多くの招待客で賑わっていた。
11月2日、ANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービューにおいて、沖縄県と沖縄国税事務局が開催した泡盛鑑評会表彰式のあと、沖縄県酒造組合(玉那覇美佐子会長)主催の「琉球泡盛の夕べ」が開かれた。また、その会に先立ち泡盛の「きき酒会」も行われた。
「泡盛の夕べ」には酒造所や県、国の職員を始め、マスコミ、研究者、広告代理店、飲食業オーナーなど多くの関係者が詰めかけていた。会場には県内全メーカーの泡盛が並び、今年度の鑑評会で県知事賞と沖縄国税事務所長賞を受賞した15の酒造所の15銘柄の試飲コーナーが設けられていた。
会の始まりに玉那覇美佐子酒造組合会長のあいさつがあり、「泡盛の出荷量は減少傾向にあるが、今年度の鑑評会での国税庁の評価では、出品された酒造所のどの銘柄も酒質が良く、受賞した泡盛と受賞を逃した泡盛の差は僅差だった、という言葉をいただきました。各酒造所が品質向上に心を向けていることが分かり、これからは出荷拡大のために課題は山積していますが、組合全社が一つになって品質向上を図り、信頼される泡盛を作り続けていきましょう」、という趣旨の挨拶すると、会場は静まりかえり、それから大きな拍手にかわり、会長や組合、関係者たちの力強い決意が感じられた。
その後、数人の祝辞やお祝いの言葉があり、さらに復帰35年を記念して始まった泡盛の普及拡大に力を尽くした人物に贈る「琉球泡盛賞」の授賞式が行われた。
泡盛賞は山城高常(やましろ たかつね)氏
今年の受賞者はラジオ沖縄福岡支局長で福岡泡盛会の事務局長を務める山城高常氏。山城氏は那覇市出身で、昭和59年に福岡泡盛会を設立し、以来、30年間にわたり毎月の泡盛会や年2回の特別例会を開催し、福岡泡盛会の事務局長として、県外における泡盛の情報発信、啓蒙に多大な貢献をしているという。また、北九州泡盛会をはじめ、多くの泡盛会設立にも関与をしており、県外における泡盛業界発展に多大な業績が認められ、今回の受賞となっているという、すごい人なのである。
その後、一斗樽の鏡開き、乾杯と続くと会場は一気に盛り上がった。ボクは今年度、県知事賞を受賞した5銘柄を試飲、それから国税事務所長賞を受賞した銘柄も試飲。さらに那覇ではあまりお目にかかれない各離島や北部の泡盛を飲み続けた。飲みながらそれぞれに個性があり、味わい深い泡盛が多いなぁと思いつつ気がつけば、かなりのアルコールが全身を駆け巡っていた。
途中、泡盛の「きき酒会」の結果発表が行われた。今年は例年に比べて難しかったのか、全問正解は一人だけだだった。ちなみに「きき酒会」では「新酒、3年古酒、10年古酒」の新古あて、「20度、30度、35度、43度」の度数あて、「泡盛・麦焼酎・芋焼酎・米焼酎」の酒類あてのきき酒があった。ボクも自信満々でチャレンジしたのだが、結果は度数は35度と43度を間違え、新古酒あてはなんとか当てたものの、種類あてでは泡盛と米焼酎を間違えるという、大失態を犯していた。泡盛新聞を書いている人間として泡盛を間違えるとはいかがなものか、と自責の念に囚われてしまうが、新聞はスタートしたばかりだと自分に言い聞かせたのだが、かなり落ち込むと同時に酔いも回り始めた。種類あてで泡盛を間違えた少しショックはかなり大きく、会がお開きとなるとボクはがっくり肩を落としながら、千鳥足で会場を後しつつレポートを終了したのだった。
(文/嘉手川学)