平成28年11月22日(火)沖縄県酒造組合、沖縄卸売酒販組合、沖縄小売酒販組合は、オキナワグランメールリゾート(沖縄市与儀)1階ロビーにて、泡盛のおいしい飲み方を提案するイベントを共同で開催した。
酒造組合と、卸、小売り両組合の共催企画は今回が初となり、業界の新たな動きに、関係者の注目を集めた。
各ブースでは、参加酒造場が、家庭や飲食店で気軽に楽しめる泡盛の飲み方を提案。後援の沖縄国税事務所は、顕微鏡で実際の酵母や黒麹菌を観察させたり、香りのサンプルで泡盛に含まれる香り成分を細分化して説明したりと、より深く泡盛を知りたい参加者のニーズに答えた。
各蔵が提案した飲み方の一部を紹介すると、神村酒造はすでに定着しつつある暖流の無糖ソーダ割(暖ボール)に加え、看板泡盛である守禮(しゅれい)のトマトジュース割(守禮トマトボール)を提案。おつまみとして用意された濃厚なチーズと合わせると、口の中でピザの味が完成するという二度おいしいカクテルに仕上がっていた。(トマトボールレシピ/守禮25度30ml:無塩トマトジュース:炭酸水=1:2:3)
比嘉酒造は、水割りやロックですでに飲みやすさの定番となっている残波白(残白)をさらに、飲みやすくする3種類の炭酸割を提案。残白とソーダを1:1で割る残波ソーダ割、残白にトニックウォーターと炭酸水、シークヮサー果汁を加えた“ザントニック”。残白にレモン炭酸水とレモン果汁を加えた“残波レモンハイ”はどれもさらに爽やかな飲み心地になっていた。
瑞穂酒造は、今年発売したばかりのMIZHO ISLAND SPIRITSをベースに“ミズホリッキー”と“ミズホジンジャーエール”を提案。MIZHO ISLAND SPIRITS 45mlにシークヮサー1個と氷と炭酸水を適量入れたミズホリッキーは酸味が効いた大人味。MIZHO ISLAND SPIRITSにジンジャーエール(清涼飲料水)とレモンスライスを加えたミズホジンジャーエールはお手軽に作れるわりに、甘味と酸味のバランスが良く本格カクテルに仕上がっていた。
久米島の久米仙(久米島町)は、久米島の久米仙古酒のぜいたく炭酸割を提案。古酒風味豊かな久米島の久米仙古酒を炭酸水(ソーダ)で割ることで、古酒独特の甘みが口の中に一気に広がるシンプルではあるが奥深い飲み方になっている。
久米仙酒造(那覇市)は、冬に向けお湯割りならぬ燗酒を提案。30度の久米仙の泡盛に水を1:1の割合で混ぜ1日置き(前割して)、徳利などに入れて一度沸騰させたお湯に2分20秒(約50度になるまで)浸して燗をつけて完成。“前割する”ことと“燗をつける”ことで、通常のお湯割りよりさらにおいしくなるという。
今帰仁酒造は泡盛を炭酸水で割ったハイボールと生姜シークヮーサー(清涼飲料水)で割ったカクテルを提案。特に生姜シークヮーサーで割ったカクテルは、甘みが強く、甘いカクテルが好きな方におすすめだ。
まさひろ酒造は蓋つきのグラス(容器)で、手軽にカクテルを作ることを提案。容器に氷と泡盛、シロップ、レモンを入れ軽くシェイクする“あわフリレモン”や、コーヒーと牛乳、泡盛を入れた“あわフリコーヒー”などをすすめた。蓋つきのグラスでシェイクすることで、気軽に誰でもおいしいカクテルが作れるという。
新里酒造は、ハイパーイースト101の前割を提案。香り豊かなハイパーイースト101に対し水を1:1の割合で混ぜ、冷蔵庫で1日以上置くと、直前に水割りした場合とはまた違った味わいになり、氷の解け具合も気にせず一定の味で華やかな101が長く楽しめる飲み方だ。
瑞泉酒造はリキュール“宵の紅茶”の炭酸割を提案。甘すぎず、よりハーブ感が増して水割り派もうならせる一品に。
ヘリオス酒造は、定番のくらをベースに、初級、中級、上級に分けそれぞれ3種類のカクテルを提案。
初級の“くらトニック”、“くらハイボール”、“くらコーク”は、くら60mlに対して、それぞれトニックウォーター、ソーダ、コーラを適量混ぜ、カットレモンを入れるだけの簡単レシピである。
中級は、トマトジュースベースの“くらッティマリー”、オレンジ、マンゴーの各ジュースを混ぜた“くらパンチ”、オレンジジュースとシロップを入れた“くらドライバー”とバラエティに富む。
上級は、ホワイトキュラソーを混ぜる“くらドライ”、チェリーブランデーと合わせた“くらスリング”、コーヒーリキュールとミルクを加えた“くらカルーア”などアレンジレシピが続く。
参加者の声を聴くと「お客様への泡盛の提案方法として勉強になる(飲食店経営者)」や「酒造メーカーと酒類卸売業者と酒類小売業者が今後ますます連携するための大きな一歩となった(卸売業者)」と、今回の試みを高く評価し、今後の発展に期待を寄せていた。