「心躍る!島の魅力」をテーマに、離島の特産品の販売や流通商談などを行う「離島フェア2015」(主催/同開催実行委員会)が11月21日から3日間那覇市の沖縄セルラーパーク那覇で開催された。沖縄県及び鹿児島県の18離島市町村から128社が出店。わが琉球泡盛からは、久米島の久米仙(久米島町)、米島酒造(久米島町)、渡久山酒造(宮古島市)、八重泉(石垣市)、請福酒造(石垣市)、伊是名酒造所(伊是名村)、伊平屋酒造所(伊平屋村)、崎元酒造所(与那国町)、国泉泡盛(与那国町)、入波平酒造(与那国町)の10場がブースを構えた。離島フェアは今年で27回目。
琉球泡盛各ブースでは、自慢の泡盛の試飲、販売を行っており、特に離島フェア限定品や離島のみで販売される泡盛を中心に人気を博していた。
久米島エリアでは、久米島の久米仙の一斗瓶がその存在感をアピール。2001年醸造の古酒を試飲したところ、ただでさえ飲みやすい久米島の久米仙がさらにまろやかになっており驚かされた。また、米島酒造では、芳醇で甘みのある甕貯蔵久米島43度、味の深みが魅力の美ら波40度、さわやかで優しい甘みの久米島30度、すっきりとした甘みで淡い後味の美ら蛍30度など、多くの泡盛を試飲したが、決して大きいとは言えない酒造所で良くここまで様々な味を作れるものだと関心させられた。また美しく自然豊かな久米島をイメージさせるラベルも秀逸だ。
宮古島エリアでは、渡久山酒造ががんばっていた。フルーティな香りで口当たりも良い豊年30度。香ばしさもある複雑な香りで、まったりとして味わい深い古酒渡久山研悟30度。さわやかで甘みのあるゆら25度。芳醇でかつ力強い豊年古酒35度など飲めば納得の美酒を出品。
石垣島エリアでは、伝統の琉球泡盛を中心にラインナップした八重泉と梅酒などのリキュールを中心に並べた請福酒造が対照的だった。豊かな香りと深い味わいで泡盛通もうならせる黒真珠43度。口当たりよく飲みやすさが追求された八重泉30度。樽熟成ではあるが、泡盛の力強さも兼ね備えたグリーンボトル八重泉43度。一方、請福酒造はその甘みと酸味のバランスが絶妙で若者や観光客にも人気の泡盛仕込み請福ゆずシークヮーサー10度、請福梅酒12度、請福生姜リキュール12度がブースを飾る。
伊是名島、伊平屋島からは、それぞれ島唯一の酒造所である伊是名酒造所と伊平屋酒造所が参加。穀物の香りが心地よく力強い常磐30度。伊平屋島の定番照島30度。共に伝統を守りつつも益々うまみが増大している。伊是名酒造所が伊是名島産のひとめぼれで醸した尚円の里30度は、逆に昔泡盛のような力強さがあり驚いた。
与那国島からは国泉泡盛、崎元酒造所、入波平酒造の3場が参加。与那国と言えば、アルコール度数60度の花酒が有名であるが、銘柄で言えばそれぞれ「どなん」「与那国」「舞富名(まいふな)」となる。もちろんそれらも試飲したが、この度数になると割水の量や冷やし具合などで味わいがいく通りにも変わるものなので感想は控えたい。ただし一点、国泉泡盛が与那国産の米を用いて2006年に醸したどなんが、まるで日本酒とブレンドしたかのような強い甘みを持つ古酒に育っていたことは特筆する。泡盛に新たなカテゴリーができたかのような衝撃的な後味である。
番外であるが、那覇市の久米仙酒造とJAなどが連携し、北大東村産のジャガイモ(ニシユタカ)を使って作った焼酎「ぽてちゅう」はその目新しさもあり、在庫が一時なくなるほどの売れ行きを見せていた。アルコール度数25度、720mlで税別千円。ほのかに芋の香りがし、大変飲みやすく仕上がっていた。
(二代目預)