過日、日本の名陶工、島武巳さんと泡盛居酒屋「うりずん」で酌み交わしながら取材したクースづくりのカーミ(壺)について今回は話してみたい。以下はこの人の何十年間にわたり体験してきでのカーミに対する持論である。
ざっと以上が島さんのクースづくりの壷を選ぶ時の基本的な知識と提言である。クースづくりは誰でもが簡単にできるものではあるが、正しく熟成させるということは並大抵のことではない。
私は度々主張していることであるが、いいクースづくりは「いい壷」選びが絶対条件である。かの尚順男爵もその遺稿集でクースづくりのむつかしさを説いている。昔、各家庭で味噌づくりをしていた時代、その担い手であったおばぁ達はあのカーミで造ったのがおいしい、このカーミのはまずいと話し合っていた、と或る陶工が語っていたのを思い出す。
もう何十年も前のことだが、私が或る泡盛メーカーの2合壷入りを1ケース買った時、その中から先ず一本を取り出して味見をしたらすばらしいクースに育っていた。これを友人の取り引き先の“大物”に進呈したら最大級に絶讃された。気をよくした私は早速2本目を取り出して飲んだ。
・・・?
そんな筈ではなかったのである。
2003年11月号掲載
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