15：30～18：00 | BONESで泡コン（実際は30分ほど延長） |
| バスにておもろまち駅まで送迎（途中５か所で下車) |
