去る2月12日は旧暦の1月1日で旧正月であった。この日は、午後3時から4時までの1時間にわたり、琉球放送テレビで泡盛の女王の選出大会が生放映される日である。今年で17回を迎えていてすっかり定着した好番組となっている。
17年前を振り返ってみると実に感慨無量である。きっかけはこうであった。
何回目かの沖縄県泡盛同好会の例会をホテル西武オリオンの大ホールで開催した時のことである。同好会ではこれからの時代は女性が社会に進出してくるから、その女性層や若い男性層向けに泡盛のシンボルをつくって積極的に名酒泡盛の良さをPRしようじゃないかということになった。
当時まではまだ他酒類や泡盛を含めて「酒」に対するイメージがかたく、従って泡盛といえば男性の世界の「陶酔飲料」という概念があった。そこで泡盛のイメージをソフトに、しかも「美的感覚」で訴えようということで「ミス泡盛」なるものを公募しよう、ということに相成った。
で、その公募趣意書を作ってホテル西武オリオンの大ホールの受付で配布したのである。
例会が始まって間もなく私の所に飛んで来たのが真栄田喜男君(琉球放送株式会社)であった。その趣意書を片手に「ぜひうちと提携して番組を作らせて欲しい」と願い出てきたのである。
これは私の一存では決めることはできないので後日執行委員会で話し合いをもつからと、その日は終わった。琉球放送テレビは早くから泡盛特番を組んで放映していたので、ここと一緒にやろうと話は決まった。
しかし、同社の企画書を見て色を失った。放映時間は1時間で、総経費が500万円以上かかるとなっている。応募者も思うように集まらず、その上スポンサー探しにも真栄田君と2人で本当に苦労した。
当時まではまだ若い女性にはあまり関心がなかったのであろう。それが今日ではどうだろう。去る大会の応募者数も51人だった。皆高学歴者でプロプーションも良く、堂々と自己主張できる美人揃いであった。
17年前の初回大会からずーっと審査員の1人として目の保養をさせてもらっている私は幸せ者である。
第3回大会までは同好会が主催してきたが、第4回目からは沖縄県酒造組合連合会に引き継ぎ現在に至っている。そして沖縄県泡盛同好会は「主唱」となった。
第17回大会場の雰囲気を眺め、立派に定着した番組を思うとやっぱり感無量だ。これまでに選出された泡盛の女王も51人となった。誰かが音頭をとって51人の「親睦会」を作り、お互いに横の連携を密にして月に1回か2か月に1回、一堂に集まって名酒泡盛をたしなみながら「勉強会」ができれば、と願っているのだが・・・。
2002年泡盛の女王のお三方おめでとう!
2002年4月号掲載