醸界飲料新聞、創刊祝辞(昭和44年5月17日)

  • [公開・発行日] 1969/05/17
    [ 最終更新日 ] 2015/11/19
   

琉球政府立法院 議長 星 克

1969_5_17_jyoukai-newspaper_first-issue-congratulations_hoshi-katsuこの度、月刊、「醸界飲料新聞」が発刊されたことをお慶び申し上げます。大きく流動する世界経済の影響をうけて、我が沖縄の経済界も次々と困難な問題に直面してまいりました。

特に、米政権変換がいよいよ目睫(もくしょう)の間にせまった今日、沖縄のドル経済は日本の円経済の中に吸収される前提のもとに、質的な一大転換を要求されるようになっております。

この際、経営者も労働者も力を合わせて英知を集結し、もっと県振興の礎を作らねばなりませんが、この共同使命に向かって進む人々の間に立って情報を交換し、気脈を通わす「醸界飲料新聞」の役割は実に意義深いものがあると思います。

社団法人沖縄赤十字社 常務理事 當間 重剛

1969_5_17_jyoukai-newspaper_first-issue-congratulations_touma-jyugou“古の七の賢しき人等も欲りせしせのは酒にあるらし。”

歌人、大伴旅人は7世紀の昔に「酒は人生百般の問題を解決するただ一つのありがたい水である。」と歌っているが、洋の東西を問わず、酒にまつわるエピソードや、教訓は古く、世界の歴史の変様も常に酒がついて廻ってきたといっても過言ではなかろう。

私は高等学校時代、ボート部に入ったが、部員に酒豪が多く、1人平均2升は飲んでいたが、その時分から酒の味に魅せられ、爾来(じらい)、今日まで続いてきているのだから、私の酒歴も古いほうだろう。

たまたま帰省して泡盛のうまさを再発見したのであるが、沖縄の泡盛は世界一だと私は思っている。人それぞれだが、ビールにしろ、ウヰスキー、清酒、味噌醤油にしてもそうじゃないか。

今度、仲村君がそう言った全般の業界紙を発刊すると言ったことは誠に時宜(じぎ)を得た発刊物として非常に良いことだと思う。

今後、一般消費者の意見をどしどし取り上げ、業界の意見も反映させつつ紙面の充実を計り、両者のよきアシスタントとして大いに活躍されんことを心から期待し、同時に業界が資本の増大を計り、よい物をより安く供給出来る様、抜本策を希望致し、私の発刊の祝辞に致します。

沖縄洋酒酒造協会 会長 佐久本 政良

1969_5_17_jyoukai-newspaper_first-issue-congratulations_sakumoto-seiryou“洋酒天国沖縄”と言われるぐらい沖縄には種々の洋酒が輸入され、しかも諸外国に比べ低率な関税のため、割りと安い価格で販売されております。

尚、「基地沖縄」から派生する脱税品の横行等で私共洋酒酒造業者においては、孤軍奮闘、その対策に努力致しております。政府でも種類、煙草の脱税防止に強力な態勢を整え、関係業においても脱税防止協会を発足させ、政府に強力脱税防止体制が敷かれるようになりました。

この様な時期に仲村君が醸界飲料新聞を発行されることは慶びに堪えません。今後はメーカーや卸業者の実情を消費者の皆様に理解してもらい、又消費者の御要望等、生の声を聞いたり、両者の意見・立場の発表の場として活用できる、よき機関たることを期待するものであります。

願わくば、本紙が関係者の支持を受け、醸造界における市場の発展に寄与され、本紙が永く発展するよう祈るものであります。

琉球酒造組合連合会 会長 佐久本 正敦

1969_5_17_jyoukai-newspaper_first-issue-congratulations_sakumoto-masaats醸界飲料新聞発刊、慶び申し上げます。琉球泡盛は500年前、タイ国から伝わって来たと云われ、独特の黒麹菌を使用して醗酵させ、これを蒸留して出来た保健酒であります。蒸留酒でありますから、貯蔵すればする程コクが出て、まろやかな味が出て、一段と美味しくなります。

戦前は沖縄において砂糖に次ぐ重要産業の一つで、東京や大阪、北九州において広く皆様に愛飲されておりました。“琉球泡盛”は「西にスコッチあり 東に泡盛あり」とまで賞賛されてきました。

戦後沖縄の酒造業界も一大変化をなし、今まで酒造業と云えば泡盛業の代名詞さえありましたが、焼酎、ビール、ウヰスキーの工場がぞくぞくと出来、伝統のある我々“泡盛”も一時斜陽産業呼ばわりされておりましたが、数年前から矢張り泡盛の良さが認められ、再び郷土の銘酒として脚光を浴びる様になりました。

私達泡盛業者一同、品質の向上と経営の合理化を図り、皆様にいつまでも「可愛がっていただく銘酒」造りに此の道一筋に邁進致したいと思っております。

こう言う時に、沖縄に今までなかった醸造関係の新聞「醸界飲料新聞」を発刊されることは、醸造業界のために誠に嬉しく思う所であります。今後「醸界飲料新聞」の御発展を祈念致し、御祝いの辞と致します。

オリオンビール株式会社 社長 富永 寛二

1969_5_17_jyoukai-newspaper_first-issue-congratulations_tominaga-hirojiこの度、醸界飲料新聞が発行されることにあり、業界関係者の一人として慶びに耐えません。戦前沖縄には醸造業と言えば小規模の泡盛業と味噌醤油業しかありませんでしたが、戦後は沖縄経済発展と共に、その醸造技術も進歩して参りました。

その上ビール産業が出現し一枚加わったことは、沖縄の醸造界の一大飛躍を意味すると存じます。復帰を目前に控え、沖縄の醸造界は合理化による確固たる内部充実を図ることが焦眉(しょうび)の急務となっています。

この重大な時期に当たり、醸界飲料新聞の発刊は、醸造界にとっても誠に時宜を得たものであり、祝意と共にその発展を心からお祈り申し上げる次第であります。

琉球泡盛産業株式会社 社長 神谷 俊彦

1969_5_17_jyoukai-newspaper_first-issue-congratulations_kamiya-toshihiko現下、我が沖縄問題が世界的な国際世論として大きくクローズアップされて来ている今日、沖縄に於いても本土への復帰問題、特に沖縄経済の自立体制基盤の確率に経済界はモトより、各階層が沖縄のひずみ是正に敢然(かんぜん)と勇気と信念をもって取組む時点に立たされており、

私共泡盛業界に於いても、本土復帰に備えて企業の合理化、経済基盤の確立及び経営ビジョンの開発など、総ゆる面に於いて業者が一体となって今後の問題点の解明に結集しつつあり、斯様(かよう)な好時期に、仲村征幸氏を中心にスタッフ各位の御協力により、私共醸造界と最も密接な関係をもつ“醸界飲料新聞”が、今般沖縄で始めて創刊されることは、我々醸造界だけの慶びではなく、沖縄の経済界全般に及ばす利大なるものがあると固く信じ、慶びを表するものであります。

願わくば斬新にして盛りだくさんの取材に努力され、沖縄醸造界の良き指標とならんことを願う。最後に醸界飲料新聞の今後の現無き御発展とスタッフ一同の御健闘を願うや切なり。

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