琉球酒造組合連合会(会長:佐久本政敦氏)では、先に本土復帰に際し、6項目からなる泡盛醸造界要望書、
(1)酒造免許の件
(2)酒税の件
(3)原料米の件
(4)泡盛の販売ルートの件
(5)商標ラベルの件
(6)中小企業資金の長期低金利融資件
を主税局に提出していたが、これに対し主税局では、去る7月14日午後1時、酒連3階ホールに業界の復帰対策委員を招集し、合同懇談会を開いた。
主税局からは
・野里間税課長
・照屋第一係長
業界からは
・佐久本(会長)
・比嘉(まさひろ)
・崎山(崎山酒造)
・玉那覇(玉那覇酒造)
・新里(泡盛産業KK専務)
・平良(久米仙)
・石川(石川酒造)
・神谷(神谷酒造)
・玉那覇(瑞穂)
・比嘉(副会長)
の各氏が出席した。主税局側として企業合併や統合を極力するよう呼びかけたが、業界側としては現状では不可能な問題だとして折り合わなかった。
主税局としては、9月初旬までに相対的に具体案をまとめ、対本土政府へ提出する考えで、その詳しい資料集めを急いでいる。
企業合併で復帰対策を(主税局)
現状では合併不可能(業界)
懇談会での主な発言要旨は次の通り。
(1)酒税免許の件について
業界の要望書は、1945年から約3ヶ年間は琉球政府の直営になっていたが、1948年に民営になり、百数十件が泡盛免許を得て製造していた。
以後焼酎甲類、ビール、洋酒等の製造が認可され、泡盛業界も過当競争を繰り返し漸次廃業者が多くなり、現在全琉で57業者が営業し、やや安定しているが、連合会としては近促法に従って協業、統合の何れかにまとめ過当競争を避け、酒税の保全に協力したい。
新規免許が許可になれば、又現在1年毎に更新する酒造免許を復帰時までに永久免許にして貰いたい、泡盛は沖縄独特の地域産業だから保護する建前から本土から免許取得のための沖縄進出を行政措置で阻止して貰いたい、となっている。以下は主税局と業者のやり取りである。
(2)酒税の件について
(3)原料米の件について
(4)泡盛の販売ルートの件について
(5)商標ラベルの件について
以上が主な懇談内容だが、その他に醸造試験場の設置問題、復帰対策として度数の最低基準を落とす問題、奄美大島の業界の現況、低利融資問題、そう云った融資金の償却年限の短縮問題等、懇談は続いた。